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新型コロナウイルスの感染拡大のあおりを受けて、作業療法士を目指す娘の大学課程最後の病院での実習が中止となった。
実務経験のなかなかできない職種にあって、このロスは大きい。娘にとっても将来への大きな不安となってしまっているだろう。

こんな時、障害者の父にできることは?
「この身体使ってリハビリの練習、してみ?」と言ったら横にいた奥さんに「指導してくれる人がおらんやん」と言われて即撃沈。
娘の大学の生徒さんたちの前で話をした時も
「皆さんが目指す仕事は人の未来を作る仕事です」と言った。もちろんその気持ちは今も変わっていない。娘の未来は誰かの「未来」につながっている。

そんなことを夜中に考えていたら、ひとつの歌が頭の中に流れて来た。
足音 ~Be Strong
歌:Mr.Children
作詞:桜井和寿
作曲:桜井和寿
新しい靴を履いた日は それだけで世界が違って見えた
昨日までと違った自分の足音が どこか嬉しくて
あてもなく隣の町まで 何も考えずしばらく歩いて
「こんなことも最近はしてなかったな...」って ぼんやり思った

舗装された道を選んで歩いていくだけ
そんな日々
だけど もうやめたいんだ
今日はそんな気がしてる

夢見てた未来は
それほど離れちゃいない
また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!
時には灯りのない
寂しい夜が来たって
この足音を聞いてる 誰かがきっといる

疲れて歩けないんなら 立ち止まってしがみついていれば
地球は回っていって きっといい方向へ 僕らを運んでくれる

どんな人にだって心折れそうな日はある
「もうダメだ」って思えてきても大丈夫
もっと強くなっていける

今という時代は
言うほど悪くはない
また一歩 次の一歩 靴紐を結び直して
喜びを分かち合い
弱さを補い合い
大切な誰かと歩いていけるなら

もう怖がんないで 怯まないで 失敗なんかしたっていい
拒まないで 歪めないで 巻き起こってる
すべてのことを真っ直ぐに受け止めたい

夢見てた未来は
それほど離れちゃいない
また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!
例えば雨雲が
目の前を覆ったって
また日差しを探して歩き出そう
時には灯りのない
孤独な夜が来たって
この足音を聞いてる 誰かがきっといる

新型コロナは憎たらしい!

父が代わりに言う。

なんでこの時期に、
なんで日本に、
なんで大阪に、
なんで実習先に、
いらぬ「影」を落とす!

今じゃなくてええやん。
そこじゃなくてええやん。

めっちゃ腹立つ!

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しかしあの生物とも何とも明確に定義できない「ウイルス」は、生きる場を探している。日本人が「共存」できる耐性と抗体を身に着けるまで、あるいは有効なワクチンを手に入れるまで、この影響は終わらないだろう。

「誰かの未来」につながる「未来」を信じて、一歩、一歩、歩いて行くしかない。

負けるな、娘よ!

君が高校の演劇部で演じた

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の中の一節を宇多田ヒカルがテレビ番組で紹介していた。
「なにがしあわせかわからないです
ほんとうにどんなつらいことでも
それがただしいみちを進む中でのできごとなら
峠の上りも下りもみんな

ほんとうの幸福に近づく
一あしずつですから」


夢見てた未来は
それほど離れちゃいない

また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!

この足音を聞いてる 誰かがきっといる