1)公募展に出すメリットはあるか

公募展離れになって久しいですが、いくつかメリットはあります。まず、たくさんの人に見てもらえるということです。個人で個展やグループ展を開いても、知り合いの人に観てもらうことが中心になりますが、公募展は比べ物にならないほど、たくさんの人に観てもらえます。
そして、もう一つは絵を描く仲間と知り合いになれることです。中には憧れの作家もいるだろうし、同年代とは競い合うライバルも出てくるかもしれません。1人で描いているより広い視野を得ることができるし、絵が好きな仲間ができるということが大きいと思います。

2)公募展に出すデメリットはあるか

デメリットは出品料や東京の会場に行く旅費などを含めて、出費が多くなること。
また、公募展は毎年出品しなければならないので、嫌になったからと言って、簡単に辞めてしまうのもどうかと思います。何をやっても継続は力なりです。

3)どんな作品が評価されるか

評価は、会それぞれに傾向があるのでどの会に持って行っても評価されるかというと難しいかもしれません。そして、審査というのはおおげさにいうと、ほんの数秒で決まります。作品を審査員が一枚ずつ見て評価していくのですから、何百枚もある作品を1人数分も観て話をしていたのでは、何日あっても終わりません。
結果的にどんなものが評価されるかと一口には言えませんが、まず入選するには、一見してテーマがはっきりとしていて、そのテーマが審査員にしっかり伝わるものを描くべきでしょう。初心者はあれもこれもと、欲張って結果的に何を描いてるのかわからなくなってしまうことが多いようです。
4)作品は大きい方がいいのか

公募展によって応募できるサイズが違いますから、注意が必要です。例えば100号まで出品可能ということであればできるだけ100号を描いた方がいいでしょう。なぜかというと、審査で並べてみると、大きい方が作品に力がありよく見えるからです。たまに10号くらいの作品を出品してくる人がいますが、小さすぎて入選は難しいと思います。
想像してみてください。広い美術館に100号の隣に10号の絵を飾っても小さすぎてとても鑑賞し辛いはずです。
念のために書いておきますが、100号までの規定があるのに、150号を応募しても規格外で受け付けてもらえません。

5)いろいろな会派があるが何が違うのか、選び方について。

公募している会は200ほどあると聞いています。それぞれに特徴があり、どこがいいとはいえません。気になる会を実際に美術館に見に行ったり、美術雑誌などで見てから自分が魅力を感じたところに出品するのがいいでしょう。また、知り合いの作家が出品しているところも会の様子がわかるので安心かもしれません。

6)公募展に所属すると費用はどれくらいかかるのか

所属するために費用はかかりませんが、まず、作品を出品するために出品料が1万円くらいかかります。そして、実際の作品を審査してもらうために美術館までの運送費が往復で1万5千円から3万円ほど。(住んでる場所によって違います)
入選したら、住んでいる県に支部があればそこに入る必要があるので、年会費が2万円ほど。そしてその支部での行事に参加することもあります。例えばその支部のグループ展などあれば、その参加費がかかります。ざっくりと、予想した金額なので前後するとは思いますが、県に支部がない場合もありますから、ない場合は、出品料と作品の輸送代金だけです。

最後に
公募展離れが久しく、長く出品していた作家も近年、年金だけで続けるのは厳しいという理由で、辞めていく傾向です。仕方のないことですが、長く出品していた人が辞めていくのはとても残念です。やはり、公募展の魅力はたくさんの人との繋がりなのだと思います。好きなことが同じという仲間がいる場所は何者にも変え難い魅力が詰まっています。退職して始めた方も、若い人も、敬遠しないで思い切ってのぞいて見てほしいと思います。