君を忘れない
朝、散歩夫人から電話がありました。
昨日はライヴだったので、
猫たちを散歩夫人にお願いして行ったのですが、
その間に『しっぽ』を引き取りたいという家族が来て、
『しっぽ』を連れて行ったのだそうです。
散歩夫人の話によると、
そのご家族は、一昨日、川崎から遊びに来ていて
『しっぽ』に出会い、すっかり惚れ込んだのだそうです。
首輪をしているので管理小屋に尋ねたところ、
「野良ですよ」と言われ、
昨日になって雨が降り出し、家族で話し合い、
「可哀そうだから迎えに行こう」
ということになったそうです。
で、迎えに来たところで
餌をあげている散歩夫人と会ったそうです。
そのご家族は昨年愛猫を亡くしたばかりで、
とても良さそうな人たちなので、
「合わなかったら戻してください」と言って引き渡したそうです。
もともと飼い猫で捨てられたしっぽです。
合わないなんてことはないと思います。
私的にはちょっと淋しい…
ちゃんとお別れしたかったなぁ。
でも幸せになってほしいです。
午後、東山湖へ行くと、
駐車場の奥からダッシュしてきたクロベエ。
富士山をバックに佇むクロベエ。
キョロキョロして、
何かを探しているみたいに見えます。
しっぽが連れて行かれたこと、
わかっているのかな…。
どことなく後姿に哀愁を感じます。
石塀の上で風の匂いを嗅ぐチビ太。
しっぽの匂いを探しているのかな…。
もう、ここに一緒に並ぶことはありません。
管理小屋に、「しっぽ」が貰われていったことを
報告に言ったら、
安藤２号の膝の上で、シロがくつろいでいました。
しっぽの猫生にまた新たな転機が訪れました。
もう、こんなふうに桟橋の上を歩くしっぽを
見ることはできません。
でも今回の別れは、今までのように、
天国へ旅立った悲しい別れではありません。
やさしいご家族に引き取られて、
しっぽは幸せな猫生を全うしてくれるでしょう。
さよなら、しっぽ。
元気でね。
君を忘れない。