支えのない姿勢は、背骨にかかる負荷を不適切に分散させ、腰の組織を弱めます。その結果、背中の筋肉、椎間板、関節の複雑なネットワークが許容限界を超えて押し上げられ、痛みを引き起こします。
同様に、重い物を不適切に持ち上げることによる突然の怪我も、すぐに腰の痛みや機能障害を引き起こすことがあります。
★サポートされていない姿勢の習慣
日常の活動には、歩く、座る、立つ、かがむ、物を持ち上げる、横になるなどの動作の組み合わせが伴うのが一般的です。これらの動作を行う際に身につく一般的な習慣には、次のようなものがあります。
・オフィスチェアやソファに前かがみになったり、だらりと座ったりする
・ベッドにうつ伏せになってノートパソコンで作業したり本を読んだりする
・ベッドに座ってノートパソコンで作業する
・庭の草取りや食器洗いを長時間行うときに前かがみになる
・片手で長い腕の動きを使って掃除機を使う
・体の重さを片足に集中させて立つ
・頭や体幹を支えずに猫背で歩く
・背中を曲げて重い物を床から持ち上げる
これらの間違った姿勢をとると、腰痛を引き起こす可能性が高くなります。座りがちな生活や運動不足は、腰部にさらなるストレスと痛みを引き起こします。
仕事の開始、新しいオフィスチェアや車の使用と同時に痛みが生じたり、姿勢を変えると痛みが治まったり、一日の特定の時間帯に痛みが悪化したりする場合は、姿勢の悪さが原因である可能性があります。
★悪い姿勢が腰痛を引き起こす仕組み
姿勢が悪いと、筋肉組織、脊椎関節(腰椎間板)、椎間板内のいくつかの領域にストレスが生じます。これらのストレスは、問題となる姿勢が修正されると軽減される場合もありますが、蓄積し続け、影響を受ける構造を徐々に弱める場合もあります。
・立っているときや座っているときに長時間背中を丸めていると、背中、体幹、腹部の筋肉が緊張して痛みを感じ、血液供給が減少し、体幹と腰の硬直や衰弱が徐々に進行します。
・支えのない座位では、脊椎がわずかに前屈します。時間が経つにつれて、この前屈が脊椎下部の椎間板に負荷をかけ、ヘルニアを引き起こす可能性があります。
・持ち上げる方法を間違えると、腰椎椎間板ヘルニアを引き起こし、腰に痛みが生じたり、近くの脊髄神経を通じて脚に痛みが広がったりすることがあります。
・うつ伏せになってノートパソコンで作業したり、読書をしたりすると、腰と股関節が過度に伸びて(後ろに曲がって)しまい、下部脊柱の曲線の動きが変わってしまいます。
通常、正しい姿勢を維持する方が、間違った姿勢を維持するよりも労力が少なくて済みます。習慣的に間違った姿勢を変えるには、時間と継続的な意識が必要になります。
★サポート姿勢をとるためのヒント
〇堂々と歩く
歩くときは、まっすぐ前を見て、頭を背骨より上にバランスよく保つことが重要です。背骨をまっすぐにし、肩をリラックスさせます。かかとで着地し、ゆっくりと前に転がって足の前部を押し出すようにします。一歩ごとに、反対側の腕を前に伸ばして、ゆっくりと背骨を回転させます。
〇サポートを受けながら座り、1時間ごとに立ち上がる
オフィスチェアに座って作業するときは、背中を椅子にぴったりとつけ、頭を背骨の上に置き、肩を後ろに回し、肩甲骨を下げます。肘を75~90度の角度に曲げます。両足は腰幅に開き、両足は床に平らに置きます。床に届かない場合は、フットレストを使用します。小さな枕や丸めたタオルを置いて、腰を支えて腰椎のカーブを保ちます。椎間板にかかる圧力を軽減するために、1時間ごとに立ち上がって短い距離を歩くようにしてください。
〇慎重に持ち上げる
重い物を床から持ち上げるには、背筋を伸ばして膝を曲げ、物の前にしゃがみます。膝を伸ばして立ち上がる間、物を胸に近づけます。
軽い物を持ち上げるには、片手でテーブルやカウンターを支え、腰を曲げて(背筋を伸ばしたまま)、片方の足を後ろに上げてバランスを取ります。もう一方の手で物を持ち上げます。このテクニックはゴルファーズ リフトと呼ばれ、繰り返し持ち上げる動作に特に有効です。
脊椎は、健康的で、十分にサポートされ、人間工学的に安定した環境でよく機能します。組織が再び痛むのを防ぐために、正しいサポート姿勢を継続することが重要です。
提案された姿勢の変更後も腰痛が軽減または改善されない場合は、当院にお越しいただいて腰の問題を正確に診断してもらうことをお勧めします。
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