こたろうが窓の中から外を見ています。
裏庭の小道を
猫が歩いて行くのが見えたからです。
こたろうは身を乗り出して、
背中の毛を立てて威嚇しています。
「フーッ」
こたろうがフーッをするのを見たのは初めて。
「こたろうでもそんなこと出来るんだ…」
でも何をやっても可愛い
外へ行きたいけど、
網戸だから行けないのね
それがわかっているのか、
猫は座り込んでこたろうを見つめています。
あれ? 誰かに似ている…
東山湖の入り口で
今日も待っていたジュリー
そう、あの子はジュリーにそっくりです。
ありえない話じゃありません。
「ジュリー、あれはあなたの子なの」