一部の人 (成人の約10%) が腰部に先天異常を持っています。最も一般的な異常の1つは6番目の腰椎の存在です。腰椎が1つ多くても、個人にとって有利でも不利でもなく、腰の問題の原因になることはめったにありませんが、混乱を招く可能性があります。

 ・放射線科医は、腰椎に番号を付けるときに、通常、最後の肋骨から数えて下向きに番号を付けます。

 ・一方、外科医は腰椎に番号を付けるときに下方の仙骨から数えます。

 腰椎のラベル付け方法はどちらも間違いではありませんが、明らかに混乱を招く可能性があります。

 椎体が5つの人の場合、 L4-L5とラベルを付ける際に両者の見解は一致します。ただし、腰椎が6つの人の場合、放射線科医は通常、最下層をL6-S1と呼び、その上のレベルをL5-L6と呼びます。外科医の考えではL4-L5が正しいラベルになります。

 間違ったレベルへの注射や外科的露出を避けるために、腰仙部の異常の位置を明確に特定することは、非常に重要です。これは、低侵襲手術の場合に特に重要になります。
 身体検査と、MRIスキャンやX線などの補足的な画像検査は、診断の精度と伝達を向上させるのに役立ちます。

★脊椎の異常が背中の問題を引き起こす場合
 患者はX線検査で第6腰椎や余分な仙骨などの脊椎の異常が見つかり、それが背中の問題の原因であると告げられることがあります。
 しかし、腰椎や仙骨のこのような異常は、単に正常な骨構造の変異であり、通常は何の影響もありません。言い換えれば、第6腰椎や仙骨の余分な骨などの異常が背中の問題を引き起こすことは非常にまれです。

 この一般的なガイドラインの唯一の例外は、最後の横突起 (椎骨の近くの骨の突起) が部分的に仙骨に付着している場合、つまり「仙骨化」している場合です。
 この骨の突起が仙骨に付着すると、本来あるべきではない場所に原始的な関節 (偽関節) が形成されることがあります。脊椎のこの部分で生じる動きが、局所的な腰痛の原因となることがあります。
 この症状は通常、手術なしでうまく治療できます。たとえば、横突起と仙骨の偽関節にステロイド薬を注射すると、診断と治療の両方の効果が得られることがよくあります。