第078話 『フェニックスの神話』

 
灼熱鳥獣 タイザー 
毒ガス怪獣 ゴラトドン 
カプセル怪獣 ノイザー 

     

もし、ウルトラセブンの最終回のあと、
TVでゾフィが始まっていたら?の妄想ストーリーの第078話。

 

ナワテとクロスは、出張でペルーに飛びます。

そこの熱病事件を解決…との事だったのですが!?

 
【UST=防衛チーム】
 
ユルガ(隊長)
ゴウリ
ナワテ
ユリコ
ヒデコ
クロス
 
【IDM=地球防衛機構】
 

(Bチーム=情報技術班)
シズカ(班長)
ユウキ
ドノバ
アカイ
リオ
ユウ
 
カジ(UST参謀)
 
マキノハラ(科学センター・所長)
 
【その他・ゲスト】
 

アンヘラ・ナバロ(IDMペルー連絡員)
 

【クエレゾ村 住民】

 

ボウィト (長老)
トトラボ (村長)
アンド (村長の妻)
トボロ (村長の長男)
トボラ (村長の長女・故人)
ノヌナネ
ムイヤ

 

 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*

   
【極東基地内 地下格納庫
 ≪ア-ク2号≫ コクピット】
 
クロス
「ナワテ、クロス両名、準備完了。
 ≪ア-ク2号≫、発進願います。」
 
OKサインを出し、頷き合う、
ナワテとクロス。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
地下格納庫内の通路を、移動していく≪アーク2号≫。
 
1、2、3のゲートを、通過すると、
4のゲートの前で止まり、今度は上がっていきます。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【渋霧山 大比谷 (しぶきりやま おおびだに)】
 
谷の底がスライドして、発進サイロが現れると、
青い、スタートランプが点り、
轟音と噴煙を上げながら、発進して行く≪アーク2号≫。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 

 
【UST作戦室】
 
その様子をスクリーンで見ている、残り一同。
 
ゴウリ
「たーまやー…」
 
ヒデコ
「気を付けてねー。」
 
ユルガ
「さ、我々も出動するぞ。」
 
ゴウリ、ユリコ、ヒデコ
「了解。」
 
リオ
「いってらっさい。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【上空 ≪ア-ク2号≫ コクピット】
 
資料を見ているナワテ。
 
ナワテ
「うーん、なんとなーく、
 想像はつきそうな、事件なんだけど。」
 
クロス
「海外ですからねえ。
 
 勝手が違うでしょうし。」
 
ナワテ
「そうなんですよ。
 
 現地が協力的か、非協力かで、
 こう言うのは180度、違っちゃうから。
 
 ケンカ腰だったら、やだなあ。」
 
クロス
「まさか、そこまでは…。
 
 まあ、我々は出来る事を、するだけですよ。」
 
ナワテ
「そ、そうですよね。
 考えてもしょうがないし。」
 
クロス
「でも、考えちゃうんでしょ?」
 
ナワテ
「ま、まあ、性分みたいな物でして。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【ペルー中央部 リマコチャ】
 
着陸している≪アーク2号≫の脇で話す、
ナワテ、クロスと、ペルー連絡員アンヘラ。
 
アンヘラ・ナバロ(IDMペルー連絡員)
「ここからさらに、南東に行ったところの村です。
 
 方言等は、既に入力済みなので、
 翻訳は、問題無いはずですが、
 なにぶん少数民族で、閉鎖的なので、
 うまくやって、下さいね…。」
 
ナワテ
「い、い、嫌な予感しか、しない。」
 
アンヘラ・ナバロ(IDMペルー連絡員)
「事件解決されれば、信頼されますので。」
 
ナワテ
「順番、逆にして欲しいですよ。
 解決するには、信頼が必要でしょ?
 
 終わった後になって、信頼されても、
 ぼくらもう、帰るだけなんで…。」
  
アンヘラ・ナバロ(IDMペルー連絡員)
「必要な物などは、なるべく協力しますんで。」
 
ナワテ
「丸投げ…」
 
助けを求めるかのような、視線で、
唖然とこちらを向く、ナワテの顔を見て、
思わず苦笑する、クロス。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*

 


 
【科学センター】
 
ヒサマツ(第5研究室長・科学センター)
「クエレゾ?
 そりゃ、オラギセラ族の村です。
 
 そりゃあ、また、変わったとこ行きますね。
 私が行ければ、ついて行きたかったくらいだ。」
 
カジ
「いや、もちろん仕事の、出張なんですがね。
 
 何でも現地で、熱病が流行ってるそうなんですが、
 どうも単純な流行感冒とも、思えない節があって。
 
 それで怪事件相当で、事件解決のため、
 防衛機構に要請があり、相互援助で、
 ペルーから、日本へと言うわけで。」
 
マキノハラ
「単純な、怪獣退治とかならともかく、
 厄介そうな事件じゃ、無いのかね?
 
 2人だけで、大丈夫かな?」
 
カジ
「ま、厄介と言えば、この類は、
 1日2日で解決するとも、思えませんが。
 
 とは言えこちらも、これ以上人員を割くのはね。
 
 今、毒ガス怪獣出現で、立て込んでますし。」
 
マキノハラ
「あっちを立てれば、こっちがか。
 
 ま、ナワテ君とクロス君なら、大丈夫だろう。」
 
カジ
「だと、良いんですが…」
 
マキノハラ
「なんだね?
 
 大将が部下を、信じてやらんと。」
 
カジ
「そ、そうですよね。
 
 だ、大丈夫かなあ。」
 
ヒサマツ(第5研究室長・科学センター)
「あんまり信じて、無いですね…」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【ペルー山間部 クエレゾの村】
 
着陸している≪アーク2号≫。
 
トトラボ
「この村の村長だ。
 
 事件解決してくれるのは、ありがたいが、
 神を怒らせるような、余計な真似は、
 くれぐれも慎んで、いただきたい。」
 
ナワテ
「き、気を付けます。」
 
ボウィト
「この村の前の長をしておった、年寄りだ。
 遠路はるばるの、客人に感謝する。
 
 トトラボは、悪い人間では無いし、
 間違ってはいないんだが、物言いがちょっとね。
 
 ま、気にせんでやって、いただきたい。」
 
ナワテ
「は、はあ。」
 
その後、村長の妻アンド、長男トボロ、
村長の片腕で村のまとめ役のノヌナネや、
長老の息子のムイヤなど、村の主要人物を紹介されます。
 
その後、事件についての話を聞き、
簡単にこの地を回って把握すると、初日は終わりました。
 
【≪アーク2号≫ コクピット】
 
ナワテ
「≪3号≫ならいつもの、遠足気分だったんだけど、
 滞在には≪2号≫は、狭いですねえ。」
 
クロス
「まあ、遠足に来たんじゃ、ないんですから。
 なんなら外で寝たって、危険はまず無いし。」
 
ナワテ
「そうそう、広いだけなら、
 外にテーブル出しした方が、良いんだけど、
 
 そうなると機器使ったり、連絡のたびに、
 一々機内に、戻らないとですし…」
 
クロス
「ナワテ隊員、愚痴ばっかりじゃ無いですか?
 前向きに考えて、下さいよ!」
 
ナワテ
「ああー。
 
 心配が気持ちに、なっちゃってるかなあ。
 いかんいかん!」
 
クロス
「おいしいコーヒーでも、入れますから。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
翌日、さらに現地調査と、数人の聞き込みで、
熱病の原因は、ある程度ですが絞れてきました。
 
クロス
「やっぱり、科学調査に関しては、
 ナワテ隊員がいてくれると、心強い。」
 
ナワテ
「変な心配しないで、最初っから、
 淡々と科学調査してれば、良かったんだよな!
 
 なにやってんだ、ぼくは。」
 
クロス
「ゲンキンだなあ。」
 
ナワテ
「ま、半分はユウちゃんの、おかげなんだけどね。
 
 ただ心配なのは…」
 
クロス
「怪獣… ですね。」
 
ここまでの調査で、熱病の原因物質は、
おそらくこれであろうと言うのが、特定出来ました。
 
ただそれは、動物とも鳥類ともつかない、
未知の生物の物であり、
それはこの村で、信仰されている神の使いの、、
炎の不死鳥のイメージに、近かったのです。
 
クロス
「今年に入ってからも、この鳥獣は、
 村で何度か、目撃されているそうです。
 
 火山を住みかとして、熱に強く、
 出現時には、熱波が起きている。
 
 この生物が、熱病の引き金と考えると、
 辻褄もイメージも、あいます。
 
 が…」
 
ナワテ
「村長が言ってた、村の守り神の、
 火の山の鳥の神様とも、バッチリ一緒なんだよなあ。
 
 これだから、迷信を信じている、
 地方の村の人は、やりにくいと言うか。
 
 何でこんなのを、信じられるんだか?」
 
クロス
「とは言え、出現しただけで、
 これだけ気温が、上がるんですから。
 
 万が一、直接の原因が違っても、
 いられるだけで、病気悪化しません?
 
 下手すれば、干ばつだ。」
 
ナワテ
「神の使いとは別に、コイツは怪獣だって事にして、
 次に現れたら、とっととやっつけちゃうか?」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
そして、火山の中に住んでいると思われる、
怪鳥獣を追うべく、発進した≪アーク2号≫は、
火口付近で怪獣を発見、攻撃をかけます。

 


 
が、程なくして火山の中に逃げられ、
取り逃がして、しまいました。
 
ナワテ
「ちょっとやっつけるか…程度の、
 片手間仕事じゃ、無理だな。
 
 思ったより、手ごわい。」
 
クロス
「地の利は圧倒的に、あっちにありますからね。
 
 火の鳥と火山で、戦うんですから。」
 
ナワテ
「何か一つ二つ、戦略考えないとダメだな。」
 
思案する2人ですが、案の定、
村長が激怒して、抗議に訪れます。
 
村の守り神の、火の鳥様に何をするんだ!
と言うわけです。
 
ナワテ達は、あれは神様でも守り神でも無く、
今回の熱病の、原因になった怪獣だ。
と、
一生懸命、説明しますが、
村長はほとんど、聞く耳を持ちません。
 
そんなはずがあるか!
我々はずっと守られていた!
よそ者に何がわかる!
と言うわけです。
 
結局、ほとんど物別れに終わり、
村長は、
「また神の火の鳥に手を出したら、ただじゃすまん!」
と、一方的に言って去ります。
 
途方に暮れる、ナワテとクロス。
 
ナワテ
「どうしましょう?
 
 原因がわかってるのに、手を出すな!じゃ、
 解決なんか、出来っこない。
 
 思い切って、かまわず、
 怪獣を、倒しちゃいますか?
 
 先にやっつけて、熱病が引けば、
 嫌でも事実を、認めざるを得ないでしょう?」 
 
クロス
「いや…
 強硬手段はするにしても、最後にしましょう。
 
 何かもう少し、穏やかな方法は無いか…。」
 
そんな時、
先の長、長老ボウィトが訪ねて来ます。
 
ナワテ
「ええ、ええ。わかってますよ。
 
 神の火の鳥に手を出すな!
 でしょ?」
 
ボウィット
「いや… わしはそうとも思わん。
 
 思わんのだが…」
 
ボウィットの話しは、以下のような物でした。
 
実は村長の話しは、村の総意では無く、
神の火の鳥を、どれだけ信じるかは、
人によって、温度差があると言う。
 
ナワテ
「そう言われると、少し安心と言うか。
 
 まあ、でも、本来、
 そう言う物ですよね?」
 
ボウィット
「その中でも村長は、神の火の鳥を、
 最も強く、信じている一人でな。」
 
クロス
「それは何か、理由が?」
 
村長がまだ、若かった頃、
村長の長女トボラが、熱病にかかった。
 
その時、村に来ていた巡回医が、
薬で治すと言うので、頼ったが、
思うようには治らず、金だけとられ、
最終的には消えてしまい、トボラも亡くなった。
 
その後、長男のトボロが再び熱病になったが、
この時は医者を呼ばず、神の火の鳥に祈ると、
家の周りが熱くなり、それで何度も汗をかき、
最終的には、治ったと言います。
 
それ以来、すっかり村長は神の火の鳥を信じ、
医者や科学を、信じなくなったと言う。

 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
ボウィット
「一時的に悪くなっても、信じ続ければ、
 最後には良くなると、言ってなあ。」
 
クロス
「それは…
 
 そう言う事なら、気持ちはわかるけれど…」
 
ナワテ
「そりゃ、偶然ですよ。
 
 そんなの、何の保証も無いですよ!」
 
ボウィット
「わしもそう思うし、何度か話したが…
 
 言って、はいそうですか。と、
 信じる物でも無い。」
 
クロス
「こりゃあ… 難物だなあ。
 
 するとその長男も、神の火の鳥を信じて?」
 
ボウィット
「トボロか?
 
 それが意外な事に、そうでもない。」
 
クロス
「ちょっと… 村長宅で、話を聞きたいですね。」
 
ナワテ
「あのう…
 
 先に怪獣、やっつけるじゃダメ?」
 
クロス
「絶対、こじれますよ、それ。
 
 第一、必ず倒せる保証、無いでしょう?
 撃ち漏らしたら、どうするんです?」
 
ナワテ
「そ、そうでした。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【山形県南西部】
 
山間を移動中の怪獣。
陸軍と≪アーク1号≫が、攻撃をかけています。
 
時々、毒ガスを噴出して、反撃している怪獣。
 
ゴウリ
「ガスと土煙で、目標が絞りにくい。」
 
ユリコ
「照準も効かないわ。
 
 思ったより厄介かも?」

 

ゴウリ

「なら、目視一択しかないな。

 日頃の腕のさえを、見せてやるぜ!」

 

ユリコ

「ちょっとゴウリさん、

 熱くならないで。」

 

ゴウリ

「信用して、ちょんまげれ!」

 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 

【UST作戦室】

 

ヒデコ

「た、隊長…?」

  

ユルガ

「どうも、今一つ…

  

 信用出来ん。」

 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
  
【村長 トトラボ宅 裏庭】
 
トボロ
「ぼくは、覚えて無いんです。
 小さかった物で。
 
 神の火の鳥のおかげ、とか言われても、
 ぼくには、わかりませんよ。」
 
ナワテ
「そ、そうだよね。
 
 よかった、マトモだ!」
 
クロス
「ナワテ隊員、マトモって言い方は…」
 
トボロ
「父の事は、尊敬していますが、
 神の火の鳥に関しては、ちょっと…
 
 信じろ信じろ言われると、かえって信じられません。
 別に神の火の鳥に、何かしてもらった事無いし。
 
 ぼくなら医者を、信じるけどな。」
 
アンド
「こう言う、調子なのでねえ。
 
 時々、ケンカになるんですよ。」
 
クロス
「奥さんはどちらを、信じているんですか?」
 
アンド
「私は夫を、信じています。
 
 神や火の鳥の事は、よくわからないけど。
 夫の事は、知っていますから。」
 
クロス
「それも一理かなあ。」
 
トボロ
「そんな事、無いよ!
 母さんは父さんの事を、ただ信じているだけだろう?
 
 そんな、人任せに依存しないで、
 ちゃんと自分の頭で、考えれば良いんだよ。」
 
アンド
「これですから。
 
 すっかり口だけは、達者になっちゃって。」
 
クロス
「医者だから、信じていないってわけじゃ、
 ないんですね?」
 
アンド
「ま、まあ、そう言われれば。」
 
クロス
「今もこの村に、熱病の方はいますか?」
 
アンド
「え、ええ。
 
 何人かは。」
 
クロス
「ナワテ隊員、怪獣退治の前に、
 もう少し、ハードルの低い事で、
 出来る事を、やってみたいんですが…」
 
ナワテ
「なんです?」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【B班作戦室】
 
ユウキ
「了解しました。
 
 現在、
 対毒ガス怪獣でも、半分人手を割かれているし、
 そう言う事なら、科センにも、
 改めて応援を、頼んでみます。」
 
クロス
『お願いします。
 こっちじゃ専門的な、分析が出来くて。
 
 データーは、送れるんですが。』
 
ユウキ
「それで十分ですよ。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【火山の中】
 
溶岩のそばで、じっとしている鳥獣。
 
 

 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆

にほんブログ村 テレビブログ 特撮へ にほんブログ村  特撮ランキング