少し前の話なんですが、9月9日に神戸大学医学部の5回生に講義をしてきました。
私の所属する医局の神戸大学耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座の丹生教授に、
開業する際、神戸大学の非常勤講師として学生講義に来ないかとお話しをいただき、
早速その第一回目の講義をしてきました。
今回の講義内容は、
私が大学病院勤務時代に担当していた外来の一つである「めまい」についてです。
講義相手は1年半後には研修医として働き始める医学生ですので、
できるだけ実践的なものがよいかと思い、
「救急で来られためまい患者さんに対して、どのように対応するか。
重症のめまい、軽症のめまいをどう区別するか」
を中心に話してきました。
めまいは耳鼻科だけでなく、脳神経外科、神経内科、精神科など
様々な科目との境が非常にあいまいで、
原因がよくわからないことも多く、医師たちの悩む疾患の一つです。
「脳梗塞」などが稀に隠れていることがあるので、
こういった重症なものを見逃さないようにしなければいけません。
逆に耳が原因のめまいで最も多いとされている、
「良性発作性頭位めまい」などは、最近テレビなどメディアなどでも時々話題になっていますが、
体操(理学療法)などで劇的に改善することもあります。
「メニエール病」も耳が原因で起きるめまいの一種です。
ただ、きちんと診断がつけられていないケースも多く、
耳鼻科を受診して初めて正確に診断がつけられることも多い病気です。
長く付き合うことになることも多い病気ですので、継続的に適切な飲み薬などの治療が必要です。
など、このような内容のお話をしてきました。
その時に学生諸君に対して感じたことは、
私が学生の時より皆が非常に優秀だなあということでした。
私がする質問にいとも容易に答えるではありませんか。
現在、医学部は年々在学中の実習やテストが厳しくなってきているようで、
低学年からみっちりと課題があります。
また、研修医制度が私の時代より新しくなっており、
いい研修病院で働くには、倍率の高い試験を受けないといけないようです。
なるほど、今の学生は鍛えられているのだなあと思いました。
それにしても今回は、学生と話をする久しぶりの機会で、
私としても非常にいい刺激を受ける時間でした。
またいつか「めまい」をテーマにも、ブログを書きたいと思います。