今日は友達と、メトロポリタンオペラハウスで、2007年に行われたオーディションのドキュメンタリー映画を観に、東劇に行ってきました音譜

詳細はこれ↓

http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=24079


世界からの1800人の応募者の中から、準決勝に残ったのは22人。


そこから11人が決勝へ残り、5名の受賞者を選ぶ、というメトが主催するコンクールです。


残ったのはこの方々。


アレック・シュレイダー/ライアン・スミス/アンバー・L・ワーグナー/マイケル・ファビアーノ/ジェイミー・バートン/キーラ・ダフィー/ディゼラ・ラルスドティエ/ライアン・マッキニー/アンジェラ・ミード/ニコラス・パレセン/マシュー・プレンク


普通のコンクールと違い、メトのコンクールはファイナルまで残った歌手に、決勝までの一週間、プログラムがあるんです。


当日の指揮者とのレッスン、演技のレッスン、呼吸のレッスン、オケ合わせ、などなど。


指揮者もオケも、さすが!という感じで、とても上手かったです~


最近は、歌手のやりたいように歌うというよりか、テンポや音楽的なことを指揮者が決めることが多いので(日本だけなのかな?)、見ていて感激しましたね。


歌い手のこともよ~く分かっていたし、とても歌いやすい指揮でした~あんな指揮で歌ってみたい~きゃ




その過程を「なるほど!」という感じで追っていくだけでも楽しめますが、何しろファイナリスト達が上手い!!


特にテノールが・・・どの人も上手くてびっくりでしたね・・・


体の細いソプラノであたしと同じような声質の方が、2人いらして、心の中ですごく応援していたのですが、結局受賞された方が、み~んな体格の非常に良い方々で、ちょっと残念でした・・・しょぼん


もちろん、上手かったですけど!!



でも、審査員の先生方が最終選考しているシーンはとても興味深かったですね。


例えば、ファイナルで「ノルマ」を歌った人がいるんです・・・かなり、おおがら人で・・・


審査員は大半が「素晴らしかった」っと言っているのに、審査員の中で一番太った方が


「でもあの役は、あの体型じゃ無理よ。」


とバッサリ・・・あの、あなたは??


と少し言いたくなるような(笑)



とか、「彼(マイケル)は、大成功するか、全くお話にならないか、どっちかよね、がなってるんだもん。」


などなど、審査員が言いたい放題で・・・あせる


面白かった~。あたしがあの場にいたら


「随分小さい人がいたわね~見えなかったわ」


とか言われるんでしょうか?(そう思うくらい、皆さん体格がよかった!!笑)



あと、見ていてすごく感心したことは、本番を待っている歌手のみんなの様子です。


日本のコンクールとかは、大体、自分の世界に入って集中し、ライバルと話したりしないと思うんですけど、メトのオーディションでは、みんな同じ部屋に集まってて(楽屋があるのに)、本番が終わった人に


「アメージング!ファンタスティック!」


とか言って、抱きしめているんですよね。


もちろん、一週間のプログラムを受けてきた仲間だからというのもありますが、自分が一生をかけて臨んでいるオーディションの本番の前に、そんな精神的余裕があるって、素晴らしいことですよね。


あと、これは一緒に観ていた声楽の友達も言っていましたが、観ていてまるで自分が歌っているような緊張感を持ってみれました。


舞台の裏側や、歌い手から見える客席の景色・・・(3800席の!!目


圧巻です・・・ぞくぞくしました。

このオーディションを登竜門に、この若手歌手たちは世界にはばたき、皆さんご活躍なさっているようです。


ただ、最後にテロップが出て・・・とてもショックを受けました。。。(映画を見る予定の方は続き読まないで下さいね)


ファイナリストの中で唯一黒人で受賞したライアン・スミスさんは、本当に素晴らしかったです!

表現力と言いますか・・・お客をつかんで離さない歌でした。


なのに、その受賞の1年半後に悪性リンパ腫で亡くなったそうです。


生きていれば、これから大いに活躍したであろう青年が。。。残念です。


ドキュメンタリーだけでなく、メトで行われた実際のオペラも映画で見ることができます。

皆さんも、一度試してみてくださいね音譜