母が契約した探偵事務所は、三田(東京)にある。

お抱え弁護士付きの事務所が売りとのキャッチコピーだが、裏を返せばそのお抱え弁護士が敵になる。

母のように藁にもすがる思いで駆け込んでくる客は、まさに鴨葱。格好の餌食。

 

味方のフリを決め込んで大金を巻き上げる大作戦の探偵事務所、冷静な第3者目線ではしっかり敵に見える。

まさに、昨日の敵は今日も敵。

しかしながら、誰にも言えずにお困りだった母にとっては、即金で200万円お支払いしてしまうほど信用のできる相手だった。

 

こういった事務所は、決まって「成功報酬」という言葉でだまそうとする。

成功も何も、調査が始まっていない段階でお金を支払わなければならない。

探偵事務所をお探しの方、ここでも1度冷静になってほしい。

 

まず、依頼金100万円を支払った母は、冷静になった翌日にキャンセルを願いに事務所に出向いたが

 

「すでに調査は始まっているんですよ。 泣き寝入りでいいんですか?」

「確実に証拠をつかみます! 旦那さんと女をぎゃふんと言わせましょう!」

 

娘(私)に相談したいと申す母に対しても

 

「娘さんに相談しても迷惑かけますよ。 心配するだろうし、私が奥さまの立場なら相談しません」

 

などなど、さまざまな言葉で丸め込まれた母は、契約続行。残りの116万円を振り込む始末。。。

 

そして、成功する前提でお金を巻き上げた探偵さんたち。

よほどいい仕事をするのかと思いきや、わかりやすい尾行で速攻父にバレて警戒された挙句、父の車に仕掛けたGPSも見つかってしまうの巻。。。

父と不倫相手の旅行情報まで母から事前にもらっていたくせに、そこは尾行せず証拠を取り逃す始末。

 

普段から敏感な父の警戒心をフルに煽りながら、何ひとつとして法廷で使える証拠を持ってこない無能ぶり。

私と弟は、そこを逆手に取り「成功させずに報酬を返金させる」大作戦を決行することにした。