27年前への時間旅行 その33 | どこでも漫遊記

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福岡市にある旅行会社「旅の漫遊」の代表西山がつづる海外情報や日々の日記。あなたを非日常の世界へとお連れいたします。

聖なる川ガンガーをぼんやり見ていた。

昨日からヴァラナシに入り、日本人の女将さんの経営するクミコハウスという宿に泊まっていた。

ガンガーのすぐほとりにある。

客は日本人も多いが、世界各国のバックパッカーが来ていた。

 

ガンガーは全長2500kmを超える川自体を女神として敬われている。

このヴァラナシではインド人は沐浴をする人がたくさんいるが、

マネして外国人が沐浴したりするとアメーバ赤痢にかかって死にそうな目にあったりする。

この病原菌のウヨウヨいる聖なる川で沐浴するなら自己責任でしなければならない。

濁った水はとても聖なる川には見えないのだが、ヒンズー教徒には聖なる川である。

ガンガーは現地での言い方、ガンジス川と日本では習う。

 

ヒンズー教徒たちは罪を浄化するために沐浴をしている。

隣では洗濯をする女性たち。

歯を磨く子供。

絶対、こんなところでは1滴たりとも水を口にいれてはいけない。

だけど、インド人たちは手ですくって口にいれ濯いでいる。

強者だ。

ここにはヴァラナシ一帯の生活排水なども流れ、死体もプカプカ浮いている。

インド人は気にしない。

 

死体が浮いているのはすぐそこの川上に火葬場があるから。

インドでは亡くなったらヴァラナシのガンガーに葬るというのがみんなの願いらしい。

そのため、このガンガー周辺には火葬場が多い。

生と死が混合する街。

ヴァラナシは路地が入り組んだ迷路のようになった街。

そこにリキシャと牛と乞食と物売りと客引きと人々が混在する。

あるとき迷路に迷い込み、火葬場に出たことがある。

見たらいけないものを見た気分ですぐに引き返したことがる。

 

私が現地の人にきいた火葬場事情。

お金があったり、身分が高かったりするときちんと火葬場で焼いてくれ、灰にしてガンガーに流してくれる。

お金がなかったり、身分が低いと、そのままの状態で流される。

中途半端だと中途半端な焼き方でながされるときいた。

本当かどうかよくわからないが、生と死が混在するヴァラナシでは納得する。

 

死体は川にいつも流れてくる。

社会でバラモン、クシャトリア、バイシア、スードラってカースト制度を習った。

今、流れてきてる人はどんな一生だったのか。

ここで流され輪廻から解脱できたのだろうか。

 

(続)