今日は久しぶりに入院していたリハビリ病院、関西リハビリテーション病院に行った。通っている作業所が病院の1階にある喫茶コーナーのお手伝いをすることとなり、スタッフの一員として行ったのだ。
行く前は喫茶店のマスターみたいなものを勝手に想像していたが、やはり左半身が動かない状態ではそうも行かず、カウンターの中に入ることすらできなかった。かろうじてできたのはお客さんのテーブルをアルコールで拭いてまわることと、入院していた時の顔なじみの先生や療法士さんに声をかけて「お茶飲みに来てね〜と宣伝することだった。
喫茶店というと、昔読んだ漫画の中に出てくる「南風」(タッチ)や「妖精館アルフへイム」(すくらっぷぶっく)などのお店と温かく主人公を受け入れ励ましたり悩みを解決してくれるマスターの存在を思い出す。そしてかつては、「できることなら一度くらい、そういうお店を開いてみたい」と思ったこともあった。高校の時に学校のすぐそばにあったお好み焼き屋さんが何となくそんな存在で店番を頼まれたりした時にマスター気分を味わったりしていたが、今こうなってからあらためて喫茶店というものと向き合うと、色んなことを考える。自宅でもなく職場でもない3つ目の場所(サードプレイス)での豊かな「体験」を提供するスターバックスにも何度も通い、マックのプレミアムコーヒーの登場も目にした。その上で考える病院内の喫茶店は、「峠の茶屋」だ。リハビリ病院は病院の中を歩いて歩行訓練を行う。自分ももちろんそうだったが、リハビリの途中で喫茶コーナーの前は何度も通った。一度はどうしてもそこのコーヒーが飲みたくて病棟を脱走し、捕まって脱走できないよう、エレベーターのドアに近づくとピーピー音がなるセンサーを車椅子に付けられたこともあった。いくらリハビリと言っても目的もなくただ歩くのはツライ。そんな時、目的地となる場所があれば、脚も前に出る。リハビリの感謝とお礼に療法士さんや看護士さん、先生にお茶をご馳走することもできる。そして似たようなリハビリをやっている患者さんと会えば、食事の時にできないような雑談に花を咲かせることもできる。リハビリという旅の途中に立ち寄れる「峠の茶屋」的な存在になれれば、と思うが今はそんなことをプロデュースできる立場でも役割でもない。しかし今日一日過ごしただけで普段の作業所での一日よりも多くのことをやったような充実感があったし、何より楽しかった。こんなカタチで昔からの夢をちょっぴり叶えられるとは思いもよらなかった。こんなチャンスをくれた作業所の所長さんと協力してくれたスタッフさんには感謝、感謝だ。また来週の木曜日には行けるはずだ。もう少し役に立つ店員になれるよう、何ができるか考えよう。
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