里帰り…?
穏やかな年明けを迎えた東山湖ですが、
湖岸は正月休みの釣り客で大勢賑わっています。
そんな中、少年が一人猫たちと遊んでいました。
私が行くと、叱られると思ったのか、
そそくさと立ち去ろうとしたので
「僕、猫好きなの?」と話しかけると
にっこり頷きました。
石塀に腰かけてしばらく話していると
チビ太が膝の上にちゃっかり座りました。
猫を好きな人は猫にもわかるんだよね。
食事を終えて身繕いするあんず。
「あの白いのがあんず」
とあんずを紹介すると
「あっちにもよだれを垂らした白い猫がいるよ」
と少年。
少年が指さした方へ行ってみると
なんとタマオです。
ひなたに失恋し、
釣り客の車で中腹にある日帰り温泉に行き、
そこで可愛がられたものの、
交通事故で顎の骨を砕き、
温泉の支配人に助けられ九死に一生を得、
その後、自力で東山湖に戻ってきたのですが、
ちょっと離れた家に居候を決め込んで
その家のご夫妻に可愛がられ、
幸せな余生を過ごしているところでした。
少年はそんなタマオの武勇伝を聞いて
感心していました。
居候を決め込んでいる家の奥さんに電話すると
「あら、朝、ちゃんとモンプチとササミとスープを食べたんだけど、
足りなかったのかしら…」
……って、なんという贅沢なメニュー。
それでもここで他の猫たちと缶詰をしっかり食べたタマオ。
さしずめ里帰りと言ったところでしょうか?
ホントに時々驚かせてくれる猫です。