放送作家 西川栄二のブログ -2ページ目

放送作家 西川栄二のブログ

放送作家でお笑い学校校長の西川栄二のブログ

昨日放送された「秋山ロケの地図」という番組に

木村拓哉さんがゲストで登場。

9時間にわたり、ロバート秋山さんと一緒に

九十九里町にいる「地元住民のおススメスポット」を

訪ね歩いていた。

 

木村拓哉さんの番組、それも木村拓哉さんが

これまでにしたことがなさそうな体験をする番組は

総じて面白い。

 

まず当たり前だけど、町の人が出会ったときの

有難がり方が、やっぱり他のタレントさんとは違う。

今でも木村拓哉さんの神通力みたいなものは

他の追随を許さない。

 

そしてせっかく木村拓哉さんの出演が決まったからには、

秋山さんや番組スタッフは

「隙がなく格好いい」木村拓哉さんの

「今まで見せたことがない表情」や

「今まで聴いたことがない本音」…

そういったものを引き出そうと、あれこれ準備をする。

 

だけど、木村拓哉さんは

他の芸能人と比べても圧倒的に美学が多い気がする。

美学というのは

「こんなことが起こったら、こんなアクションをする」とか

「こんなことを言われたら、こう返す」みたいな

引き出しの埋蔵量みたいなもの。

木村拓哉さんは、まさに美学で出来た分厚い鎧を

まとっている感じなのです。

で、結局、昨日も木村拓哉さんは木村拓哉さんを

最後まで崩すことなく、恰好いいまま去って行った。

 

きっと木村拓哉さんは、

酒飲んで話す番組で飲み過ぎても、

大食い番組で限界ぎりぎりまで食べ続けても、

例えどっきり番組で騙されたとしても、

きっと自分の美学を貫き通しそうな気がする。

 

木村拓哉さんの意外な一面、

格好悪い部分が見られる番組って、

いったいどんな番組なんだろうね。

来年、「長嶋茂雄賞」が新設される。

選出基準は、ポストシーズンを含む公式戦で

走・攻・守だけじゃなくて

ファンを魅了するなどした野手1人に贈られる…とのこと。

 

メジャーに行く前に松井秀喜選手にインタビューした際に

「天才とは?」という質問をしたら

松井さんは「完璧な準備をする人」と答えてくれた。

登板する投手からどんな球が来て、どんな風に打ち返すか…

徹底的にシミュレーションをして、

どんな球でも対応できるように準備しておく…

まさに松井さんは想像力の天才だ。

 

一方長嶋茂雄さんは、

明日の試合について、1回から9回まで

自分の打席だけでなく、試合の流れを含めて

全部をシミュレーションする…そんなお話をされていた。

「こんなシーンでは、こんなホームランを打つ」とか

「こんなピンチでは、こんな守備を見せる」とか

ファンを喜ばす、ファンの期待を超える…

そんなイメージトレーニングをしていたわけで、

これはもう想像力ではなく、妄想力の世界だ。

 

遠くにいる人と話をするには?

…そんな妄想力でベルは電話機を発明し、

空を飛びたい…そんな妄想力で

ライト兄弟は飛行機を発明したけど、

妄想は人類の進歩を推し進める原動力。

二刀流の大谷選手だって、圧倒的な妄想力があったから、

今があると思えるもんね。

 

そんな中、「じゃあ、来年は誰か受賞するんだろう」と

日本の球界を見回して、今一番妄想力を感じるのが、

新庄監督。

妄想力を物凄~く感じるプレーヤーが出てきてほしいよね。

仲代達矢さんが肺炎で92歳で亡くなられた。

ワイドショーでは、その人柄を語ってもらうべく、

著名人をあちこち探したのだろうけれど、

電話で出演されていたのは、せんだみつおさんだった。

 

凄いよね。

せんださんはサービス精神旺盛な素敵な人で、

先日のペーさんパー子さんの支援ライブでも

物凄く笑いをとっていたけれど、

「他にも語る人がいるでしょ」って気もしないでもない(笑)。

 

でも、仲代達矢さんが生前仲良くされたのが

せんださんってことが紹介されて、

仲代さんの人柄の良さ、せんださんの愛される性格…

みたいなのを両方感じることができた。

凄くいいなあと思ったのでした。

 

で、実は先日のぺ―さんパー子さん支援ライブでも

同様の経験をした。

 

それはテリーさんとたい平さんのオープニングトークで

たい平さんから「ペーさんがずっとピンクを着るようになったのは

テリーさんの一言がきっかけなんですよね」と明かされ、

それに対してテリーさんが「なんか華やかでいいなあと思って」

みたいな話をしていた。

 

つまりそんなテリーさんの軽い一言を

ペーさんは生真面目に40年も50年も忠実に守っているってことだ。

これだけで、ペーさんが良い人なのと、変わった人なの、

両方がわかる。

いい人で変わった人…芸人としちゃあ最高の誉め言葉だもんね。

 

また舞台でテリーさんは、

「ペーさんは本当に金がないんですよ。今、貯金が20万円位」

そんな嘘とも本当ともわかんない話をしてたけど、

その大きな理由の1つが、

ペーさんがゲストで出演する番組への差し入れ。

「テリーとたい平のってけラジオ」にゲストに来てもらったときは

ペーさんは必ず肉まん100個を差し入れしてくれて、

「一番かかった年は、肉まん代だけで年に280万円かかった」

そんなエピソードも披露していたもんね。

 

この「今、貯金が20万円」ってエピソードでも

肉まんのエピソードを知っている僕たちは

ペーさんが良い人&変な人ってことを改めて感じ取れる。

「貯金20万円」は、ネットニュースにも取り上げられて、

ライブのいい広告にもなったしね。

 

こうした話をダラダラと書いてきたけど、

何が言いたいかというと、

ペーさんとせんださんは良い人だ…ってこと。

それをみんなに伝えたかったのでした。

林家ペーさん、パー子さんの暮らすマンションから

火災が発生。

さっきワイドショーでは

お2人が焼けてしまった部屋にカメラマンを案内し、

燃えてしまった品、奇跡的に残った品を

1つ1つ説明するVTRが紹介されていた。

 

そもそも焼け跡の部屋にカメラが入るなんて映像を見たのも

初めて。

お2人が下の会の人に謝りに行くところまで

カメラは追いかけていた。

優しくて思いやりのあるペーさん、パー子さんだから

そこまで紹介してくれたんだろうけどね。

 

ペーさんパー子さんと言えば写真。

お2人が大事に撮りためた写真も全部燃えてしまったらしい。

 

でね、

ペーさん、パー子さんから写真をもらった人も大勢いるはず。

そしてもらいっぱなしで、そんなに写真を見直していない人も

結構いると思うのです。

 

そんな人は、お2人に写真をお返ししてはどうだろうか?

ペーさんは83歳、パー子さんは77歳。

そんな思い出の品、

それもご厚意で返却してもらった品があったほうが

これからの人生、お2人が

もうひと踏ん張りできるんじゃないかと思ったのでした。

「爆笑レッドカーペット」の特番が放送された。

見た人からの評判も概ねいいみたいだね。

 

僕は昨今の「M-1」「キングオブコント」

至上主義みたいなのがちょっと苦手。

設定の意外性、ネタの完成度、演技力みたいなのの

総合力の戦いは、

真面目な芸人、頭のいい芸人だけが勝ち上がってこれる

大会となっている。

見ている側も審査員になった気分で

「自分とは評価が違う」「自分の中での優勝は…」って、

書き込む人も多い。

出る方も、見る方も、皆、生真面目な世界。

 

一方、「爆笑レッドカーペット」は

たまたま思い付いたことが物凄~く画期的だったら

選ばれちゃう、広く開放された舞台。

見る方も「この人は何点」とか気にすることなく、

肩の力を抜いて、気楽に楽しめちゃうもんね。

 

そんな中で、今回の番組で目立っていたのが、

キンタロー。とアキラ100%。

 

キンタロー。は、自分が演じる「くだらない」へのハードルが

物凄~く高くて、毎回、想像を超えた「くだらない」を

提供し続けている「くだらない」の求道者みたいな人。

 

僕は「見たことがない」「もう1度見たい」を続けた人は

絶対売れると思っているのだけれど、

そういう意味では、キンタロー。がNO1かもしれないもんね。

 

一方、アキラ100%は、

「お盆で前を隠す」という物凄い発明をしちゃった人。

「お盆で前を隠す」芸がなぜ特別かというと、

「お盆で前を隠す」ことを前提にネタを考えること事態が、

物凄くくだらない。

つまり永遠に物凄くくだらないことをやり続けることができる

…という素晴らしい発明なのです。

 

しかもお盆で前を隠すのには技術がいる。

テクニカルな進化も必要だったりするんだけど、

「お盆で前を隠す」ための練習を重ねる…ってことも、

どんなに苦労していたとしても、やっぱりくだらない。

ついでに書くと、そんなことに練習を重ねる人っていうのは、

「実は真面目な人」「本当はいい人」ってことも垣間見えるしね。

 

高いハ-ドルを自分に課して

「くだらないこと」をあれこれ考え続けるのも良し、

一生使える「くだらないこと」の発明に全力を注ぐも良し。

「M-1」「キングオブコント」で勝ち目がない芸人さんは、

是非こっちの世界にも頂点があることを理解して、

こっちの山を登ってみてほしいです。

おととい、渋谷の伝承ホールで

たい平さんの長男くん、

林家咲太朗さんの二ツ目昇進披露落語会が

渋谷の伝承ホールで開催され、

お邪魔してきました。

 

たい平さんはもちろん、

柳亭市馬さん、桂宮治さん、林家ペーさん、

そしてヨネスケさんまで飛び入りで登場し、

出演者は超豪華。

客席には超満員のお客さんが入り、

物凄く温かい雰囲気の中、

素晴らしい落語会となったのでした。

 

その後、打ち上げにも参加したのだけれど、

咲ちゃんから

「ブログ、もうちょっと更新してください」と

お願いされたので、書いています(笑)。

 

改めて咲ちゃんについて書こうと思ったのだけれど、

僕は落語については素人だし、

素人目にもわかるくらい

落語はどんどんうまくなっている。

それよりなにより彼にアドバイスをくれる人は

周りにいっぱいいるもんね。

 

そんな中、何かお願いすることはないかなあと

改めて考えていたら、

この日の打ち上げで、ペーさんが

ずっと話題の中心だったことを思い出した。

 

打ち上げに参加されたメンバーは、

面白いことを言うことにかけては

超一流のメンバーばかりだったけど、

ペーさんは「面白い人」。

 

「面白い人」は気になるし、

「面白い人」が言ったことには、皆いじりたくなる。

「面白い人」って、実は

「いくつになっても皆から愛される人」で

「皆から可愛がられる人」。

それはお客さんからも「愛される人」

「可愛がられる人」ってわけで、凄いことなのです。

 

でね、「面白い人」へ自分を寄せていくやり方だけど、

いろいろあると思うけど、僕が実践した、

僕がおススメする「面白い人」へのカスタマイズの仕方は、

「あんまり理屈がないけど、人が集まってくる人」と

一緒にいる時間を増やすこと。

「人が集まってくる」って言うのがポイントで

基本「いい人」「優しい人」がいい。

 

理屈を持っている人は、常識という物差しで

相互理解が出来るから、

たいていのことは上手くいく、バランスのいい人。

ハプニングを回避する力も持っている。

 

だけど、理屈のない人、感情や美学が優先する人は、

独自の臭覚やモノの見方で生きているわけで、

自分とは違う常識、違う価値観、違う人生観みたいなもの、

自分の中に眠っていた美学や価値観、人生観みたいなものが

見つかる確率が高いのです。

 

あとは、見つけたものの中から

「いいなあ~」と思うものに自分の性格を寄せていけばいい。

継続は力なり…で、いずれそれが自分の美学や性格になっちゃう。

結果「変な人になっていた」…というわけです。

 

それに「面白い人」が言ったこと、しでかしたエピソードは

みんな知りたいわけで、それだけでも大きな財産になるしね。

まさに一石二鳥だ。

 

他にも短時間で自分の喜怒哀楽が大きく変わる、

天国と地獄が待っている趣味を持つ…っていうにも

やり方だと思うけど、でもその中には

今ではコンプライアンスに引っかかりそうなものが

いろいろあるので慎重にね…という感じです。

 

ますます愛される落語家になって、

大きな花を咲かせてください。

また遊びに行きます。

ついに長嶋茂雄さんがいない世界がやってきた。

 

僕はスーパースターというのは、

「物凄~~く世話になった人が、

物凄~~く多い人」だと思っていて、

「ここでヒットを打ってくれよ」

「ココでホームランを打ってくれよ」という

多くのファンの期待に、応え続けてきた回数が

日本で一番多かった人…長嶋さんのことを

そんな風に思っています。

 

2000年代の初め、

僕がニッポン放送のテリー伊藤さんの番組

「のってけラジオ」の作家をしていた時に、

番組の中で長嶋さんの録音番組

「ようこそ長嶋茂雄です」が放送された時期があった。

 

で、長嶋さんが収録をしてるスタジオに

テリーさんと一緒にご挨拶に伺ったのだけれど、

頭から肩、腕から指先にかけて

輪郭に沿って高さ5センチくらいから大量の金粉が

降り注ぎ続けているような「金色の滝」みたいなものが

見えた。

恐らくあれがオーラってもので、

あんなに大量のオーラを見たのは、あれが初めてだった。

 

隣にいたテリーさんから小声で

「西川ちゃんも、見えてる?」って聞かれたから

あれは僕だけの錯覚じゃなくて、

本当にそうだったんだと思っています。

 

で、自分たちの番組のスタジオに戻り、

テリーさんと「オーラというのは、私利私欲を捨てて

不特定多数の人のために役立とうと頑張り続けた人だけが

まとうことが出来るものなんじゃないか」

…そんな話をしたのだけれど、

それ以降も、あんなに大量のオーラを見たことはない。

それだけで長嶋さんが、

いかに多くの人の夢をかなえ続けて来たのかが

伺い知れたのでした。

 

そうだ、2月20日は、

長嶋さん、アントニオ猪木さん、志村けんさんの誕生日で

「スーパースターを生む特異日」なんて言われてたけど、

3人とも亡くなってしまったね。

 

長嶋さんが亡くなられたことで、

テレビでは繰り返し長嶋さんの功績が

伝えられているけれど、

「長嶋さんにお世話になった人が物凄く多い」ってことは

「恩返しをできていない人が物凄く多い」ってことで、

長嶋さんに励まされ、ずっとテレビや球場で

「明日も頑張ろう」「人生を好転させよう」と

すがる思いで長嶋さんを見ていた人たちの思いに

特化した番組を見てみたいです。

それも1つの恩返しだもんね。

「ザ・セカンド」のぼんちさんが凄かった。

僕の回りでは、今もその話でもちきりです。

 

最近のお笑いの賞レースは

ネタの完成度を競う側面が強くなっていて、

設定とか、ストーリー性とか、

小ネタの数とか、要は構成力の戦いになっている。

頭がいい芸人が、頭の良さを競う場になっているのです。

 

一方、ザ・ぼんちさんが披露したネタは、

もしかしたら本の段階では

構成も緻密で、小ネタもいっぱい入っていたのかも

しれないけど、ぼんちさんが演じるにあたって

余計なものはそぎ落とされていき、

あくまでもザ・ぼんちさんの人間力を生かすため、

破壊力のあるものだけがラインナップされた

…そんな印象だった。

 

笑いの総量でいえば、どっちが大きいかは一目瞭然。

そしてどっちが何度見ても笑えるかも、一目瞭然。

だけどぼんちさんのネタが終わった時に、

会場には何とも言えない空気が流れていた。

あの違和感は、

圧倒的な爆笑漫才を見たことがない人たちの

戸惑いみたいなものだったように思えた。

で、点数も然り。

 

でもあそこに出演していた芸人さん、

テレビで見ていた芸人さんは、

おそらく力量の違いを感じたはずで、

その中で「どうしたらあそこにたどり着けるか」

を考える芸人さんが、何組も何組も出ることで

漫才の底上げにつながるんじゃないか?…

そんなことまで考えてしまったのでした。

伝説のラジオ番組と言えば、何と言っても

「ビートたけしのオールナイトニッポン」。

聴取率8%をほこったこともあり、

今、8%の数字をとってるテレビだって、

あんまりないもんね。

 

僕はたけしさんの

面白いことを速射砲のようにしゃべり続ける

やり方に、すっかりとりこになってしまったのだけど、

その「早口で面白いことを喋り続ける」の源流を探っていけば、

笑福亭鶴光さんにたどり着く。

 

そしてそれから50年。

鶴光さんは今なお、早口で面白いことを喋り続けている。

結果、鶴光さんの番組は、今も

笑いの総量が凄く多い番組になっています。

凄いよね。

 

YouTubeの影響もあってか、

今のラジオは、まるで自宅のリビングにいるかのように

ゆったりと喋る番組が主流になっているけれど、

本当にそれが正解なのかは、検証されていない気がする。

作り手がそういう番組を実際に聴いたことがない。

今、そういう番組を実現できるパーソナリティーが

あまり見当たらない…

そんなことも大きな理由だと思うけどね。

 

個人的には、早口でまくし立てる番組の復権を

待ち望んでいます。

 

このブログを、今、凹んでいるという

鶴光さんの番組のヘビーリスナー、

ピンクの栗まんじゅうさんに捧げます。

元プロレスラーで格闘家の前田日明さんが

「今のプロレスラーは技を仕掛ける時に

怪我をコントロールすることが出来ないし、

技を受ける側も受け身がうまくない。

投げ技は変な落ち方をすると、一発で一生寝たきりになる」

と動画で発言。

 

現役のプロレスラーからは

「俺たちは怪我や事故の覚悟を持ってやっている」と

反論したそうだ。

 

現役プロレスラーならそう言うだろうし、

引退して客観的に見ていたらこう言うだろう…

どっちも納得できるよね。

 

でもね、プロレスラーの強さとか凄みとかって

技を過激にする以外にも補填できることが

あるような気がする。

 

僕は猪木さんを神様みたいに思っているけど

前に倍賞美津子さんから伺った話では、

アントニオ猪木さんは家にいる時

ずっと鏡を見ていたそうだ。

 

それは自分の喜怒哀楽が

いかに一番後ろで試合を見ている観客にまで届くかを

あれこれ研究していたってことで、

要は演技論みたいなことも

猪木さんは意識してたってことだ。

 

僕はずっとプロレスラーは演技の勉強をした方がいいと

思っているし、

政治家はなぜ話し方教室に通わないんだろうとも

思い続けています。