第172話 『襲来(前編・交錯)』  (Bパート)

 

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【UST作戦室】
 
スクリーンに映る、各地の戦況を見守る、
フジハラ長官、カジ参謀、マキノハラ博士。
 
フジハラ
「みんな、よく戦ってくれている。」
 
マキノハラ
「各国の状況は、どうなんです?」
 
フジハラ
「どこもあまり、作戦の立てようがない、
 正面からの、総力戦だからね。
 大同小異だ。
 
 だが、数も被害も、極東は比較的多い。」
 
カジ
「最初に接触したのが、我々ですから。
 
 ここを、重要ターゲットか、
 惑星の首都的な、感覚でいるのかも知れません。」
 
マキノハラ
「何か、起死回生の手があれば、良いのだが。」
 
カジ
「戦闘艦艇に関しては、
 同数なら、ほぼ優位に戦えてます。
 が、
 搭載艇を出したり、艦艇が分離するので、
 ロポスは総数が、ちょっと見えませんし。
 
 ロボットが出てくると、いささか厄介です。」
 

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【B班作戦室】
 
ドノバ
「特務から回してもらった、データーですが…
 
 これ… じゃないスか?
 とりあえず、デカブツは?」
 
ドノバの席に集まる一同。
 
シズカ
「確かに。
 
 なんだ、これ、よくわかったな?」
 
リオ
「レーダーじゃ無いやね?」
 
ドノバ
「光学の反射を処理した。
 ある種のステルスらしい。」
 
アカイ
「だとすると、進行方向的にも、
 東京に向かってるな。」
 
ドノバ
「とは言っても、でかいだけなんス。
 サイズがね。
 
 旗艦かどうかは、むしろ疑問だけど。」
 
ユウキ
「そうだな。
 中核艦ならむしろ、前線に行く可能性は低い。」
 
リオ
「で、でも、ほっとくのもなんでしょ?
 
 サイズ、ふた回り半違うもん。
 旗艦じゃなくても、秘密兵器か何かじゃ?」
 
シズカ
「よし、とりあえずここまで、
 上に進言してみよう。」
 

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【川】
 
上空の巨大艦が、移動するさまを、
川岸で、釣りをしながら見ている中年男性と、
その後ろに立つ、長身の人物。
 
と、そばに、巨大ロボットが降り立ちます。

 


 
中年男
「おいおい。」
 

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こうして、東京に向かう大型艦を、
先手を打って、迎撃する作戦が建てられます。
 
侵攻ルート上で待ち構えて、差し掛かったら奇襲。
陸軍対空部隊が、侵攻ルートを塞ぎ、
空軍が総力戦で迎撃。
 
それでも、難しいならUSTが、
さらに航空戦力で、上下から奇襲をかける。
 
途中、気づかれたら、USTはオトリに切り替え、
また空軍別動隊が、飛び込むと言う物でした。
 
【幕僚部】
 
フジハラ
「作戦としては、ベストだと思う。
 
 ただ問題は…」
 
マトバ
「侵攻ルート上で、町がほぼ途切れない事。
 ですね。」
 
ナガサウラ
「どこで仕掛けても、町への被害ゼロは難しい。
 下手すれば、大惨事だ。」
 
マトバ
「先方さんも、どうもその辺まで、
 今は、計算している気がする。
 
 ステルスで、行ければよし。
 もしわかっても、こちらが積極的には、
 迎撃しにくそうなルート、だな。」
 
フジハラ
「とは言え、黙って通すわけにも行かん。
 結局はどこかで、迎え撃たねば。」
 
マトバ
「では予定通り、作戦ポイントはここで。」
 
比較的、町が途切れた、
山間の一地点が、地図上で光ります。
 
スズタニ
「うちも、本作戦で、
 出来るだけの対応は、考えています。」
 
フジハラ
「これが旗艦で、迎撃成功で、
 軍を引いてくれたら、良いんだが…。」
 
マトバ
「まずは、やる事をやりましょうか。」
 
フジハラ
「そうだな。
 よろしく頼む。
 
 ああ、USTに行こうか。」
 

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そしてロポス、ステルス巨大艦が、
待ち伏せポイントに、予定通り差し掛かり、
作戦は開始されます。
 
陸軍の猛砲火で、巨大艦は止まり、
視認出来る姿が、浮かび上がります。
 
ナガサウラ
「バレると出るのか。
 潔いな。」
 
マトバ
「改めて見ると、デカいわ。
 
 1キロ近く、あるんじゃないか?」
 
空軍は、持てる戦力を、集めていましたが、
もとより、損害艦、手負いが多く、
各地を完全に、カラにするわけにも行かず、
現状の兵力では、押され気味でした。
 
フジハラ
「後退してるな。」
 
マトバ
「いや。
 これ自体はミシマ参謀の、計算のうちでしょう。
 
 敵に、戦力的に優位と思わせるために、
 無理せず引き込んで、USTの奇襲を助ける。
 
 ただ、これは…」
 
ナガサウラ
「居住地にジリジリ、近づく事にもなる。
 諸刃の刃でもある。」
 

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【≪アーク1号≫ コクピット】
 
ユルガ
「空軍が、フェイズ2と言って来た。
 行くぞ。」
 

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【≪アーク2号≫ コクピット】
 
ユリコ
「了解!」
 

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空軍が徐々に後退し、巨大艦が侵攻する中、
超高空から、≪アーク1号≫が、
直下から、≪アーク2号≫が、
ロポス巨大艦に、攻撃をかけます。
 
巨大艦に、次々爆炎が上がりますが。
≪アーク≫では火力不足か?
あるいは重要部に、ヒットしていないのか?
さして速度も衰えずに、そのまま進みます。
 
ユルガ
「変化あるまで、繰り返すぞ。」
 
ユリコ
『了解。』
 
やがて、気が付いた小型搭載艇、ロボットが、
徐々に≪アーク≫に、接近して来ます。
 
≪アーク1号≫は、ドッキング・アウトし、
3機に分かれて、目標を分散させ、
≪アーク2号≫は、敵を引きつけつつ、
自然に後退し、空軍別動隊を呼び込みます。
 

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分離した、3機の≪アーク1号≫中、
クロスは敵を引き寄せつつ、下降していました。
そしてタイミングを見て、ウルトラホープを出します。

 


 

 

 
閃光が迸り、現れるゾフィ。
 
一度地上に降り立つと、上を見上げます。
 
迫りくる、2体のロボットを、
次々にM87光線で、撃破すると、
腕を組みなおし、アーム・バルカンを掃射、
搭載艇も、撃墜します。
 

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【上空】
 
上部は、
残った≪アーク≫2機が、敵を引きつけつつ、
入れ替わって、空軍機が殺到、
攻撃を、続行していました。
 
下部ではすでに、空軍機とロポス軍が入り乱れ、
≪アーク2号≫が、再攻撃のチャンスを伺います。
 
ユリコ
「あれ… 推進機?」
 
それらしいブロックを見つけると、≪アーク2号≫は、
残るミサイルを撃った後、高速型になり、
先端ドリルを回転させて、バリアフィールドを張ると、
そのまま突っ込んで、いきました。
  

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【UST作戦室】
 
カジ
「む、無茶だ…」
 
の一言の後、唖然と見ていたカジ参謀ですが、
やがて爆発の中から、≪アーク2号≫が出て来ます。
 
フジハラ
「おお!?」
 
リオ
「あ、手応え感じたら、すぐ離脱したんですね。
 
 冷静ですよ、ユリコさん。」
 
カジ
「あれでか?」
 

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【副長官室】
 
スガノ
「わかりました。
 
 引き続き、お願いします。」
 
ナガサウラ
「はい。」
 
ドアが開き、出ていくナガサウラ参謀と、
ニアミスする、サイバナ補佐官。
 
サイバナ(IDM・補佐官)
「何か…
 
 何か、ありましたか?」
 
スガノ
「いえ、何も。」
 
サイバナ(IDM・補佐官)
「小さな事でも、新しい情報があれば、
 共有するのは、大切ですぞ。」
 
スガノ
「そうですね。
 
 動物園に被弾があり、ゴリラが逃げたそうです。」
 
サイバナ(IDM・補佐官)
「ゴ、ゴリラ!?
 
 そんな、どうでもいい些事を、
 特務軍は、わざわざ報告に?」
 
スガノ
「ですから、何でもないと。」
 
サイバナ(IDM・補佐官)
「ったく、
 何をやっとるんだ、この非常時に!」 
 
ブツブツ言いながら去る、サイバナ補佐官。
 
後姿を見送る、スガノ副長官は、
姿が見えなくなると、電話を手に取ります。
 
スガノ
「あ、長官。
 
 あとで少し、お話があります。」
 

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しばらくすると、
巨大艦から始めて、大きな爆発が連続で上がり
グラリと軌道が外れて、下降を始めますが、
進みながら落ちる先には、町がありました。

 


 
飛び立つゾフィ。
 
反対側に来ると、巨大艦を押し始めます。
 

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【UST作戦室】
 
スズタニ
「今だ。
 やってくれ。」
 
ハゼンリ(中央即応集団司令・IDMT)
『了解。』
 
ルート下に待機していた、輸送軍艦艇が浮上。
次々に巨大艦に、アンカーをかけ、
ゾフィを助けて、牽引にかかります。
 
巨大艦の進路が、少しずつ変わります。
 
フジハラ
「牽引部隊を、何としても守るんだ。」
 
残存ロボット、搭載艇、搭載機から、
必死で輸送軍を守る、空陸軍と海軍航空隊。
 

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【地上 陸軍旗艦 ≪野花南≫ ブリッジ】
 
ミサキ(第1師団長・IDMA)
「行ける。
 
 町からは、外れた。
 
 対空は続けろ!」
 

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【空中 輸送軍旗艦 ≪礼文≫ ブリッジ】
 
ハゼンリ(中央即応集団司令・IDMT)
「離脱する。
 ワイヤー切れ!」
 
トミグス(輸送中央隊・IDMT)
『巻き込まれぞ。
 
 各艦退避』
 
輸送軍、各艦艇が、離れたのを見ると、
ゾフィはもう一度、巨大艦を一押しして、
スパーク・ショットを、放ちます。
 
命中部分から、爆発・消滅する巨大艦。
 
やがて、小ブロック数個になった、元巨大艦が、
地上に激突する時に、バリアを張ると、
町の無事を見届け、空に去りました。
 

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【UST作戦室】
 
思わずため息が漏れる一同。
 
フジハラ
「これで撤退。
 
 せめて、一息ついてくれれば、良いのだが。」
 
画面上のロポス部隊は、去りましたが、
各地ではまだ、戦闘が続いていました。
 
【第172話・終わり(続く)】

 
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