術前説明 | ケンカばかりの夫婦がバッドキアリ症候群に挑む

ケンカばかりの夫婦がバッドキアリ症候群に挑む

2014年4月に主人が難病のバッドキアリ症候群と診断されました。

手術前日、説明を受けるために子供達を義妹に預け、一人沖縄に向かいました。


そう時期は夏休み。

周りはウキウキ気分で楽しそうなのに一人沈んでました・・・


空港から病院に着くまでの間、運転手さんと話をしてると琉大の國吉先生(Y先生の上の方)というのは沖縄では超有名で神様のような方だと聞いて気持ちが楽になりました。


病院に着き11日ぶりに主人と会いましたが、(覚悟を決めたのか)思いのほか元気そうでした。


濃い味の好きな主人には沖縄の病院食が美味しかったそうです。(一番気に入ったのはジーマーミ豆腐だそう)




そして説明室に案内されY先生から説明を受けました。


「このバッドキアリ症候群はもともと南国の方に多い病気で、約40年前から琉大でこの病気に対する手術が行われてきました。


近年では本州の患者さんも増えて琉大に手術しに来たり、相談される事が増えました。


しかし依然、この病気に対する医者の知識が少ないために、本当は血管の病気なのに、肝臓の病気だと思われたり、気付くのが遅れ手が付けれなくなる事もあるそうです。


患者さんから沖縄に行くのは大変だから本州に来て欲しいという要望もあるのですが、

この病気は原因が分からず血栓が出来てしまう病気なので、手術後というのは人間本来の治癒力で血が固まろうとするのと、血をサラサラにしつつ、術後の出血が酷くならないようにという両極端なものをコントロールしなければいけない。

手術が終わってからが大事だからこそ、経験、施設のある沖縄まで皆さんに来て頂いてるんです。


その上でご主人の肝静脈は3本中2本は完全に閉塞しています。

そして残り1本はギリギリ生きていて手術で開ける事が出来ます。

下大静脈は上の方の血栓が大きくて硬いおかげで、血をサラサラにする薬を飲んでも肺塞栓にならずにすんでいました。

この血栓を血管を広げて除去し、そのままではまた詰まる可能性があるので自分の心膜を切り広げた部分にパッチワークのように貼り付けて血管を広げます。」

とのことでした。



主人はどうせ痛い思いをして手術するのだから、閉塞している2本の肝静脈も広げる事は出来ないのかと聞きましたが、それは無理だと言われました。


肝静脈は1本でも流れていれば肝臓は働くそうで、主人の残りの1本もギリギリだったけど都内の病院で血をサラサラにして血栓が大きくならないようにしたおかげで、もし手術するのを遅くしてたら、この1本も閉塞してしまい移植しかなかったそうです。




説明を受けた後、病室へ戻り落ち込んでいたら、同室で隣の患者さんとお母様が色々教えて下さり、「手術は怖いでしょうけど、手術出来るという事は治せる事と思えば怖くなんかないですよ」という一言でに私達夫婦は救われて気持ち的に前向きになれました。