夢の中で「高次脳機能障害」に悩む青年に出会った。彼は事故に遇い、高次脳機能障害という障害を負って就労移行支援施設クロスジョブ阿倍野(私が通っていた施設)に通い始めた所だった。

少し話をしたが、
「何が何だか分からない」
「前まで上手くできてたことが何故だかできない」
「自分がどうすればいいのか分からない」「これからどうすればいいでしょう?」
「西井さんと話してみたら?」と担当スタッフの女性に言われた、と彼は言った。
僕は言った。「シンエヴァンゲリオン」の映画を観たかい?」(精一杯、若者の世代に話題を合わせたつもりだった。
「あのアニメの主人公、碇シンジはある日突然父に言われて、何が何だか正体のよく分からない敵(使徒)と闘わされることになる。


正体が分からないから、何のために戦っているのかも分からない。倒し方も分からない。ただ、「闘え」と言われて闘う。まるで自分の居場所を探すように。
キミはクロスジョブ(就労移行支援施設)に来たんだね。
つまり一歩踏み出した、ってことだ。
ここには、そんな君と同じく「高次脳機能障害」で何とどう闘っていいのか、分からないけど挑戦する仲間たちがいる。他のチルドレンたち(劇中のエヴァパイロットのこと)と同じだ。何故だか理由も分からないのに襲撃してくる正体不明の敵(使徒)と日々懸命に闘っている仲間だ。
まずここにいて、仲間たちと闘えば良い。
ここは「使徒迎撃専用要塞都市、第三新東京市」(主人公たちが闘う舞台)みたいなもんだからね。
そうしているうちに、「居場所」を見つけるよ。僕も、脳内出血で倒れて、「見知らぬ天井」の下で目覚めた時から居場所を探しているよ。