飽きるまで美しい夜空を見たいと思った。
きらきらひかる星を見て、もっともっと満天の星空を見に行きたいと思った。光を、燃える星の光を。想像もできないほど莫大なエネルギーの一部を、あらゆる方法で、私の網膜まで。私の身体は確かに宇宙の中に浮かんでいるのだと、遠い遠い過去の光も私に届いていると、確かな確信を得て、頬は濡れた。私を構成するすべて、地球のすべて、宇宙のすべて、始まりはみな同じ。私を構成する物質すべて、消えない。たまたまいま私を構成しているだけで死んでも残る、身体を燃やしても残る、少なくとも太陽の寿命がきたら地球は太陽に飲み込まれて赤色巨星になる、そこまで遠くはない未来に私は星になる。大きく膨らんでいく鈍い光の星になる。夢幻ではなく人は死んだら星になる。
また絶対、美しい星空を見に行く。

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