特に意識的に観ている訳ではございませんが、時代劇などがテレビで流れていると、「名を何と申す?」という台詞を耳にすることがあります。
江戸時代、ホントにそんな言い方したかな~~って思うことがしばしば・・・。
実は、現在私たちが何気なく見聞きしている「名前」なる語・・・元来は「何前(なまえ)」と表記するのが正しい意味だったのです
我が国では古来より名前を平気で他者に言ってはならないという習俗がありました。
これは、名前というものは大変尊く、両親が「こう成長して欲しい!健やかに育ってほしい!」という目に見えぬ想いが込められた、所謂「言霊(ことだま)=神社の祭りにて神々に申し上げる祈りの言葉」と同義であったためであります
無論、初対面の相手に「あなた、何と申す?」と訊ねたことが「何=名」に変わったのでありますが、江戸時代に入れば、もっと簡単に接頭に「御」をつけて「御(名)前(おまえ)様は?」と聞くようになりました・・・故に「名を何と申す」という言い回しは重複しいていることが理解できます
これが現在の「名前」という語が誕生した経緯なのですネ
平安時代では、特に女子は男子に本名を告げることはほとんどなかったといいます。
これは先ほど述べた「言霊信仰」に由縁し、本名を告げる相手は自身がこの人と一生を添い遂げるお方・・・つまり結婚相手という風習からでした
では「何前?」と聞かれたらどう答えていたのかといいますと、言霊(本名)よりも浅~~く愛嬌のある・・今で言うペンネームみたいなもんかな?・・「浅名(あさな)」という通常に名乗る呼び名をそれぞれがもっていたのです
この「浅名=愛嬌のある呼び名」の発音が変容したのが、現在の「あだ名」なのです
それが今ではどうでしょう?曲解につぐ曲解で、あだ名=いじめとか、モラハラとか・・・あだ名で呼んではいけません!という風潮になってしまいました
「国語」という義務教育科目があって、なぜこうした「事実」を教えないのかな・・・・。教えたら何か不都合なことがあるのでしょうか?
我が子の名前に込めた親の思いは今も昔も変わりません・・・・がっ!今述べたように「自身の母国の語」したがって「国語」を無責任な教え方をして、それを教育と呼び、そこで成長した民を「国民」と言うのは、かなり無責任だと思いますし、ゆえにおかしな議論や論調が流布される温床となっているのではないのでしょうか?
でもね!おおくのお若い方々をみておりますと、浅名の文化はちゃんと遺伝しておりまして、アイドルさんも「○○って呼んでね!」っと、あだ名をちゃんと自己紹介できております
教えなければわからないだろう・・・・なんて思っても文化の遺伝ってそんな軽いもんじゃぁない!望みをもって応援したいと思います←いやいやジジイの応援はいらんだろ!