こたろう帰る
「今日こそはこたろうを帰そう」
夕方、意を決して東山湖に向かいました。
表の駐車場を通るとき、
ジュリーがいないか確認しましたがいませんでした。
「こんな時間じゃいないよね…」
そう思って歩いていくと、
オーバーフローの石橋の上にジュリーがいました。
急いでオーバーフローへ続く階段を上がると
管理小屋前の橋の上でこたろうを放すと
早速クロベエがあいさつ。
そのクロベエを通り越して行った先には
ひさしぶりに会うこたろうとチビ太。
お互い、わかっているのでしょうか?
しっかり小屋のチェックも済ませ、
嬉しそうにみんなと土手を歩くこたろう。
そんな姿を注水口のコンクリの影からのぞくジュリー。
こたろうがジュリーに気づいてやってきました。
「ジュリーちゃん、久しぶりです。
「だから何なの?
そこへチビ太登場。
大胆にも鼻でごあいさつ。
「こんにちは。僕、チビ太です」
「あら、珍しい。
ちゃんとした男じゃないの」
「悪いこと言わないわ。
ここで人間と仲良くすると
あんたもタマタマとられちゃうわよ」
「え~っ、ホントですか?」
「とられたくなかったら、
私みたいに人間と距離を置くことね」
「うん、ほんとだよ。
僕もとっくにナイもんね
まだまだ夏の暑さは続いているけど
秋の気配に包まれた黄昏時です。
駐車場の入口まで送ってくれた
こたろうとクロベエ。
これ以上追いかけて来ないのが
またお泊りにおいでね。
今日はバイバイ。
そしておやすみ。