姫路はちょうどいい規模の地方都市だ。駅前の商店街には適度にひとが溢れ、駅前には酔っ払いの若者たちが集まってコブクロの「桜」を合唱してる。地下街にトイレに入ると警備員さんが「トイレはいいけどここから先の地下街はもう閉まってます」と、不思議な説明をする。
それでも何となく「年末感」は漂うもので、いいものだ。年末に「帰ってくる所がある、というのは良いもので、息子や娘にも我が家はそんな場所になれるだろうか。半身動かない陰気臭いオッサンが待ってるだけの場所にしてしまってはいけない。年の瀬に温かい故郷と実家を感じながらそう思った。こんな自分を今年励まし、リハビリなどで助けてくれたすべての人に「良い年」が訪れますように、と、真っ白な白鷺城にタクシーの窓から願いを投げた。