第175話 『陽子電竜スタリオンの逆襲』  (Bパート)

 

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【秦塚栖(はだづかす) 山道】

 
地面が盛り上がり、現れる怪獣。
避難移動中の病院の患者、職員が逃げます。
 
必死に前進するナワテが、レーザーを撃ちながら応戦。
グレネードを発射して、注意を向けようとします。
 
ナワテ
「はっ、早く来て下さい。
 
 ぼく一人じゃ、とても持ちません!」
 
クロス
『その辺って、財団部隊がいませんか?
 
 いたら助勢を…』
 
ナワテ
「いますよ!
 いましたけど、相手にしてくれませんよ!
 
 目標怪獣じゃないと、わかったら、
 ケンもホロロに、行っちゃいました。」
 
ユリコ
『エーテルのやつじゃ無いの?』
 
ナワテ
「違います。
 多分、偶然出て来た、別の奴です。
 
 でも、避難する人を、狙ってるっぽいんですよ。
 やり過ごせない。」
 
ゴウリ
『くそぉ…
 
 味方怪獣は攻撃して、人命はほったらかしか?
 なんて奴らだ。
 
 流れ弾だとでも言って、一発お見舞いするか?』
 
ユルガ
『バカな事を、言うな!
 ナワテのところに、急ぐんだ!』
 

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【UST作戦室】
 
ヒデコ
「何か…
 現場、剣呑として、殺気立ってます。」
 
カジ
「こっちだって、聞いてるだけで腹は立つ。
 
 気持ちはわかるよ。」
 
入って来るシズカ班長。
 
シズカ
「エーテルの奴も出ます。
 
 探知も何も、今度はすごいエネルギーです。」
 

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【秦塚栖(はだづかす) 西方山地】
 
山壁が崩れ、現れるスタリオン。
 
少し手前に、財団部隊がいます。

 


 

ニール・エヴァン(遠征隊長)
「よし、展開。
 落ち着いて、作戦通りにやるぞ。
 
 エネルギーを使わせ、弱らせてから攻撃、
 とどめは刺さずに、確実に捕獲だ。
 
 我々の未来が、かかっている。
 しっかりな。」
 
スティーブン・マレー(戦闘隊長)
「任せて下さい。
 作戦開始だ!」
 

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【UST作戦室】
 
ヒデコ
「スタリオン、現れました。
 
 少し西方ですが、近いです。
 財団部隊が、攻撃の様子。
 
 我々も戦力を割いて、攻撃しますか?」
 
カジ
「山道が片付かなければ、行けん。
 
 民間人の、人命確保が先だ。」
 
ヒデコ
「それが…
 西側にも何人か、いるようです。
 
 こっちは多分、特養から移動中の人達が。」
 
カジ
「やむを得ないが、こんな時に。
 
 財団部隊に、確保を頼めんか?」
 
ヒデコ
「…
 
 ダメです。
 攻撃を優先すると、言っています。
 
 それが結局、人命救助にもなると。
 
 どうしましょう?
 空軍は?」
 
カジ
「人命救助を先に片付けなければ、攻撃出来ん。」
 

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【秦塚栖(はだづかす) 西方山地】
 
小型の無人戦闘メカ、車両が遠巻きに攻撃。
 
が、
前に出た物は、怪獣の攻撃で吹き飛びます。
 
さらに、中型の戦闘メカ、車両が波のように、
攻撃をかけては引き、再び攻撃します。
 
スティーブン・マレー(戦闘隊長)
「それで良い。
 まずは疲れさせるんだ。
 
 相手は一体。
 体力も無限じゃない。
 
 必ず限界が来る。」
 
ピーパー・ブレナー(遠征副隊長)
「やはり、攻撃したほうが良い。
 怪獣はこちらに釘づけで、人は助かる。
 
 感謝して欲しい物だね。」
 
ニール・エヴァン(遠征隊長)
「残機数は?」
 
スティーブン・マレー(戦闘隊長)
「まだ、大丈夫です。
 
 現在のペースなら、計算通り、
 充分以上、余裕があります。」
 

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【秦塚栖(はだづかす) 山道脇】

 
病院患者を逃がしながら、怪獣と戦っているUST。
クロスは、轍にはまった車椅子の、脱出を手伝います。
 
ゴウリ
「誰か一度、≪アーク≫まで戻れ。」
 
ナワテ
「リモートレーザー、エネルギーが無い。
 ぼくが行きます。」
 
ユリコの攻撃で、大きな爆発が起こり、
怪獣は一度ひるんで、別方向~
スタリオンと財団部隊の、戦闘地域に移動を始めます。
 
ユリコ
「や、やった!」
 
ゴウリ
「上手いぞ!
 
 このままなら、あっちの怪獣とかみ合わせられる。」
 

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【秦塚栖(はだづかす) 西方山地】
 
一方、財団部隊も、その様子に気が付きました。
 
スタリオンのエーテルストリーム掃射で、
手前の部隊が、吹き飛んだところでした。
 
スティーブン・マレー(戦闘隊長)
「怪獣同士を戦わせて、弱ったところを狙いましょう。
 大丈夫とは、思いましたが…
 
 このまま消耗戦では。」
 
ニール・エヴァン(遠征隊長)
「よし、それで行こう。」

 


 

 
が、戦い始めるかと思った、2体の怪獣は、

スタリオンのエーテルストリームに、ひるんだ怪獣が、
程なくして背を向け、終了してしまいます。
 
ユリコ
「物別れだわ。
 
 民間人に近い方に、回り込んで、
 そっち優先的に、攻撃しましょう。」
 
ゴウリ
「財団部隊、邪魔だ!」
 
必死に移動するゴウリ、ユリコ、少し遅れてクロス。
 
辺りは財団部隊の攻撃、交戦に加え、
怪獣の出す炎、エーテルストリームで、
徐々に、火事になっていました。
 
ユリコ
「≪アーク≫が来たら、先に消火してもらわないと…」
  

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ニール・エヴァン(遠征隊長)
「怪獣もUSTも、役に立たんな。
 
 少々賭けだが、もう仕掛けるか?」
 
スティーブン・マレー(戦闘隊長)
「賛成です。
 
 これ以上戦況変化が、無いようなら、
 余力のあるうちの方が。」
 
ニール・エヴァン(遠征隊長)
「何体行ける?」
 
スティーブン・マレー(戦闘隊長)
「現在の残機数なら…4体は。」
 
クレイトン・ベルナルド(監査顧問・弁護士)
「計算上は十分なはずだ。」
 
ニール・エヴァン(遠征隊長)
「よし、行け!」
 
スイッチを入れると、中型のメカが次々にドッキング。
怪獣と大差ない大きさの、ロボットになります。
 
それが4体、組み上がりました。
ランプが光り、起動を始めると、
一斉砲火で、スタリオンに攻撃をかけます。
 
ゴウリ
「馬鹿野郎!
 これ以上、流れ弾を増やして、どうすんだ!
 
 10分や20分、なぜ待てねえ!」
 
クレイトン・ベルナルド(監査顧問・弁護士)
『それはそちらの都合で、こちらに待つ義務はない。
 
 それに、
 最短で怪獣を倒した方が、結局は安全だ。』
 

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エーテル・ストリームで、軽く掃射するスタリオンですが、
4体のロボットは、電磁シールドを張り巡らし、
跳ね返します。
 
が、それが跳弾して、さらに火災が起きます。
 
クロス
「だめだ、このままじゃ。」
 
一度木立に隠れ、ウルトラホープを出すクロス。
フラッシュさせると、閃光と共にゾフィが現れます。

 


 

とっさに体を盾にして、民間人をかばうゾフィ。
背中に当たり、爆発が起きます。
 
ゾフィはそのまま、両手の間に赤い球体を作り、
民間人を包むと、飛び始めます。
 

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少し離れた場所に降りると、解除、
再び飛び立ち、地底怪獣の方に着地。
 
そちらの、逃げ遅れた人の前に立つと、
地底怪獣を、押し戻します。
 
襲おうとしていて、邪魔された怪獣は怒りますが、
ゾフィにつかんで持ち上げ、投げ飛ばされ、
M87光線を受け、爆発します。
 

 
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スタリオンVSロボット。

 
接近していく先の2体が、スタリオンと格闘戦になります。
 
ニール・エヴァン(遠征隊長)
「行けるぞ。
 予想通りに、互角以上だ。
 
 ドッキングすれば、光線も怖くない。」
 
スティーブン・マレー(戦闘隊長)
「これなら、遠巻きで疲れさすなんてせず、
 最初からやってれば、よかったですね。」
 
クレイトン・ベルナルド(監査顧問・弁護士)
「そりゃ、結果論ですよ。
 
 どのくらいで、どの程度疲れるか?
 結局はやって見ないと、わからないですから。」
 
ピーパー・ブレナー(遠征副隊長)
「ツノを狙って下さい。
 
 そこから光線を出すんだ。」
 
後方2体のロボットが、ミサイル、レーザーで、
頭部を集中攻撃し、ひるんだところで、
組みかかった2体のロボットが、力任せにつかみ、
ツノの1本を折ります。
 
ニール・エヴァン(遠征隊長)
「よし!
 あと一息だぞ。」
 
が、ロボットを振りほどくと、
1本のツノから、エーテルストリームを放射。
 
1体のロボットの、電磁シールドを突き破り、
爆発が起こります。
 
さらに、一瞬、
動きが止まった、手前のロボットをつかみ、
ハサミで頭部を叩き壊し、投げ飛ばして破壊します。
 
咆哮を上げるスタリオン。
 
あっけにとられる財団部隊。
 
スティーブン・マレー(戦闘隊長)
「そ、そんなはずはない。
 
 なぜ、折れた後の方が、威力が上がる?」

 

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そこに、飛んで来たゾフィが着地します。

 
両者を見渡すゾフィ。
 
ニール・エヴァン(遠征隊長)
「あ、あの巨人が、味方してくれれば…」
 
クレイトン・ベルナルド(監査顧問・弁護士)
「ここで取り逃したら、全てが無駄になる。
 
 どんな犠牲を払っても、確保するんだ。
 この際、怪獣を殺しても良い。」
 
2体のロボットがミサイル、レーザーを、
全力発射しますが、
スタリオンの、エーテル・ストリームは、
それら通常兵器の、一斉攻撃を跳ね返し、
シールドを破って、さらに1体に命中。
爆発が起こり、破片が飛び散ります。

 


 

クレイトン・ベルナルド(監査顧問・弁護士)
「やむを得ん。
 
 反応弾を使いたまえ。」
 
ピーパー・ブレナー(遠征副隊長)
「あ、あれは、いくら何でも違法…」
 
クレイトン・ベルナルド(監査顧問・弁護士)
「結果さえ出せれば、後は何とでもなる。
 リターンは無限大。
 
 だが、失敗すれば、すべて終わりなんだ。」
 
スティーブン・マレー(戦闘隊長)
「わかりました。
 
 使いますよ?
 本当に良いんですね?
 
 私の責任じゃ、無いですからね。」
 
最後の一体の、ロボットの胸部が開くと、
黄色と黒の弾頭が、顔をのぞかせ、
ランプが光ると、発射体制に入ります。
 
が、その様子を見た、ゾフィは、
ネオアタックビームを掃射。
 
ロボットに爆発が起こり、沈黙します。

 


 

クレイトン・ベルナルド(監査顧問・弁護士)
「な、なぜ…?
 
 この巨人は、怪獣の味方なのか?」
 
低く唸っていた、スタリオンは、
ゆっくりと、財団の方に向き直ると、
エーテル・ストリームを発射。
 
が、今度はゾフィは、その前に立ち、
両手を広げて胸で受け止め、防ぎます。
 
再び、低く唸るスタリオンでしたが、
そこで背を向けると、地面に潜り始め、
地中に姿を消します。
 
避難完了で戻り、見守っていたUSTと、
財団部隊を残して、空へ飛び去るゾフィ。
 
≪アーク1号≫が、やって来ます。
 
ナワテ
『あ、あれっ!?
 
 あれれれ?』
 
ゴウリ
「遅い!
 
 馬鹿ッ!」
 
ナワテ
「すみません!」
 
ユリコ
「そんな事、無いわ。
 火を消してちょうだい。」
 
ナワテ
『了、了解。』


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【UST作戦室】
 
ヒデコ
「相変わらず、反応は完全に皆無。
 
 今度こそ、かなり深く潜ったようで、
 負傷やエネルギー消費と、合わせて考えても、
 当分出て来ないだろうと、B班も太鼓判です。」
 
クロス
「エーテル怪獣は、一段落ですね。
 
 しかし、メルコン財団連合のほうは…」
 
カジ
「武器の過剰持ち込み、使用。
 それに人命軽視。
 
 どうせまた、法的にはうまく立ち回るだろうが、
 最大限、軽く済んでも、
 これで印象は、だいぶ変わるだろうな。」
 
ユルガ
「財団生命を賭けて挑んだ、部隊・装備が、
 ほぼ全滅して、成果はゼロですから、
 金銭的損失も、相当じゃ無いですか?」
 
ユリコ
「全部失っても、エーテルの秘密さえ手に入れば、
 おつりはいくらでも…
 くらいの、計算だったんでしょうけど。
 
 こうなるとなんだか、ちょっと気の毒ね。」
 
ゴウリ
「冗談じゃないぜ!
 何で、あんな奴らの肩を持つんだ。
 
 自分達の、損得しか考えてない、
 ただの利己主義の、冷血漢だろ?
 
 それを法律で守るとか、一番いけ好かないぜ。」
 
入って来る、ナガサウラ参謀。
 
ナガサウラ
「気持ちはわかる。
 気持ちはわかるよ。
 
 だがね、彼らはそもそも、
 ずっとそれを、されていたんだ。」
 
ユリコ
「どう言う事ですか?」
 
ナガサウラ
「彼らは他国から、体よく使われ…
 
 悪く言えば利用され、搾取され、
 窮状や不公平を訴えても、法に阻まれ、
 悔しい思いを、し続けて来た。
 
 金が無く力が無く、法を味方に出来なければ、
 何をやってもダメだと、そう思ったんだろう。
 
 それなら自分達が、そのやり方を身につけ、
 同じ以上に、なってやる。
 そんな風に奮起したのが、始まりと聞いている。
 
 ああ、謝電が来とるよ。
 迷惑をかけ、お騒がせした。
 大変申し訳なかったと。」
 
ユルガ
「なんにでも、そうなった理由はある物ですね。」
 
ナガサウラ
「そう言う事だ。
 
 良いとか、悪いとか、誰から見てどうとかは、
 また、別問題としてね。」
 
ゴウリ
「じゃ、今度来た時は、
 飯でも一緒に、食いますか?
 日本の上手い飯を。
 
 っと、腹減ったな。
 
 よおーしっ、皆さん、もう切り良くお昼に…」
 
カジ
「はいはい、皆さん、お昼はまだですよ!」
 
その一言で、苦笑しながら、
仕事に戻るUSTでした。
 
【第175話・終わり】

 
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