ドル/円の最初の下落は、やり方が全くお粗末なので私は日本の通貨当局の介入では無いと思っていましたが、日銀の当座残高の変化から介入だった事がほぼ確定したようです。

 

 そして今朝2回目の介入をやったようですが、157円台から153円迄落とした後ジリジリと戻して今156円前半です。

 

 

 最初想定されていた防衛ライン155円突破を許し、160円まで行ってから介入して154円台に落としましたが(下落幅6円)、ここが最大のポイントだったように思います。

 

 当局の防衛ラインとして広く喧伝されていた、155円を1銭でも超えた時に直ちに介入して148・9円台に落としておけば(下落幅6 or 7円)、日本の通貨当局の防衛ラインは155円だなと言う事を市場に対し明確に示せたはずなんです。同じ資金を使ってもそちらの方が資金効率も防衛効果も高かったと思います。

 

 今のやり方では、一体日本の通貨当局の考えている防衛ラインは何円なのかが全く明確で無いように見えます。だから市場も様子を探るのにジリジリ上値を上げて、結果的に効果のない介入になって居るような気がします。

 

 勿論、その根底には貿易収支の赤字定着傾向、その一因としてデジタル赤字の拡大もあるでしょうし、日本企業が海外に投資して稼いだ金が海外に滞留して国内に還流しない、新NISAの開始によって拡大した投資層・投資枠が海外投資に向かい円売りになったなどの諸要因が有るんでしょうが、矢張り一番大きいのはアベノミクスによって基礎的条件である日本の金融環境が破壊された為、効果的な対策が打てない事でしょう。

 

 例えば日銀の国債大量買入れによって金利を上げれば保有国債価格の下落によって日銀が破産する事や、同じくFTAの大量買入れによって金利上昇円上昇株価下落による保有FTAの評価損で同じく日銀が破産する事、金利上昇により世界一の財政赤字によって抱える国債の利払いで予算が行き詰まる事などです。

 

 その癖財務省は、減税と言う言葉を忌避する事甚だしく、政策によって円高誘導を図る「レパトリ減税」を嫌がっているようで(海外に滞留したままだったら税金を取りたくても取れないので、どうせ取れない税金なら減税して円安阻止の為国内に還流して貰った方が良いと思うんですが、財務省は減税と言う言葉自体が嫌いみたいです)、岸田も財務省頼り故かその採用に踏み切らず、円安との戦いを尻目に外遊で外国に金をばら撒きに行くとか、まあ日本国民は救われません><。

 

  金利が上がると不況になるので日銀は金利を上げないと言いますが、日銀が金利を上げなければ円安になり殆どの品物を輸入しなければいけない日本は、円安で輸入物価が上がると国民は高いの物を買わざるを得ず(インフレ進行実質賃金の下落)当然財布の紐を締めますから物が売れず不況になります。

 

 上げても不況上げなくても不況、どうせ不況になるなら金利を上げて国民が(企業が)物を安く買えるように物価を下げる方向に動いた方が良いと思うんですが、おまけに国民の懐(企業の懐)に金利収入迄転がりこむんですが・・・・動かないですねえ。

   

 (ここから追記17時21分)

 

 こんなのもありました。

 

 参考までに・・・・

 

 

 (ここから追記:18時48分)

 

 私は「レパトリ減税」について何度かエントリーをアップしていますが、「レパトリ減税(リパトリ減税とも言う)」を知ったのは唐鎌大輔さんのレポートからです。

 

 その唐鎌さんが「東洋経済」に「レパトリ減税」について新しいレポートを載せていらっしゃいますのでご紹介したいと思います。