大わらじ製作開始
今年、我が御殿場市では
『わらじ祭り』が復活します。
私が初めて御殿場に来たのは
自衛隊の富士音楽隊のコンサートのゲスト出演の
リハーサルの時でした。
駅のコンコースに飾られた大きなわらじを見て
「何だろう?」と興味を持ちました。
それこそが『わらじ祭り』に使用される
『大わらじ』だったのです。
その昔、御殿場の女性たちは
箱根越えや富士登山の人たちの為の
わらじを編むことを内職にしていました。
そんなことからわらじを上手に編める娘は
良縁に恵まれるといわれていたのです。
それをもとに、1971年から
青年団の若者たちが大わらじを作り、
未婚の女性たちがそれを担ぐという
「わらじ祭り」が生まれたのでした。
大わらじは二対作り、
一対は祭りの最後の供養祭で燃しますが
一対は駅のコンコースに飾られていました。
私が見たのはそのわらじだったのです。
けれど時代と共に一部の青年団が解散したり
わらじを作る人がいなくなったりで
99年を最後に中断されていたのです。
私が御殿場に越してきたときには
すでに『わらじ祭り』は無くなっていました。
御殿場に越してからその祭りのことを知り、
何とか復活してほしいと思っていましたが
何をどうしたらいいかわかりませんでした。
ここ数年、市民団体や市民運動に
参加させていただくようになり、
そんな中で若林市長始め、
心を同じくする人たちがいることを知りました。
そのご縁で今年復活が決まった
『わらじ祭り実行委員会』のメンバーに
加えていただきました。
7月1日の富士山の開山日から始まり
8月25日のわらじ供養祭までの間、
わらじ祭りの様々なイベントが
市内各所で執り行われます。
『わらじ祭り』は市民の手作りの祭りです。
大わらじの大きさは3メートル。
過去の資料をもとに、
まずは大工さんたちがその基礎を作ります。
資料写真を見ながら、
これが普通サイズの実物のわらじ。
1足のわらじは約二里で履きつぶしたといいます。
だから旅人には欠かせないものだったのです。
大わらじ作りにマニュアルはありませんでした。
小さなわらじを見本に、
毎年試行錯誤を重ねながら、
電動ノミで溝を掘るのも
来週からこれに藁を編みこんでいきます。
週末ごとにボランティアが集まって
本格的にわらじ製作の開始です。
なんだかワクワクしてきました。
家に帰るとあんずが
沢山食べられるようになったあんず。
「ちょっと太った?」
「アンタに言われたくない」
「………」