私は脳科学の分野にとても興味があり、この一冊はその好奇心をさらに高めてくれます。
興味深い部分を引用させて頂きます。
サイコパスは、相手の目つきや表情からその人が置かれている状況を読み取る才能が際立っています。
人間の目のあたりだけの写真を見せて、その人の感情を読み解かせる課題を与えると、一般人の正答率は30%ぐらいであるのに対し、サイコパスの正答率はなんと70%にもなります。つまり他人が「悲しんでいる」「苦しんでいる」目つきを見て、サイコパスは共感することはなくとも、他人の心理状況を読み取ることは得意なのです。
逆に一般人がサイコパスの目から感情や考えを読み取ろうとしても上手くいかない、という実験報告もあります。
まばたきの頻度は、その人物が不安をどのくらい制御出来ているか信頼できる指標だとされています。まばたきの回数が多い人は、不安をコントロールできておらず、サイコパスは一般人より、まばたきの回数が少ないという特徴を持っています。
(p47~48)
ものごとを長期的な視野に立って計算したり、様々な衝動にブレーキをかけているのが「前頭前皮質」と呼ばれる部分です。
前頭前皮質のうち、「眼窩前頭皮質」や「内側前頭前皮質」と扁桃体の結びつきが出来てくると、人間は自分が置かれた社会的状況と「快・不快」を組み合わせてバランスをとりながら判断出来るようになります。(p78)
扁桃体は人間の快・不快や恐怖といった基本的な情動を決める場所です。私たちは何か美味しいものを食べたり、目当ての異性に近づけると「快」と感じますが、この情動を司っているのがこの部分です。ちなみにコカインのような多幸感をもたらす薬物は、扁桃体を始めとする大脳辺縁系に作用するものです。(p74)
社会性や理性を司る前頭葉への伝達速度に比べ、扁桃体へは2倍の速さで到達するのです。考えるより先に、いわば本能的に反応する部分と思ってもらっていいでしょう。
「サイコパス」は扁桃体の活動が低く、恐怖や不安など動物が本来持っている基本的な情動の働きが弱いということです。(p76)
