第075話 『臨海防衛命令(後編)』

 
球形海獣 ワースター 

地底怪獣 サイドライン 

頭足怪獣 ペルゲロス

     

もし、ウルトラセブンの最終回のあと、
TVでゾフィが始まっていたら?の妄想ストーリーの第075話。

 

九州南部に出現した、2大怪獣と、

UST、海軍が、攻防戦を繰り広げています。

 
【UST=防衛チーム】
 
ユルガ(隊長)
ゴウリ
ナワテ
ユリコ
ヒデコ
クロス
 
【IDM=地球防衛機構】
 

(Bチーム=情報技術班)
シズカ(班長)
ユウキ
ドノバ
アカイ
リオ
ユウ
 
カジ(UST参謀)
 
マトバ(防衛海軍参謀・IDMN司令)
 
【その他・ゲスト】
 
高田忠治(畳宝崎市 市長)

 

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【これまでのお話し】
 
太平上場に現れた怪獣は、離島を経由し、
やがて鹿児島、南部、
畳宝崎(じょうほうざき)市に、やって来ます。
 
USTは、海軍や町と連携して、
町の防衛~怪獣迎撃に当たろうとしますが、
考え方の違いから、スムーズに行きません。
 
そんな時、地震、さらに台風が来ると知り、
町は怪獣迎撃より、自然災害対策を優先しようとします。
 
が、そのタイミングで現れてしまう怪獣。
USTは、山側から現れた地底怪獣を防ぎ、
海軍は、海底怪獣を倒しますが、
地底怪獣には、逃げられてしまいます。
 
そして、台風がやって来ます。
 

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【畳宝崎(じょうほうざき)沖 海上】
 
海上を航行する、駆逐艦≪筒鳥≫(ツツドリ)。
同じく、駆逐艦≪駒鳥≫(コマドリ)とすれ違います。
 
『異常無し』
 
『こちらも異常ありません。』
 
その様子を沖で見る、潜水母艦≪大室≫(おおむろ)。
 
サド(第1潜水戦隊司令・IDMN)
「一度、倒したとはいえ、
 ここに怪獣が、現れたと言う事は、
 また同タイプの怪獣、さらに別の怪獣だって、
 現れる可能性は、あるんだ。
 
 くれぐれも、油断するなよ。
 今、何かあったら、町の被害は甚大だ。」
 

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【UST作戦室】
 
高田忠治(畳宝崎市長)
『ご覧の取り、町は現在甚大な被害を受け、
 生存者の救助と、避難で手一杯です。
 
 怪獣から守っていただけるのは、ありがたいが、
 正直、怪獣どころじゃない。
 
 道路もそこかしこで寸断、冠水していて、
 飛行場も、せいぜい、
 中・小型のヘリ運用が、精いっぱいで、
 飛行機は使えない。
 
 今は唯一の海路で、重機輸送や搬送を行い、
 何とか、対処している所です。』
 
カジ
「わかりました。
 
 そう言う事なら輸送軍が、お役に立ちましょうが、
 我々ではほとんど、出来る事は無い。
 
 怪獣が現れたら、迎撃対応しますが、
 それまでは、お邪魔しません。」
 
高田忠治(畳宝崎市長)
『勝手言ってすみませんが、くれぐれもお願いします。
 
 今は、出るか出ないか、わからない怪獣より、
 救助物資が欲しいし、
 関係無い、部隊や機材に来られて、
 街中を余計に、陣取られたくない。』
 
映像通信が消えます。
 
ゴウリ
「クッソォ。
 口調は抑えめだが、本当に勝手だな!」
 
ユリコ
「あら、あんなもんじゃないの?
 
 市長の立場なら。」
 
ナワテ
「ですねえ。
 
 特別間違った事も、失礼な事も、
 別に言っては、無いですし。」
 
カジ
「輸送軍と自衛隊は、現地では大忙しのようだが、
 我々は我々で、出来る事を考えよう。」
 
ユルガ
「地底となると、また厄介だが…
 
 当面は哨戒を、密にするしかないな。」
 
ヒデコ
「拠点どうしましょう?
 
 畳宝崎(じょうほうざき)は論外として、
 近隣の市町村も、ご迷惑ですよね?
 
 今回は、とりあえず出張ってから、
 現地で考える的な、行動だと。」
 
カジ
「一応、北熊本に第8師団がある。
 そこなら、大抵の補給は受けられる。
 
 まあ、≪アーク2≫≪3≫なら、
 海上にいられるからな。
 
 燃料や食事くらいなら、
 海軍の補給艦からで、行けるだろう。」
 
ゴウリ
「うええ。
 
 最悪だと宿なしか。」
 
ユルガ
「現地で被災されてる方々は、それどころじゃ無いんだ。
 こんな時にぜいたくは、言ってられんよ。」
 
ゴウリ
「そ、そうですね。」
 

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こうしてUSTは、海上を拠点にし、
畳宝崎(じょうほうざき)山間部を中心に、
怪獣探査を始めますが、中々手掛かりがありません。
 
その間にも、2度3度と地震があり、
台風後の地盤が崩れては、被害が出ていました。
 
【海上 ≪アーク3号≫ コクピット】
 
ナワテ
「やっぱり上からじゃ、限界があるなあ。
 
 なんとか、チョコっとだけでも良いので、
 地上から、探査したいなあ。
 チョコっとだけでも。
 
 欲を言えば≪エル≫で、潜りたいんですが。」
 
ユリコ
「こんな時に、地中に潜るなんて言ったら、
 それこそ市長、湯気吹かない?
 
 ただでさえ地盤が、弱い時なのに。」
 
ナワテ
「ですよねえ。
 
 しっかし、こっちの立場としては…
 
 うわ~ん、困ったなア。」
 
ゴウリ
「そこで何とか、名案は無いのか?」
 
ナワテ
「いや、探査機使えばわかるって時に、
 それを使わないで、名案と言われても。」
 
ヒデコ
「B班から連絡です。」
 
ゴウリ
「お!
 あっちの方が、役に立つぞ!」
 
ヒデコ
「怪獣の所在は、断定出来ないそうなんですが…」
 
ナワテ
「ほらー!」
 
ヒデコ
「どうも、一連の地震の一部は、
 怪獣が起こしている、可能性があると。」
 
ナワテ
「な、なんですと!?」
 

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シズカ
『最初の時にも、地震の後、
 あるいは地震と共に、現れましたよね。
 
 怪獣が、地底移動する時や、
 何らかの理由で、
 自分に有利な状況を、作ろうとする時、
 周囲に振動を与え、
 結果的にそれが、地震になっているのではと?
 
 エネルギーが強い割に、表層的で、
 周囲にはあまり、広がっていない。
 
 自然の地震も、あったかも知れませんが、
 地底怪獣、出現後の地震は、
 怪獣が原因の、可能性があります。』
 
ユルガ
「すると…
 その予測が、当たっていたら、
 怪獣を倒さない限り…」
 
シズカ
『はい。
 再び地震が、起こる事になります。』
 
ゴウリ
「そうとなると、町に遠慮ばかりもしてられない。
 
 早く何とか、見つけないと。」
 

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こうしてUSTは、市長に事情を話し、
比較的、怪獣潜伏の可能性が高く、
町への影響が少ない、山間部限定で、
≪エルグランザー≫で、地中探査を行います。
 
市長は半信半疑で、快諾ではありませんでした。
最初は調査がしたくて、嘘を言っているのではないか?
そう疑われても、証拠は無いだろう?
くらいの勢いでした。
 
が、ユルガ隊長、さらにシズカ班長、ユウキが、
データーを示しながら、説得を続けると、
海上輸送が、うまく回りだした事もあり、
最後はUSTの活動にも、理解を示し始めました。


 
高田忠治(畳宝崎市長)
『わかったよ。
 そこまで言うなら、山岳部限定で許可しても良いが。
 
 万が一にも何かあったら、君達の責任だからね。
 君達自身が、そう言ってるわけだからね。
 
 くれぐれもそこは、確認したからね。』
 
ユルガ
『充分です。
 
 譲歩いただき、ありがとうございます。』
 
映像が切れると、みんなはため息。
ゴウリは激怒して、ナワテの肩を揺さぶります。
 
ゴウリ
「 っきしょう!
 あんのクソ親父!!
 
 こっちは町のために、骨を折ってやるって言うのに、
 何でその町に、恩着せがましい事言われたり、
 嫌味ったらしい事を、言われなくちゃならないんだ!」
 
ナワテ
「痛い痛い痛い!
 
 ぼくを、揺さぶっても、
 市長に何の、ダメージも無いです。
 ぼくに、当たらないで下さい!」
 
ユルガ
「了解してくれたんだから、良いじゃないか。」
 
シズカ
「市長は、我々が町で、動けば動くほどに、
 災害対応に影響が出る、迷惑になると、
 考えてしまって、いるんでしょう。
 
 町のためを思っての、誤解ですよ。」
 
ユウキ
「ま、結局は誤った、認識ですけどね。
 広い視野での現状把握には、多大な問題がある。
 
 人間性もあるのでしょうが、古いタイプの方のようです。」
 
クロス
「ユ、ユウキさん…。」
 
ユウキ
「平時や現状維持には、良いのかも知れませんが、
 緊急時の対応には、日常とは違う、
 判断や決断が、必要です。
 
 あの市長は、そこが一番欠けている。
 まあ、器じゃ無いんでしょう。」
 
ユリコ
「そ、そこまで言わなくても…」
 
ゴウリ
「何か、怒る気が失せたわ。」
 

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ナワテとクロスによる、
≪エルグランザー≫で潜っての、地中探査。
 
地中レーダーは、目標怪獣とおぼしき影を発見しますが、
そこは何と、
畳宝崎(じょうほうざき)市の、ほぼ真下でした。

 


 
が、幸い深度は、かなりあり、
静止したまま、動きも見られません。
 
【≪エルグランザー≫ コクピット】
 
クロス
「寝てるんですかね?」
 
ナワテ
「みたいだなあ。
 
 どうした物かなあ。」
 
クロス
「ゴウリ隊員なら、
 潜って行って、やっつけようだろうけど。」
 
ナワテ
「深いですが、行って行けない事は無いです。
 深度や距離的には。
 
 でも、なあ。」
 
クロス
「今、大人しくしてて、くれてるなら、
 ほっといた方が、良いのかなあ。」
 
ナワテ
「ぼくも、そっちに賛成ですね。
 
 いつかは、対決しなきゃいけないんだろうし、
 最終判断は、隊長に聞くけど。」
 
クロス
「後になるほど、町の復旧は進む。
 急ぐメリットは、我々には特に無いです。
 
 それなら、何も今の今、
 怒り狂わせて、町に出さなくても…
 ですよね?
 
 それこそ市長に、なんて言われるか。」
 
ナワテ
「寝た子は起きるまで、起こさない方が良いですよ。
 きっと。
 
 怪獣とか、寝起き悪そうだし。」
 
クロス
「せっかく、ここまで来たんだ。
 
 監視用、レーダーポッドだけ、
 置いて来ましょう。」
 
ナワテ
「了解。
 新型の立体レーダーありますよ。」
 

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地中にレーダーを設置し、地底怪獣の動向はわかり、
それなりの成果は上げて帰還した、≪エルグランザー≫。
 
が、少しずつ上手く、回りだした歯車は、
意外な所から、トラブルに見舞われます。
 
海路の船舶が、再び怪獣に襲われたのです。
 
【極東基地 海軍本部】
 
マトバ
「どう言う事だ?
 
 怪獣は、生き延びていたのか?」
 
ユゲ(第2艦隊提督・IDMN)
「まだ詳しくは、わかりません。
 
 前回のやつなのか?
 別の怪獣か?」
 
マトバ
「とにかく、外海なら船団護衛でも、
 怪獣攻撃でも、何でも出来るはずだ。
 
 全艦隊を動員して、海路確保と怪獣攻撃だ。
 手間取るようなら俺が行くぞ。」
 
ユゲ(第2艦隊提督・IDMN)
「わ、わかりました。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
海上で怪獣に襲われた、貨物船は沈没。
 
しかし乗組員は救助され、海軍の海上艦艇は、
索敵優先から、船団護衛に変更されます。
 
一方で、機動部隊と潜水戦隊は、
怪獣の捜索を、続けていました。

 


 
ノワサカ(第3機動部隊・IDMN)
「どうも、この動きや隠密性は、
 あの怪獣っぽいが…」
  
サド(第1潜水戦隊司令・IDMN)
「まさか…
 
 自分は着底後の沈黙を、確認したんです。
 まさかあの後、再び蘇生するなんて…。
 
 同種の別個体じゃ無いですか?」
 

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【UST作戦室】
 
高田忠治(畳宝崎市長)
『聞きましたよ!
 
 前回、討ち漏らした怪獣が、
 また海で、暴れてるそうじゃないですか?
 
 今度こそ、倒していただきたいが、
 市に上げられたり、湾に来られるのは困る。
 
 それだけは絶対、避けて下さい。』
 
カジ
「討ち漏らしたかどうかは、まだわかりません。
 
 とにかく最善は尽くしますので、お任せ下さい。」
 
高田忠治(畳宝崎市長)
『お願いしますよ。
 今、市に来られたら、死活問題だ。
 
 動けない人や怪我人が、まだまだいる。
 救助の人も、ずっといるんです。』
 
カジ
「わかっています。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
が、幸いの偶然か、
怪獣は外海で、船舶につられて暴れ、
陸へ接近の様子は、今のところは見られませんでした。
 
一方で、地中探知レーダーが、
地底怪獣の活動開始を、伝えて来ます。
 
【≪アーク3号≫ コクピット】
 
ゴウリ
「まずいなあ…
 海の奴だけでも、手間取ってるのに。
 
 どこに、出そうなんだ?」
 
不安そうなゴウリですが、ナワテは意外な事を言います。
 
ナワテ
「なんか… 斜め上に上がって行く。
 
 市の中心からは、離れる。」
 
ユリコ
「え?
 
 それはこっちには、好都合だわ。」
 
ナワテ
「南南東… だいぶ外れに。
 
 ちょっと地図に、映すと…」
 
スクリーンに地図が映り、光点の移動予想地点が出ます。
 
ゴウリ
「これ… 海岸線じゃないか?
 
 何で、こんなところに?」
 
クロス
「もしかしたら…
 海上の怪獣を察知したとは、考えられませんか?
 
 それで縄張り争い、もしくは闘争本能から。」
 
ゴウリ
「そうか!
 両方を戦わせて…
 
 漁夫の利作戦か!」
 
ユルガ
「よし、海軍に連絡だ!」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆

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