ドンファンの子
今日のヒロイン、ジュリーです。
群れない一匹オオカミで、
人にも媚びない逞しいメスの野良猫です。
こうしてみるとなかなかのいい女…
スタイルだって悪くない…。
秋には3才になります。
体はりっぱなオトナですが中身は…
父親は、かつてこのあたりでは
ドンファンでならしたゾロと呼ばれたオス猫。
姿かたちは父親に似てきたけれど
その血筋を受け継いでいるかどうかは疑問です。
懲りずにマメなところは似ているかも…・。
今日もジュリーを見つけて
ちょっかいを出そうとして睨まれました。
そこへ登場したのがクロベエ。
「だめだなぁ、こたろう。
女っていうのは、
こうやって声をかけるもんだぜ」
と言ったかどうかはわかりませんが…
「お嬢さん、僕とニャンニャンしませんか」
と、言ったことにしておきます
「な~に言っちゃってんの
あんたたちはもう男じゃないでしょ」
「だいたい、私のほうが年上よ」
「こりゃまた、失礼いたしました…」
「あ、ジュリーちゃん、
ゴロンして、僕と一緒だね」
「一緒に遊ぼうよ」
パシッ
「来ないでっ」
「だから子供だって言ってんのよ」
「そんなに怖い顔しないで…」
「あぁ、びっくりしたぁ…」
「あれ、ジュリーちゃん,
どこへ行くの」
ゴロンしてジュリーに服従の姿勢を見せるこたろう。
「ついてこないでね」
湖に向かって叫ぶのでした。
「ぼくはあきらめたりしない
いつかきっと、友達になるぞ~」
がんばれ、こたろう ドンファンの子
父の名を受け次ぐその日まで…。
(永遠に来ないと思うけど…)