2018年8月、リハビリ病院を退院して自宅に戻ってしばらく経った頃、テレビで放送していた映画『君の膵臓をたべたい』を偶然観た。



その時感じたことは当時の上のブログに残っているが、強い印象と病気、障害者になったからこそ感じたことがあったように思う。

映画には博多の場面があったり北海道、というのが話に出てきたりしていたので、その舞台となっている場所がどこなのか、というのは知らず終いだった。しかしその中に昔から大好きな『星の王子さま』が出て来ることもあって、記憶に強く残った。そのうち円盤(ブルーレイソフト)も買った。その特典映像として入っていたメイキング映像で、印象的なシーンの場所となっている橋が、京都の伏見にある、「伏見であい橋」という場所だと知った。そしてある時ふと思い立って杖を突いて歩いて訪ねて行ってみた。


「伏見であい橋」。

京阪電車の中書島駅から結構歩いた。片麻痺の杖歩行は、「歩きスマホ」ができないので、地図を頭に入れて予想と共にひたすら歩く。あらかじめパソコンのGoogleマップで「バーチャル歩き」も大切だ。

この時はなんとかたどり着いたが、予想外の道(スロープ)も見つけることができた。

しかし残念ながら季節は夏、映画のような桜の花は見られなかった。

その後、「桜の伏見であい橋」は、リハビリのひとつの目標にもなった。今年、2024年になって、だいぶ快調に歩けるようになって、同じく前からもうひとつの目的地であった、西宮の「今津灯台」にも一人で行けた。



それで「そろそろ行けるかな?」と思い始めたら、奥さんが「一緒に行く?」と言ってくれた。ちょうど2024年4月7日(日)に「桜まつり」が開催されるらしかったので、天気に心配はあったが、たいていの桜まつりはどこでも晴れて綺麗な桜が楽しめるものなので、前日に行くことを決めた。クルマで近くまで一気に行ってコインパーキングにでも停めて行くのが実際のところ楽なのかもしれないが、自分としては自分で開拓した道を連れて(先導して)行きたかった。なので、京阪電車に乗って中書島駅から歩いて、というコースを提案してそのルートで行くことにした。途中、前に来た時に立ち寄って休んだファミマの「イートインコーナー」にもきっちり立ち寄り、発見したスロープのルートも通った。すると、桜はほぼ満開、素晴らしい景色になっていた。多くの人が訪れていて歩くのも大変なほどだったが、嬉しかったのは、すれ違った子どもが食べていた美味しそうな屋台の「揚げ餅」?「餅ドーナツ」を買って運んでもらって桜の下で食べられたことだ。一人だったら、「買い食い」なんて絶対できない。

かつてこの伏見のあたりは「巨椋池」という大きな淡水湖があった。その後干拓され、坂本龍馬ゆかりの旅籠「寺田屋」や「寺田屋浜」という船着場から大坂八軒家(今の天満橋)までの舟運も結ばれていて、



幕末、「寺田屋事件」で襲撃された龍馬は妻の「お龍」を伴ってここから三十石舟に乗って淀川を下り、薩摩の温泉に湯治に出かけたそうだ。これが日本の最初の新婚旅行、と言われているが、この桜まつりの会場の近くには龍馬とお龍の像も立っている。

そして目的の場所にたどり着いて、無事インスタグラムも撮影、アップすることができた。


満足。

奥さん、ありがとう。お龍に負けてへんで。