第179話 『リングは回る』

 
キュラカンテ星人 
バーラル星人 
グノ星人 
シリコン怪獣 ラヒュート 
メタン怪獣 ボルテール 
テンベルム・リラン 

     

もし、ウルトラセブンの最終回のあと、
TVでゾフィが始まっていたら?の妄想ストーリーの第179話。

 

ある青年が、不思議な指輪状の“何か”を拾います。

が、それ以来…

 
【UST=防衛チーム】
 
ユルガ(隊長)
ゴウリ
ナワテ
ユリコ
ヒデコ
クロス
 
【IDM=地球防衛機構】
 

(Bチーム=情報技術班)
シズカ(班長)
ユウキ
ドノバ
アカイ
リオ
ユウ
 
ヤハギノ(V3隊長)
ミナミ(ムーンベース隊長)
 
カジ(UST参謀)
 
マキノハラ(科学センター・所長)
 
【その他・ゲスト】
 
安田三郎 (瀬加下(せかした)市民)
大島マリ子(瀬加下(せかした)市民)

 

 

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【宇宙空間】
 
戦闘中の円盤と、≪ステーション・ホーク≫。
 
逃げる円盤を、追撃する≪ステーション・ホーク≫ですが、
円盤側もまた、光線を放って来ます。
 
ダイブして避ける、≪ステーション・ホーク≫。
が、
その間に円盤は、かき消えてしまいます。
 
コバシ(V3)
「こちら≪ステーション・ホーク≫、コバシ。
 すみません、まかれました。」
 
ヤハギノ(V3隊長)
『ご苦労。
 まあ、止むを得ん。
 
 戻って来い。』
 
コバシ(V3)
『了解。』
 

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【V3 作戦室】
 
ヤハギノ
「2日で3件か。
 
 一体、どうなってるんだ?」
 
ジョウノ(V3)
「それに…
 侵入方向も、ほぼ同じです。
 
 反応は、それぞれ違うのに。」
 
イザワ(V3)
「何かが、起きている。
 何か、容易ならん事が。
 
 だが… 皆目、見当がつかん。」
 
アナカ(V3)
「地球に原因が、あるんでしょうか?
 キャプテン?」
 
ヤハギノ
「抜かれちまった物は、仕方がない。
 
 後は、得られたデーターを全部送って、
 地上で対処して、もらうしかないな。」
 

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【長野県 瀬加下市(せかしたし) 中央公園】
 
大学生、安田三郎は、
公園でベンチに座っては、思案していました。
 
彼女である、大島マリ子の誕生日が近づいて来た物の、
プレゼントが、決まらないままだったです。
 
安田三郎
「下手な物上げて、かえって印象悪くしたらヤブヘビだ。
 と言って、
 何もしないと言う、選択肢はない。
 
 まさか、その辺の花を摘んで花束にして、
 タダで済ます…は、
 人として最悪な気がするし。
 
 やっぱり、
 ある程度の物を買うのが、無難そうだけど、
 バイト代から、プレゼントに回せるのは、
 たかが知れてるしなあ。
 
 ん?」
 
と、花壇の花を見ていると、
葉の陰に隠れて、何かが光るのを見ます。
 
手に取ってみると、指輪のようでした。
 
何の飾りも無い、シンプルな指輪でしたが、
一見、漆黒な中にも、時折、青や白、
赤の光が輝いては、流れて回っており、
じっと見ていると、中々きれいな物でした。
 
安田三郎
「なんだろう、これ?
 指輪… だよな?
 
 不思議で神秘的な、感じがするけど、
 電気か何かで、光ってるのかな?
 
 見た事無いし、高価な物のような気もするけど…
 
 まあ、いいや。
 ここに捨ててあっても、どうせゴミだ。
 もらってこれを、プレゼントにしちゃおう。」
 
土を払って、ポケットに入れ、
一度伸びをして、立ち上がります。
 
安田三郎
「メインのプレゼントがこれなら…
 
 あとはもう、添え物的に、
 お菓子でも花でも、良いかな?
 
 あ、こいつを入れる、
 かわいい箱を、買うのもありだな。
 
 それだけで、立派な指輪に見えそうだ。」
 
そんな事を考えながら、歩き出すと、
突然目の前に、1人の男性が立ちはだかります。
 
初老に見えるその男性は、古風な帽子と、
灰色のトレンチコートを着ていました。
 
初老の男性
「君、今、リングを手にしたろう?」
 
安田は、(見られた!?)と思い、
一瞬で色んな考えが、頭を巡ります。
 
(持ち主がいたのか? いや、そうとは限らない。
 
 それに、尋ねているって事は、
 確かに拾ったと、確認したわけじゃないかも?
 
 仮に持ち主だとしても、せっかく手に入れたのに、
 はい、そうですかと、タダで返したくはない。)
 
安田三郎
「えーっと…
 
 何の事ですか?」
 
初老の男性
「リングだよ。
 
 君、持ってるんじゃないか?」
 
安田三郎
(やっぱり疑問形だ。
 疑ってはいるが、確信では無いんだろう。
 
 どうする?
 知らないで、押し切るか?
 
 押し切れるなら、押し切りたいけど。)
 
安田三郎
「えーっと、それは。
 
 おじさんが、そのリングを、
 この辺で失くしたと、言う事ですか?」
 
初老の男性
「いや、正確には私のリングではない。
 
 だが、いわゆる責任と言う物が、
 私にはある。
 
 だから私に、渡して欲しいのだ。」
 
安田三郎
(持ち主じゃない?
 じゃあ、渡す必要なんか、無いじゃないか?
 
 でも、持ち主じゃないのに、責任があるって、
 どう言う事なんだ?
 
 なんか…
 関わらずに済むなら、その方が良いかも?)
 
安田は、軽く頭を下げると、
小走りで、脇を抜けます。
 
安田三郎
「すいません。
 よくわからないです。
 
 俺、約束があるんで。」
 

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【瀬加下市(せかしたし) 中央公園 出口】
 
公園の出口まで来たところで、今度は、
黒服の若い男、2人組に呼び止められます。
 
2人の男は、安田をじっと見ると、
小声で何かを話した後、口を開きます。
 
若い黒服の男A
「君、リングを… 持ってるね。
 
 それを我々に、渡して欲しい。」
 
安田三郎
「どう言う… 意味ですか?
 
 あなた達が、そのリングの、
 持ち主だったと、言う事ですか?」
 
若い黒服の男A
「そうだ。
 持っているなら、渡して欲しい。」 
 
安田三郎
「嘘だね。
 
 我々って… 単なるリングを、
 2人で持ってるなんて、変だよ。
 
 それに、本当に持ち主なら、
 渡せじゃなくて、返せって言うでしょう?」
 
そう言われると、2人でまた話した後。
 
若い黒服の男A
「わかった。
 それなら買おう。
 
 わけがあって、どうしても必要なんだ。
 君の好きな値で買うから、渡して欲しい。」
 
一瞬、迷った安田ですが、
 
安田
(いくらでも金を、出すって言うのか?
 
 いや、待て、落ち着け。
 そもそも話が、おかしいんだから、
 本当に払ってもらえる、保証なんかない。
 
 それに、なんだかわからないけど、
 そんな、価値のある物なら、
 やっぱり、おいそれとは渡せない。)
 
安田三郎
「すいません、
 急ぎますんで、失礼します。」
 
半ば振り切るように、その場を去ります。
 

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【瀬加下市(せかしたし) 商店街】
 
安田は、何となく前の老人と黒服2人組が、
まだつけて来るんじゃないか?と、不安でしたが、
何度か振り返っても、つけて来る者はありませんでした。
 
少し、ほっとすると気を取り直し、商店街を進んで行きます。
 
安田三郎
「後は適当な、箱と小物でも買って、
 リングを入れたら、早いとこ渡してしまおう。」
 
アクセサリーや小物の店を、見ながら歩いていると、
サングラスの女性が2人、安田の前に出ます。
 
2人ともサングラスで、顔はわかりませんでしたが、
長身で美人、理知的で落ち着いた感じに見えました。
 
サングラスの女性A
「ねえ、君?
 
 もしかして、リングを拾わなかった?
 それ、私のなのよ。
 
 無くして、困っていたの。
 返してもらえない?」
 
ギョッとする安田。
 
安田三郎
(やばい。
 本当の持ち主かよ?
 
 でも… なんかおかしい。
 
 なぜ俺が、持ってる事を知ってるんだ?)
 
安田三郎
「あのう… 本当に持ち主の方ですか?」
 
サングラスの女性A
「本当よ。」
 
安田三郎
「持ち主だと言う証拠は?」
 
サングラスの女性A
「証拠は… 無いわ。
 名前が書いて、あるわけじゃないし。
 
 でも、本当に私の物なの。
 とても大切な物で、無いと困るのよ。
 
 だからお願い、返してちょうだい。」
 
そう言いながら、妙になれなれしく、
肩に手をかけ、ほおを両手で撫でます。
 
びっくりして、しばらくの間、
硬直してしてしまう、安田ですが、
もう1人が、さりげなく、
退路を断つかのように、後ろに回ったのを、
不審に思って、気を取り直します。
 
安田三郎
「いえ… 落し物なんで!
 
 証拠もなく勝手に渡すと、警察に叱られるんで!」
 
手を振り払うように、歩き出しかけますが、
女性は、腕をつかんで止めます。
 
サングラスの女性A
「待って!
 
 わかったわ、それならお金を払う。
 だから売って頂戴。」
 
安田三郎
「なんか、おかしいでしょ、それ?
 何で自分の物を、買うんですか?
 
 ぼくが届けた後で、正式に落とし物として、
 警察から受け取れば、良いじゃないですか?」
 
サングラスの女性A
「その手間を省きたいのよ!
 急いでいるから。
 
 私が、持ち主なんだから、
 他に名乗り出る者なんか、いないわ。
 
 横取りしようとする、嘘つき以外は。」
 
安田三郎
「いえ、すみませんけど、失礼します。」
 
振り払って、駆け出す安田。
 
安田三郎
(おかしい。
 どう考えても、おかしい。
 
 一体、何なんだ、この指輪は?
 
 こんなもの持ってるとか、やっぱりまずいのか?
 
 でも、
 これだけ色んな奴らが、欲しがると言う事は、
 きっと価値がある、物のはずだろう。
 
 だったらいまさら、捨てるのは惜しい。
 それくらいなら、最初に売った方がマシだった。)
 
明らかに普通じゃない~何か思い詰めた顔で、
ブツクサ言いながら、小走りで進む安田に、
また、2人組の男が、後から声をかけます。
 
「君、ちょっと待ってくれないか?」
 
安田三郎
「知りませんよ、指輪なんて!
 ぼくが、何したって言うんです?
 
 もう、ほっといて下さい。」
 
2人は身分証を見せます。
 
ゴウリ
「我々は地球防衛機構、USTの者だ。
 
 君は何を、言ってるんだ?
 何か、知ってるのか?」
 
安田三郎
「地球防衛機構!?」
 
始めて、身分を明かした2人組に、
安田は少しだけ、心を許します。
 
人通りの少ない方へ、歩きながら、
慎重に少しずつ、これまでの事を話します。
 
ナワテ
「そう言う事なら、とにかく一度、
 その指輪を、見せてくれないか?
 
 見るだけ。
 見るだけだよ。」
 
安田三郎
「見るだけなら… まあ。」
 
と言って、
ポケットからリングを出します。
 
相変わらず、漆黒のリングは、
時折、青、白、赤などの光を、
放っては消え、また現れる光の粒を、
浮かび上がらせていました。
 
光の粒は回り、気のせいかリング自体までも、
回っているかのようでした。
 
そっと、計測器を近づけるナワテ。
 
ナワテ
「エネルギー、質量、あらゆる反応がゼロ!?
 
 なんだ、こりゃあ?」
 
ゴウリ
「おい、壊れてんじゃないのか?
 
 質量ゼロって事は、無いだろう?」
 
ナワテ
「おっかしいなあ。
 なんなんだろう、この物質は。
 
 少なくとも、地球上の物質とは…」
 
その時、
後方から公園出口で会った、黒服の男が、
再びこちらに、早足で来るのを見かけます。
 
が、今度は5人になっていました。
 
何か異様な物を感じた、ゴウリが、
声を上げながら、前に出ます。
 
ゴウリ
「君、逃げろ。」
 
徐々に速度が速くなると、襲い掛かる5人。
 
ゴウリとナワテが、盾になるように、
男達を、防ごうとしますが、
1度にかかって来た、全員は防げず、
2人が逃れて、安田を追い始めます。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
2人の黒服に追われて、逃げる安田。
 
と、
今度は正面に、サングラスの女2人組が、
再び現れ、こちらに向かって来ます。
 
サングラスの女性A
「君、リングを…」
 
が、後ろから追いかける、
2人組の男に気がつくと、
2対2の、小競り合いになります。
 
その間に脇道から、逃げ出す安田。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【瀬加下市(せかしたし) 商店街】
 
ユリコとクロスが歩いていると、ビデオシーバーが鳴ります。
 
ユリコ
「え? 襲われた!?」
 
ゴウリ
『そうなんだ。
 
 どうも、彼の持ってるリングが、
 狙われてるらしい。
 
 目的もわからんし、狙ってるやつも、
 一つだけじゃ、なさそうだが。』
 
ナワテ
『気を付けて下さいね。
 
 まだ何も事情は、わかりませんが。』
 
ユリコ
「わかったけど、それじゃそのリングは、
 まだ彼が、持ってるの?」
 
ゴウリ
『そうなんだ。
 
 何だか出来れば、手放したくないらしくて。』
 
ユリコ
「そっかぁ…。
 
 ナワテ隊員、ちょっと頼まれてくれる?」
 
ナワテ
「はい?
 なんでしょう?」
 

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【瀬加下市(せかしたし) 町外れ】
 
市街地から、一度出ようとする三郎でしたが、
急に霧が、立ち込めて来ます。
 
数メートル先も、良く見えないような霧で、
不安に思っていると、何か鳴き声が聞こえ、
正面に、幻影のように、怪獣が浮かび上がります。
 
驚いて引き返し、再び町に戻る三郎。

 


 

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