路上で虫が死んでいて「昨日」のことを思い出した。という日記です。

昨日、私は虫を殺した。

大きな虻のようなその虫は大きな羽音を立てて我々の元にやってきて、驚いた私は小さな悲鳴をあげた。刺されるかもしれない、と思った。とても大きな虫は、近くにいたスタッフに叩かれ、私の足下に落ちた。荷物と地面の空間に、私の足のすぐ横に。
「殺したほうがいいですか?」と思わず尋ねた。特定の誰かに尋ねたわけではない、でも、なぜかそう口にした。
誰も何も答えなかったが、私はそのまま虫を踏み潰した。
「顔に似合わずよくやるね」と言われた。
なんだか恥ずかしくなって、
「怖かったから殺したんです」と答えた。
本音だった。怖かったから殺したのだ。
私が圧倒的に強く、有利な状況だから、殺せたのだ。

本当は、その虫の死骸を、移動させたかったけれど、そういう雰囲気でもなさそうだったので、そのままにしてしまった。

どんな虫かは知らない。