第233話 『続・ファイヤー』  (Bパート)

 

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声も無く、思わず顔を見合わせる、
作戦室の一同。
 
ビ・F・ローブ・90星人の、告白により、
事情は一変して、しまいました。
 
謎の宇宙人が、地球に飛来、
なぜか地元の小動物を、攻撃していた。
と、
思っていた物が、
 
小動物こそ、元凶の宇宙人。
そしてそれは、共通の敵だと言うのです。
 
ビ・F・ローブ・90星人
「地球時間で、2日後、
 我々はもう一度、総攻撃をかける。
 
 地球人に、危害を加えるつもりはない。
 協力しろとは言わないが、邪魔はしないで欲しい。
 
 小動物の姿に、騙されてはいけない。
 あれこそ、倒さなければいけない、
 恐ろしい宇宙人なのだ。
 
 繰り返すが、彼らには交渉の余地はない。
 恨みと復讐が、最優先の価値観だからだ。
 地球のためにも、根絶やしにしなければならない。
 
 それだけ出来れば、我々は去る。
 それは約束する。
 だから、静観していて欲しい。」
 
そう言うと、ビ・F・ローブ・90星人の、
通信は切れました。
 

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思案する一同ですが、
言われてみれば、なるほど確かに、
ビ・F・ローブ・90星人の、言ってる事が本当なら、
全部、筋は通っているようにも思えます。
 
なぜわざわざ、遠い宇宙から来て、
地球の一地域の、小動物など攻撃するのか?
 
密猟者はなぜ、不審な連続死を遂げたのか?
 
ユルガ
「どうします?
 
 彼らの言う事を、信じて、
 小動物の星人全滅まで、静観しますか?」
 
ゴウリ
「でも、もし、彼らの言う事が嘘で、
 小動物は本当に、ただの小動物だったら?」
 
ナワテ
「すると、何で彼らが、
 ただの小動物を、攻撃するために来たのか?
 
 密猟者の不審死は、なんでか?
 疑問が振出しに、戻っちゃいますよ?」
 
ゴウリ
「うーん、そうかあ。」
 
クロス
「隊長、彼らの言葉が本当で、
 小動物が星人~知性体なら、
 小動物とコンタクトは、取れないでしょうか?」 
 
ナワテ
「でも、交渉の余地はない、
 恨みを忘れない、執念深い性格と?」
 
クロス
「そこはまだ、確かめてませんよ。
 
 それに、小動物が知性体なら、
 交戦中の、両者のうち、
 一方の言い分だけ聞いて、判断するのは、
 なんだかフェアじゃ、無い気がします。」
 
ヒデコ
「理屈は、そうだけど…
 
 本当に、話のわからない相手だったら、
 やっぱり、危険よ?」
 
カジ
「いや、私も…
 
 こうなると、もう一方の言い分も、
 聞いては、見たいような。」
 
ナワテ
「彼らにとっては、密猟者も我々も、
 彼らに、危害を加えようとした、
 同じこの星の、星人でしょ?
 
 やっぱり、危険じゃないですか?」
 
議論は、しばらく続きましたが、
小動物と接触、意志疎通が出来ないか?
試してみようと、言う事になりました。
 
少しでも危険を感じたら、すぐに中止と言う事で。
 
が、幸か不幸か、見つけられる事なく、
ビ・F・ローブ・90星人の、総攻撃の日の朝になります。
 

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その日、梅ヶ宮に≪アーク3号≫が着陸。
地底戦車≪エルグランザー≫で、潜ってみる事になります。
 
≪アーク3号≫の下部ハッチが開き、
発進する≪エルグランザー≫。
 
ナワテとユリコが乗り込み、鍾乳洞のさらに下、
疑わしいと思える、ポイントへ向けて、
≪エルグランザー≫は、地中を進んで行きます。
 
一方、ユルガ隊長、ゴウリ、クロスは、
もう一度地上から捜索、小動物を探します。
 
が、やがて時間となり、
ビ・F・ローブ・90星人の、総攻撃が始まってしまいます。
 
飛来した宇宙船が、光線を放ち、
地上にはファイヤー・ロック、ゾクナスが出現。
再び梅ヶ宮に、炎が広がります。


 

そして地上には、炎火獣ガカロガが現れ、
ダルトナスに、応戦を始めます。

 


 

クロス
「あの怪獣が、小動物の先兵だとしたら、
 やはり、知性があるのは間違いない。」
 
と、
クロスの目の前に、小動物が現れます。
 
クロス
「君。
 君は、本当は宇宙人なのか?
 
 ぼくの言ってる事が、わかるのか?」
 
が、小動物はそれには答えず、
逃げ始めます。
 
後を追うクロス。
 
その様子を、木々の陰から見ている、
片手杖の老人。

 
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【地中を進む≪エルグランザー≫】
 
掘り進み続けると、少し開けた場所に出ます。
 
ナワテ
「こんなところに、空洞が…?」
 
ユリコ
「外気温は、かなり高いですね。
 
 一部、削り取ったような跡もあるわ。
 人工的な物かしら?」
 
空洞内を、慎重に進む≪エルグランザー≫。
 
岩陰に何体かの、小動物を見掛けます。
 
小動物は、岩陰からこちらを見ていたり、
他の数体は、走って逃げたりしていました。
 
ナワテ
「見つけた!
 
 よし、まずは敵意が無い事を、
 連中に、示せないかな…。」
 
≪エルグランザー≫を停止させ、
発光信号を、放ちながら、
スピーカーからも、呼びかけました。
 
ナワテ
「言語形態がかけ離れていて、訳せなくても、
 少なくとも、争いに来たのでない事くらいは、
 知性体だったら、わかると思うけど。」
 
ユリコ
「野生動物でも、わかるはず…ですよね。
 
 あ、ナワテ隊員、後ろ!」
 
小動物の後ろ、洞窟の奥に、
光る巨大な、何本もの円柱があり、
人工物のような物が、見えました。
 
ナワテ
「やはり、コイツら…
 
 知性のある、宇宙人だったのか?」
 
が、その時、モニターの映像が乱れ始めます。
 
ナワテ
「あ、あれ?
 どうした?
 
 肝心な時に、故障か?」
 
ユリコ
「エンジン、掛かりません!
 
 通信も… してるんだけど、
 良く聞こえないわ?」
 
ナワテ
「こりゃ、外部だ!
 
 くそう、何かしやがったな!?」
 

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しばらく、後を追うクロスですが、
地中から不思議な、光る円柱が現れ、
小動物は、それに吸い込まれると、
そのまま地中に、姿を消してしまいました。
 
その時、ビデオシーバーが鳴ります。
 
ヒデコ
『大変です。
 ≪エル≫に何かの、トラブルが起きたようです。
 
 小動物の巣を、見つけたのかも知れませんが、
 その時に、事故にあったらしく、
 通信も、途切れ途切れで…』
 
少し迷う、クロスでしたが、
ウルトラホープを出すと、フラッシュ。
 
閃光と共に、ゾフィが現れます。


 

空に飛ぶと、Uターンし、
そのまま地中へと、突っ込んでゆくゾフィ。
  

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一直線に、地中を進むゾフィ。
 

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地中の空洞に出る、ゾフィ。
≪エルグランザー≫を発見すると、
静かに、両手に抱えます。
 
洞窟内に、何体かの小動物がいますが、
ゾフィの姿を見ると、光る円柱の中に入り、
そのまま、消えて行きます。
 
再び地上に、戻るゾフィ。
 

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地底から飛び出した、ゾフィは、
≪エルグランザー≫を、地面に置き、
ファイヤー・ロック、ゾクナスと、 
炎火獣ガカロガに向かいます。


 

 


地球防衛機構も、すでに両怪獣に、

攻撃を、開始していました。
 
ガカロガを蹴り倒すと、
ゾクナスの鞭を持って、逆に投げ飛ばします。
 
炎、火炎弾、熱線で攻撃する両怪獣。
それをバリアで防ぎ、身をかわして、
ゾフィはまずガカロガに、ナックルショットを命中。
 
バランスを失い、倒れたところに、
空軍の冷凍ミサイル、大型ミサイルが命中し、
硬直、氷結後に、爆発。
 
ゾクナスも、ラインビームで鞭を切られた後、
デルタ・ショット、サイクロン・ボンバーを、
続けざまに受けて、大爆発。
 
宇宙船もこの様子を見て、宇宙空間へ去りました。
 

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再び火の海となった、梅ヶ宮。
 
輸送軍が、消火する様子を見ながら、
ユルガ隊長は、考え込んでいました。
 
ユルガ
「もし小動物が、知性体だとしたら…
 
 一度、恨みを抱いたら、決して忘れず、
 復讐が絶対の、知性体だとしたら…
 
 我々地球人も、敵確定なのか?
 交渉出来たとしても、もう手遅れなのだろうか?」
 
そこに、手を振って、ゴウリとクロス、
さらにナワテとユリコの≪エルグランザー≫が、
戻って来ます。
 
【第233話・終わり 完結編、続々・ファイヤーへ続く】

 
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