アレだけは嫌だ
と言う人が多いらしい。
私だって嫌だ。
手術がすんでから受け入れられない自分に気づいて、かなり精神的危機に陥る人は熟年男性に多いそうな。
ストーマをつける人の半数以上は70〜80歳。本人より介護する人に人気があるのは、
オムツ替えるより圧倒的にラクだから。
終末期を自宅で過ごしたい人には、望みをかなえてあげやすくなります。
で、私はと言うと。
受け入れられない!と受けて立ちますわよの間を二日間で行ったり来たりしてました。
四六時中、目から水が出るので先生にも看護師さんにもばればれでした。
押川先生は、ナンでそんなに悲しいのかわからん、というお顔。
「今のウチヌノさんの状態はこのまま退院する選択肢もあります。
でも腸閉塞は必ず再発します。そしていつか人工肛門を作るしか生きる道がないという時に今度はつけたくてもつけられない腸になっているかもしれないんです。
その可能性はとても高い。
イレウスが再発したときにもう腸にストーマを作れる場所がないという状態になっていたら、ウチヌノさんは、ストーマを作れることのありがたみを否が応でも感じるでしょう
そっちの方がよほどかなしかないですか。
ウチヌノさんは人工肛門が作れない人から見たら羨ましい存在なんですよ。
逆に、人工肛門をつけて状況がよくなったからとり外したけれど、いざ外したらQOLがはなはだしく落ちて、つまり、ストーマがどれだけ生活をらくにしてくれたかがわかって、ストーマを再度つけるケースもあるんですよ。
人工肛門はイメージが悪いからみんな嫌いますが、けして悪いものじゃない。
いつか必ず慣れます。そしたら今出ている副作用の中でも楽になる部分がある。
どうにもできないことをどうにかしようとすると非常にストレスがかかりますが、どうにかできる範囲を考えたら楽になるんじゃないですかね」
言ってることは皆もっともだし、よくわかる。
昔の友人がこんなこと言ってました。
「俺には悩む時間が一切ない。
何かできるなら悩んだりしないでそれをする。できることがないなら、何もしない。それで終わり。どうにもできないことを悩んでもしょうがないだろよ」
聞いたときはサスガ!たいしたもんだと思ったけど、愚か者全開の私はアタマでわかっても実践するのは無理でした。
でもふと気づいた。
おっとは、なんにも悲しんでない。悩んでない。こんなツマとなって申し訳ないというのも目が濡れ続ける理由のひとつなのだが、彼には重さも暗さもなんにもない。
私は喋ると痛いのと、すぐ泣き出すので何も聞けなかった。彼も何も聞かなかった。ただベッドの上に並んで座っているとき、私の左手を握ってくれただけ。
「元気に過ごせることが第一」と一言書いてメールしてくれた友人は、最近がんで身内を亡くした人。がん治療においてQOLがいかに大切かを誰より知っている。
私は元気な毎日を邪魔する要因を消すために手術する。
アタマは理解している。
感情がついてきてくれない。
これまでとまったく違う生活が始まるのを感情が拒絶してる。
よかったね
と一言シンプルなメールくれた友人もいた。
そう、わかっとります。
腸閉塞で苦しみの中、死ぬ人もいる。
押川先生はこうも言いました。
「昔は治療法がなくて、もうおしまい、諦めて下さいと言う他なかったのに、今は治療ができるだけでもありがたいものです。
選択肢があるからまた違う悩みが出てくるけど、悩みの素になるから選択肢なんかなければよかったとは言えないでしょう」
押川先生は大腸がんの手術のほうがきつかったけど忘れているだけ、というんですが、がんの切除手術は腸閉塞に比べたら遥かにラクだった。翌日から歩いてたし。
この度の10日間には何回も苦痛のピークがありました。それも何時間もの長きに渡って。
押川先生は徹底した痛み取りをしてくれますが、苦痛を取ることに対する考え方は医師によって違う。
苦痛の緩和を徹底してくれる押川先生が異例なんです。
頑張ってくれた自分のからだ、今も傷を癒やそうと大奮闘してくれているからだに、
ありがとうの気持ちでいっぱいです。
痛みのせいで170に迫っていた血圧が今日から測るたび低くなり、免疫細胞の大活躍で39℃近かった体温も平熱間近。
自分の身体を、汚い醜いデブだ痩せ過ぎだとつまらんことでヒボウするのはこれから慎しみます。
「かわいいストーマつけてくださいね」
と術前お願いしたのですが、じつはまだじっくりと見ていません。
自分の新しいからだと対面できないなんて、私はどこまで怖がりなんでしょね
ついにイチゴの発送始まりました
予定より早まってます
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