時は逝く/赤き蒸気の船腹の過ぎゆくごとく/
穀倉の夕日のほめき/
黒猫の美くしき耳鳴のごと/
時は逝く/何時しらず/柔かに陰影してぞゆく/
時は逝く/赤き蒸気の船腹の過ぎゆくごとく/
瞼の裏に残る/赤と金色/
北原白秋 ( 思ひ出)
YouTubeで向田邦子ドラマ「いとこ同士」に
挿入されていた北原白秋の
幻想的な詩
詩の階調がドラマの中を蠢き
ひきずりこまれる
何時知らず…
いつしらず
夕焼けの空をみるとこの詩が浮かぶ
昭和の時代のまだ戦前の物語
日中戦争で失った家族のことも描かれているから
遠いとおい昭和の
うす暗い世情が背景だけど
温かい人情を感じるドラマだった
♥