クロベエの帰還とロクの帰国の日
沼津の授業を終えて帰ってから、
東山湖へ行きました。
やはりクロベエが気になります。
時間が違えばいるかもしれないと思い、
だいぶ陽が短くなりました。
そして何も無かったかのように現れたクロベエ。
三日間も姿を見せず、
さんざん人を心配させておいて、
この顔です。
秋の陽ざしがあふれる駐車場で
こたろうは我が家へ来ると
足にまとわりついてくる甘えん坊なのに
ここではあまり甘えません。
湖岸に出ると、
ロクがスーさんたちから竿とルアーを借りて
釣りをしていました。
きょうは6匹釣ったそうです。
「ずっと釣ってるの?」
「うん、でも今は釣れなくなった」
「もう少しして、日が暮れて、
湖が鏡みたいになったらね」
「クロベエ、帰ってきたね」
「うん、僕も会った。
あ、そうだ。
ネパールに帰る日が決まったよ」
「いつ?」
「11月2日…」
「もうすぐじゃん」
「うん…」
「おばちゃんに手紙書いてね。
英語でもいいから…」
「あまり得意じゃないけど…。
Facebookなら出来る」
意外とパソコンに強いロクでした。
湖岸を走り回るこたろうは
陽が沈みます。
「みて、線ができてる」
水の中を泳いでいるつもりになるのよ。
そうすると竿の先からルアーの動きが
手に伝わるから…」
「同じこと言われた」
ロクの竿にアタリがあると、
しっぽが反応して飛んできました。
ざんねんながら外れてしまいました。
桟橋に明かりがともります。
私は先に帰ったけれど
ロクはまだ釣りを楽しんでいました。
ネパールに帰るまでに
沢山思い出を作ってね。