元農水相山田正彦先生の『子どもを壊す食の闇』という著書の中に、非常に示唆に富む記述がありました。
新潟県五泉市で、1998年から2010年まで市長を務められた五十嵐基市長は、センター方式給食から自校方式給食へと転換させました。 市議会、県議会議員時代から学校給食の改革を行ないたいと考えていた五十嵐市長は、かねてから教育委員会や農林課などと議論を重ね、学校給食でどのような食事を提供すれば、子どもたちの成長に良い影響を与えられるのかを検討してきました。特に興味深かったのは新潟県警本部との議論でした。
「当時、新潟県警本部も重大事故を起こしたドライバーと食生活には何らかの関係があるのではないかと関心をもっていたそうです。ある団体が調査したところ、事故の前にラーメンライスや餃子ライスなどを短時間で食べてる人が多かった。つまり、炭水化物を一気に食べると血糖値が急上昇し、数時間して一気に下がります。そのとき人はイライラしやすくなって重大事故を起こしがちになるんです。学校給食の中心であるパンや麺は血糖値はすぐに上がりますが、下がるのも早い。やはり米とともに旬の食材を丁寧に調理して食べられるようにすることが必要だと感じたのです」と、五十嵐元市長は、語っておられます。(p205~208)