第229話 『誓い』  (Cパート)

 

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【1月21日 11:23
 塩南沼村(えなぬまむら) 外れ
 沢東(さわとう) 北の山中 】
 
着弾した隕石が割れ、中から機械が見えています。
その一部が開くと、出て来る異様な怪物。
 
怪我をしているのか、その場に横たわると、
少し荒い呼吸で、息を整えます。
 
木陰からおっかなびっくり、その様子を見ていた少女が、
次第に前に出て来ると、声をかけます。

 


 
富衛敏子(とみえとしこ)
「あの…大丈夫?
 
 言葉… わかる?」
 
怪物はしばらく、意味不明な言葉を話しますが、
途切れがちながら唐突に、日本語を話し始めます。
 
怪物
「大丈夫…だ。
 しばらくすれば…治る。
 
 私が怖くは、無いのか?」
 
富衛敏子
「わからないけど… なんとなく…
 悪い怪物さんじゃ、ないように思う。
 
 それに私、余り怖い物、無いし。」
 
怪物
「変わった人間だ。」
 
富衛敏子
「人間って、わかるのね。
 でもここにいたら、危ないわ。
 
 村の人に、見つかったら、
 きっと、ただじゃ済まない。 
 
 何も無いけど、私の小屋に来る?」
 
怪物
「わかった。」
 
怪物は起き上がると、機械の一部を操作。
機械が消滅して、隕石塊だけになったのを見ると、
少女に、向き直ります。
  
富衛敏子
「すごいわ。
 本当にもう、みるみる治ってるのね?」
 

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【1月21日 13:22
 沢東(さわとう) 富衛敏子の小屋】
 
富衛敏子
「私一人しか、いないのよ。
 だから、気楽にしてね。」
 
怪物
「ありがとう。
 
 私はプロンタン・テロス。
 見ての通り、別の星から来た。」
 
富衛敏子
「てろすさんね。
 私は、とみえ・としこ。
 
 ちょっと事情があって、村から外れ、
 ここに一人で、住んでるの。
 
 あなたの星の人は、みんなあなたみたいに、
 目と手が、四つあるの?」
 
テロス
「違う。
 人間は、君と同じような人間だ。
 
 私は兵士として、作られた人間だ。
 普通の人間よりも、より強く強靭で、
 戦いに向くようにと、作られた。
 
 が、姿があまりにも、かけ離れ、
 性能も期待とは、違ったために、
 処分される、予定だった。
 
 一人乗りポッドで、太陽に向け、
 発射させられた。
 
 ただ私は、軌道を変え、
 岩塊でカモフラージュして、逃げた。
 
 ここには偶然、流れ着いた。」
 
富衛敏子
「まあ、そんな事が…
 
 なんだか少し、似てるわね。
 私は病気で、もう長く生きられないの。
 
 それで、移したりしないようにって、
 村から離れて、死を待ってるのよ。」
 
テロス
「病気? 死ぬ?
 それなら私に、何とか出来るかも知れない。」
 
富衛敏子
「どう言う事?」
 
テロス
「そのままで…いてくれ。」
 
白いガスのような物を、吐きかけるテロス。
 
しばらくすると敏子は、眠気に襲われ、
そのまま、寝てしまいます。
 

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【1月22日 07:19
 沢東(さわとう) 富衛敏子の小屋】
 
富衛敏子
「驚いたわ。
 
 なんだか…本当に、元気になったみたい?
 私、ずっと寝てたの?
 
 何をしたの?
 あの白い煙?」
 
テロス
「そうだ。
 私は大半の、毒素・有害病原菌などを、
 分解消滅させる酵素を、体内で生成出来る。
 
 逆に、対象を死滅させる、
 毒素毒物も、生成可能だ。
 
 素手や武器を持つほか、そう言う事でもまた、
 自分を守り、敵を倒せるように作られた。」
 
富衛敏子
「すごいわ。
 
 あ、それじゃ、
 この村の風土病とか、治せる?
 
 昔からあって、紅斑病って言ってね。
 私もそれで、もう助からないはずだったの。」
 
テロス
「おそらく。
 
 ただ、それには、
 接触して、白煙を散布する必要があるし…
 
 宇宙塵をまとって、落下した事で、
 病気があれば、活性化させている、
 可能性も大きい。」
 
富衛敏子
「あなたの煙を浴びて…とは、
 ちょっと、言いにくいわねえ。
 
 姿を見ただけで、逃げられかねないし。
 
 でも、
 村の病気が、ひどくなってるかと思うと、
 それも困るしねえ…
 
 何とか村の人に、わかってもらえて、
 煙を浴びてもらう方法は、ないかしらね…」
 

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【1月22日 10:52
 沢東 富衛敏子の小屋】
 
富衛敏子
「え? 見られた?」
 
テロス
「うむ。
 小さい個体数人、幼体のようだった。」
 
富衛敏子
「村の子供ね。
 
 この辺には、あまり来ないけれど、
 隕石落下で、興味が出たのかも?」
 
テロス
「まずかっただろうか?」
 
富衛敏子
「うーん、見られないに越した事無いけど。
 
 良いわよ、来て何か言われたら、
 知らぬ存ぜぬで、通すから。」
 
テロス
「すまない。
 
 私は肉しか、食べられないので、
 どうしても外で、狩りをせねばならない。」
 
富衛敏子
「好き嫌いさんなのね。
 
 まあ、地球人もみんな、
 多少は偏食、あるからさ。」
 

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【1月22日 14:49
 沢東 富衛敏子の小屋】」
 
富衛敏子
「どうしたの?」
 
テロス
「今…窓の外に誰かいた。」
 
富衛敏子
「子供の話を、聞いて、
 確かめに、来たんじゃないかな?」
 
テロス
「どうしたら良い?
 君にも村の人間にも、迷惑はかけたくない。」
 
富衛敏子
「来るのが、わかったら、
 隠れてるのが、無難かも知れないけれど…」
 
テロス
「大体は、察知出来る。
 
 そう言う、探知能力はある。
 子供の気配も、前回で把握した。」
 
富衛敏子
「だったら、お手間だけど、
 次の時には裏の藪にでも、隠れててもらえる?
 
 私が適当に、追い返すから。」
 
テロス
「わかった。」
 

 
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【1月24日 15:52
 沢東 富衛敏子の小屋】
 
近田村長、山野実、高田正、折口幸明の4人が、
富衛敏子の小屋を訪れ、話をしますが、
テロスが飛び出し、会談は中止、
村人は逃げ帰りました。
 
テロス
「すまなかった。」
 

 
富衛敏子
「やっちゃった物は、仕方ないけど。
 
 でも、どうして、飛び出したの?
 熊がおいしそうで、我慢出来なかった?」
 
テロス
「違う。
 熊は村人を、襲おうとしていた。
 
 私が飛び出さなければ、殺されていた。」
 
富衛敏子
「それで、毒の霧を吐いて…
 
 でもその後、村人にも、
 霧をかけようとしたのは、まずかったわね。」
 
テロス
「多分、誤解されるとは思った。
 
 強引だったが、それなら今を逃したら、
 改めて、霧をかける機会など、
 もう無いと、思ったんだ。」
 
富衛敏子
「実際、誤解されたまま、
 逃げ帰られちゃった、みたいだから…
 
 こっちから、申し開きに行っても、
 信じては、もらえないと思う。
 
 熊を殺した霧は、毒だけど、
 白い霧は薬です。なんて、
 後から言っても、いかにも言い訳臭いわ。」
 
テロス
「軽率だったか?
 済まなかった。」
 
富衛敏子
「仕方ないわよ。
 良かれと思って、とっさにした事だし。
 
 黙ってて熊に襲われたら、それはそれで、
 怪物を嗅ぎまわる、俺達を始末しようと、
 怪物が熊をけしかけた…
 
 なんて、邪推されてたかも知れないわ。」
 
テロス
「当分は、なるべく大人しくする。
 
 気がかりは、あるが…」
 

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【1月24日 20:33
 沢東 富衛敏子の小屋】
 
夜空を仰ぎ見ているテロス。
 
富衛敏子
「どうしたの?」
 
テロス
「気がかりが… どうやら本当になりそうだ。
 追手が来る。」
 
富衛敏子
「追手?」
 
テロス
「そうだ。
 私は元々、戦闘用の人造怪物として、
 作られた試作体だ。
 
 だが兵士にしては、自我を持ち過ぎ、
 性格的にも、兵士に向かないと、
 廃棄処分されるはずだった。
 
 秘密保持も兼ね、小型隕石ポッドで、
 恒星に向け、発射されたのだ。
 
 だが私は、途中で軌道を変え、
 逃走する事に、成功した。
 そしてこの星に、流れ着いた。」
 
富衛敏子
「うんうん。大変だったのよね。」
 
テロス
「だがその事は、母星でも気づいたはずだ。
 
 遅かれ早かれ、追手が来ると思っていたが、
 どうやらそれが、来るらしい。」

 


 
富衛敏子
「どうしたら良いの?」
 
テロス
「来たら仕方ない、戦ってみる。
 
 これ以上、迷惑はかけられない。
 君にも村の人にも。」
 
富衛敏子
「気持ちは、ありがたいけど…
 勝算はあるの?
 
 あなたの性能を、知った上で、
 倒せる追手が、来るはずでしょう?」
 
テロス
「一方的な勝利は、難しいと思うが…
 刺し違える覚悟なら、勝算はある。
 
 私は体内で、毒物を中和して抗体にしたり、
 逆に毒物を、生成出来る。
 
 大量の水はあるか?」
 
富衛敏子
「村の脇に川があるわ。
 そこに小さな池も。
 
 今の季節、水量は少ないけれど。
 一か八かなら、上流にダムがあるから、
 それを決壊させれば。」
 
テロス
「私は水を元に、重真水を作れる。
 
 それは、私自身にとっても毒だが、
 追手が同じタイプの、戦闘獣人なら、
 性能では、上回っていても、
 弱点は、大差ないはずだ。
 
 水を利用して、取りついてやれば、
 多分… いや、きっと。」
 
富衛敏子
「でもそれで、てろすさんには…

 死んで欲しくは無いわ。」
 
テロス
「進んで、死ぬわけではない。
 その覚悟には、なるだろうが。」
 

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【1月25日 17:08
 沢東 富衛敏子の小屋】
 
富衛敏子
「帰ったわ。」
 
テロス
「村の者では無かったな?
 誰だったのか?」
 
富衛敏子
「UST。
 地球防衛機構の人。
 
 大丈夫、何も知らないって言ったから。」
 
テロス
「そうか。
 
 とは言え、はい、そうですかで、
 引きさがってそのままとも、思えないが…」
 

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【1月26日 10:47
 沢東 富衛敏子の小屋】
 
富衛敏子
「帰ったわよ。」
 
テロス
「また、USTか?
 薄々、気が付いているようだが?」
 
富衛敏子
「薄々どころか…
 
 何か隠してる事や、嘘はバレちゃった。
 さすがね。」
 
テロス
「それで、どうしたんだ?」
 
富衛敏子
「嘘ついても、仕方ないから、
 1日待ってとだけ、言ったわ。
 
 それで…良いんでしょ?」
 
テロス
「確かに、一両日で追手は来る。
 
 だが…
 
 話のわかる人達なら、
 いっそ事情を、全部、話しても?」
 
富衛敏子
「それは私も、思いました。
 私、嘘つくの上手く無いし。
 
 でもね、話のわかる人達でも、
 命を守る仕事で、来ている以上、
 事情を知ったら多分、そうはいかない。
 
 こっちの言い分を、右から左に、
 信用してくれるって、わけじゃない。
 
 事実確認に、人を割き、時間がかかり、
 てろすさんも、もう、確実に、
 野放しにさせては、もらえないわ。」
 
テロス
「私が自由に、動けなければ、
 追手を防ぐ事も、出来ない。
 
 やむを得ないか…」
 

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【1月27日 14:36
 沢東 富衛敏子の小屋】
 
テロス
「来た!」
 
富衛敏子
「追手?」
 
テロス
「そうだ。」
 
富衛敏子
「どう…するの?」
 
テロス
「川や池は見たが、あれでは不十分だ。
 追手が進んで、水に入るとは思えん。
 
 やはりダムに行って、開放する。」
 
富衛敏子
「私は…」
 
テロス
「ここにいろ。
 私と行動したら、同罪とみなされる。
 
 ここを動かず、何かあったら、
 怪物に操られていたとでも、言うんだ。」
 
一人で出て行く、テロス。
 

 
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【1月27日 16:01
 塩南沼村 北 ダム】
 
到着したテロスが、しばらくダムの様子を見て…
 
解放弁の類を探す物の、見つけられず、
力任せにダム壁面を、殴り始めます。
 
テロス
「村には申し訳ないが、村を水で満たせば、
 村のどこにいても、逃げられない。」
 

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【1月27日 16:02
 沢東 富衛敏子の小屋】
 
富衛敏子
「やっぱり…」
 
一人で窓から、外を眺める物の、
落ち着かなくなって、出て行く富衛敏子。
 

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【1月27日 16:54
 塩南沼村 北 ダム】
 
銃撃を無視して、ダム破壊に専念するテロス。
 
テロス
「このくらいでは…まだ参らん。
 
 敵も倒さねばならん。」
 
と、飛び出した富衛敏子が、
テロスをかばうように、覆いかぶさります。
 
テロス
「何て事をする!」
 
富衛敏子
「良いの…
 私は元々、病気で死ぬはずだったから。
 
 てろすさんのおかげで、少しだけ長生き出来て。
 
 みんなの、役に立てるなら、それで良い。」
 
テロス
「おのれ…」
 
富衛敏子
「ねえ、誓って。
 村の人達は、決して恨まないと。
 傷つけないと。
 
 だってみんな、知らないんだもん。
 仕方が無いんだもん。
 
 私達だって… 考えた末に…
 
 だから…
 村の人は… 助け…」
 
テロスが肩に、手を伸ばしますが、
川に落ちた富衛敏子は、流れて行きます。
 
テロス
「わかった…
 
 村の人間を、恨んだりはしない。
 必ず助ける。
 
 約束だ。」
 
最後の力を込めて、ダムの壁を殴ると、
同時に銃撃の、一斉射撃が当たり、
吹き出た水流で、テロスも流れて行きます。
 

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【1月27日 17:23
 塩南沼村】
 
水流に乗って、村まで来たテロス。
 
流されながらも、再生したテロスは、
流木と水しぶき、霧に紛れながら、
辺りの様子を、伺います。
 
追手らしい、同タイプの獣人と巨人が、
浅い池となった、村で戦っています。

 


 

 
巨人は、善戦していましたが、
獣人の再生、回復、体力のタフさに、
中々追い詰める事が、出来なさそうでした。
 
テロス
「好都合だ、こいつは俺がやる。」
 
巨人との戦闘に、夢中の獣人の、
背後に泳ぎながら、回り込むテロス。
 
突然飛び出すと、背中に組み付きます。
重真水を生成して、自分ごと浴びせるテロス。
 
虚をつかれた獣人が、慌てて暴れます。
が、
 
テロス
「この手は離さん。
 村の人を助けると、約束した。
 
 俺に出来る事は、生きる事では無い。
 約束を守る事だけだ。」
 
獣人は必死で、振り払おうとしますが、
背中のほぼ、死角に取りつかれた上、
重真水で、徐々に力が抜け、
ぐったりとして来ます。
 
テロス
「今だ!
 やれ!
 
 何か出来るなら、今こそ撃て!
 もう次は無い!

 

 今、やってくれ!」
 
テロスの叫びが通じたのか、
ゾフィのスパークショットが降り注ぐと、
獣人が破壊・吹き飛ばされて行きます。
 
テロス
「ありがとう。
 
 迷惑をかけた。
 
 ありがとう。」
 
テロスは微かな、意識の最後で、
水に流れる、富衛敏子を、
見たような、気がしました。
 
手を伸ばそう…と考えたはずですが、
その時にはもう、テロスもいませんでした。
 

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【1月28日 07:55
 塩南沼村 外れ】
 
呆然としたままの村人、去り行くUST。
到着し、作業を開始する輸送軍。
 
それらを、見下ろしながら、
黙って見ている、
帽子を被った少女と、車椅子の老人。
 
少女
「なぜ救えなかったの?」
 
老人
「なぜだろうね…。」
 
少女
「…

 

 なぜ… 救えなかったの?」
 
もう一度、微かに抗議するかのような口調で、
問い返す少女には、答えないまま、
老人はいたわるように、少女の腕を、
軽くポンポンと、叩きました。
 
【第229話・終わり】

 
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