夜中に目が覚める、喉が渇いていることに気づく、冷蔵庫を開けて飲み物を探る。ヤクルトを見つける。片手でなんとかキャップのシートを開ける。渇いたノドで一気に飲む。ゴク、ゴク、ゴクリ!「ちょうどイイ」。多くもなく少なくもない。冷たさと水分の両方をしっかりと味わえるジャストサイズだ。ほのかな甘さと共に人類の、いや、日本人の知恵と歴史の結晶を実感する。コップ一杯の水だろうが、ジョッキ一杯のビールだろうが、おそらく一番美味しく感じて飲んでいる時はこの小さなヤクルトと同じ分量を飲み込んでいるのではないか、と思わされる「ちょうどイイ」分量だ。他に同じようなモノがないか、考えてみた。お風呂屋さんで、駅の売店で飲む、瓶の牛乳やコーヒー牛乳!あれもそうだ。一番気持ち良く、一気に、ゴクゴクと、飲める分量のような気がする。一番幸せで心地よい分量。どんな飲み物や食べ物にもあるような気がする。スプーン一杯の、ちょうど口の中がいっぱいになるポタージュスープもそうだ。人生や毎日の中で奥さんがくれる「笑顔」もそうだ。「ちょうどイイ分量」が一番ココロを満たしてくれる。