そうそう、この公園へ行った日
やはりそのお子さんに手を上げられ
『ママ!!』と私に縋り付く息子をぎゅうっと抱きしめて
温かいなぁずっとこのままいたいなぁって思ってた。
だって家に帰ったら、がんの話をしないと。
優しい息子はきっと胸を痛めてしまう。
同居の母にも話さなくてはならない。
心配かけたくない。どうしよう、どうしよう、どうしよう、、、
心中ぐちゃぐちゃ。
多分人生で一番。
思い出すと今も胸が締め付けられる。

でも、今日は息子を守らねば!!
今日のママは息子のヒーローになる為にここに来た!!
公園のヒーロー。
息子を守って、がんにも勝つぞ!!

燃えてた私。
  悪性の乳がんと告げられたこの日、
前々から息子の同級生とお母様方と
車で近くの公園へ出掛ける約束がありました。

  親睦会ですが、本当の目的は
少し心に障がいを抱えたお子さんと
そのお母様に、
今子供達に起きている事を見て貰って
今後対処してもらいたく企画していました。

いつも控えめで優しそうな
その子のお母様はお子さんに強く注意する事は
ほとんど無く
事が起きてしまった後に
『いつもすみません、、、ごめんね』と、
謝っては頂けるのですが
お母様が居られない学校ではどうなのか?
先生はちゃんと見ていて下さるのか?と、
私達保護者の間では、
かなり心配の種ではありました。
それを見かねた
他のお母様からの今回の発案です。

  身体も大きく我慢の出来ないその子に、
小柄な家の息子が手を上げられ
時には怪我までさせられて、
もう黙っては居られない‼という時に

(実は、もう何度も担任の先生には
話をしています。)

『実は家の息子も以前、、、』
と、そのお母様から話を切り出され
今回の公園へのプチ遠足となった訳です。

  よし‼
スイッチを切り替えて、
愛する息子のママ頑張ります‼
  されました。

  一週間後、検査結果を聞きに再び病院へ。
診察室へ入るとすぐに、
『悪性と出ています。
リンパへ転移しているかもしれないから、
紹介状書くので別の病院で詳しく調べてみましょう。』との先生の言葉に、

『私、死んじゃいます?』
なんて、口走ってしまったり、

最後に『これを。』と、
私のかかってしまった乳がんが
詳しく書いてある冊子を手渡されそうになり、

『見たら怖くなるので要りません。』
なんて、子供じみた事を言ってしまいました。

『後日親御さんといらして下さい、
詳しい説明をしますから。』と言われ
会計へ向かう私を看護師さんが呼び止めて、 

私より泣きそうな顔で、
『お子さんいらっしゃるんですよね?
まだ小さいんですか?大丈夫ですか?』と。

(例え子供が居なくても、
子供がもう大きくても大丈夫じゃないし)

『今日はお車ですよね?運転大丈夫ですか?』

(大丈夫じゃなくても帰らなきゃいけないし)

なんて考えなから、
とにかく早く帰りたかったんです。

早く息子に会いたい‼
お母さん、早く帰ってきて‼
私死んじゃうかもしれないよ‼って。