日本人は事あるごとに、人には優しく自分には厳しくと言います。学校教育やスポーツのトレ一ニング等では正しいでしょう。でも大人になり仕事を持つとストレスも増加し、肉体的にもつらい事が多くなります。 最近は過労死も増えています。仕事は自分を磨く場ではありますが、鍛える場ではありません。完全主義者や超真面目な方は、自分ですべてを背負ってしまう事が多いですよね。人は勘違いもすればミスもします。何で自分はバカなんだ!と思わずに、あれ?やっぱりすこし疲れているんだ…あるいは今日はバイオリズムが低いのかもと考えて、自分のミスを恣意的に許すも姿勢も大切です。頑張る人たちの習性として、自分へのハ一ドルを上げて過ぎてしまう傾向があります。そのため、思うような結果が出ないと、例えそれが単なる運やタイミングの悪さに因るものであっても、自分の能力を疑ったり、ひどい時には自己嫌悪に陥ってしまうのです。これはこのタイプ人たち(日本人に多いですね)のむしろ弱点であり欠点なのです。
 人にも自分にも優しく寛大になることが、大人として楽に生きて行く秘訣だと思いませんか?
  勿論、命を預かる仕事の方にはミスは禁物ですが、、、。



さて下の本は最近刊行されたばかりの私が編集した心臓外科医のための教科書です。


また手術書と言えば、私が尊敬する16世紀のフランス🇫🇷で活躍したパレのことが思い浮かびます。
 彼は床屋上がりの外科医で、フランス語で外科の教科書を書きました。それまでは学術書はすべてラテン語で書かれていたため、とても難解であったのです。
  また彼は誰に対しても寛大で優しい外科医として知られています。国王に対しても平民に対しても等しく接して治療をしたと言われています。 

  彼の   "我包帯し、神、治し賜う" は
外科医としてとても謙虚で美しい言葉です。


                アンブロワ一ズ・パレ (1510〜1590)