第046話 『妖星フィアレス』  (Bパート)

 

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フィアレス内を走行移動し、目標に接近するアーク2号。
 

やがて、巨大な円盤とも、要塞ともつかない、

大きな人工建造物を見つけます。
 
が、そこから、
ミサイルのような物を、撃って来ました。
 
慌てて振動フィールドを、広く展開し、
バリアー代わりにしながら、後退するアーク2号。
 
ゴウリ
「敵、確定ですよ!
 
 ここは、我々のホームだ!
 やりましょう!」
 
ナワテ
「ぼくもゴウリに賛成です。
 
 宇宙人が敵対的である事、また、
 あの敵基地を、何とかしないと、
 ムーンベースが、回復しない事は、
 まず間違いないです。」
 
ユルガ
「よし、
 このまま前進して、攻撃しよう。」
 
ところが、基地らしき方向から、
怪獣が現れて、迫って来ました。

 

 
ゴウリ
「どうします?
 怪獣を、先にやりますか?」
 
クロス
「いや…
 
 基地を守らせるのに、怪獣を出したと言う事は、
 このまま基地と、アーク2号でやり合うだけでは、
 自信が無いからでしょう。
 
 それなら、このまま、
 基地とアーク2号の、一騎打ちが出来れば、
 こちらに勝機が、あるように思います。」
 
ゴウリ
「だが、怪獣はどうする?
 無視か?」
 
クロス
「ぼくがオトリに出て、怪獣の注意を引きます。
 
 だから、その間に先に、
 アーク2号で、基地を落として下さい。
 
 基地がコントロールしている、怪獣なら、
 うまく先に、基地を叩ければ、
 怪獣も無力化、出来るかも知れません。」
 
ユリコ
「そう言う事なら、私も出ます。
 
 2人で、オトリをして、
 怪獣が注意を、向けていないほうが、
 入れ替わり、攻撃したほうが良いわ。」
 
ユルガ
「わかったが、2人とも無理はするなよ。
 
 注意だけ、引き付けてくれれば良い。」
 
クロス、ユリコ
「了解。」
 
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ヘルメットに、バックパック・ボンベを背負い、
宇宙服モードで、準備を整えると、
飛び出して、左右に別れ、
怪獣の注意をひこうとする、ユリコとクロス。
 
案の定、怪獣は気になるのか、
2人の人間の方を、相手にしようとします。
 
デコボコの死角や、ステルスをうまく使い、
攻撃をかけては、すぐに隠れて、
ヒットアンドウエイで、応戦する2人。
 
その間に、ユルガ隊長、ゴウリ、ナワテの、
アーク2号が、基地に接近しますが、
さらに基地から、小型の円盤が数機、
飛び立って、攻撃をかけ始めました。
 
ユルガ
「まずいな。
 ここで、手間取っていては、
 表の2人まで、危なくなる。」
 
ゴウリ
「俺は銃座に行きます。
 
 円盤は、何とかしますから、
 隊長は基地攻撃に、専念して下さい。」
 
ナワテ
「じゃあ、ぼくも!」
 
ユルガ
「すまん。頼む。」
 
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基地から、円盤が飛び立つのを見た、クロスは、
ステルスのまま、盛り上がった地表の影で、
ウルトラホープを、フラッシュさせます。

 

 

 
閃光がほとばしり、現れるゾフィ。
 
怪獣に駆け寄ると、いきなり蹴り上げます。
ひっくり返る怪獣。
 
円盤の群れの中央に、アームバルカンを放つと、
次々に撃墜されます。
 
とり逃した、2、3機の円盤を、
アーク2号の銃座が、狙い始めたのを見ると、
再び怪獣に、向き直ります。
 
怪獣バイランドは、近づくと槍状の頭と、
両手のハサミ、尻尾で攻撃し、
距離を取ると、霧状の毒液と、
熱光弾で、攻撃して来ました。
 
が、ゾフィが猛攻を、受け流し、
熱光弾を、手で次々に弾き落とし、
ナックルショットが命中すると、形勢が逆転します。
 
頭を抱えて投げ飛ばし、起き上がったところに、
M87光線を放つと、大爆発します。
 
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その頃、アーク2号は残りの円盤を片付け、
基地に攻撃をかけ続けて、
基地は土台部分から、爆発と火災を起こしていました。
 
と、
基地の上部の部分が外れて、ゆっくり上昇していきます。

 

 
ユルガ
「何だ? 逃げるのか?
 
 天井を突き破って?」
 
ゴウリ
『隊長、やっちまいましょう!』
 
ユルガ
「いや…、今、高角には撃てない。」
 
ナワテ
『隊長、地鳴りがします。
 
 何だか、様子が変ですよ?』
 
ユルガ
「一度、脱出しよう。
 2人とも、戻って来い。
 
 ユリコとクロスにも、帰還サインを。」
 
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全員が、コクピットに集合し、
爆発する基地を後に、再スタートして、
フィアレスから脱出して、振り返ると、
再びフィアレスは、膨らんでいきました。
 
ゴウリ
「なんだ、こりゃ?」 
 
クロス
「離れる… のでしょうかね?」
 
みんなが、見守る中、
再び球形に、膨らんだフィアレスは、
ゆっくりと、上昇して行きました。
 
ミナミ
『こちらムーンベース。
 
 何をしたんだ?
 やったのか?
 
 こちらは電源が、復活したぞ。』
 
ユルガ
「そうですか。
 それなら良かった。
 
 フィアレス内を調査中、敵の根拠地と思える、
 要塞状の基地を、破壊したんです。」
 
ミナミ
『良くやってくれた。
 
 それでは事件は解決か?
 
 こちらのレーダーには、離脱するフィアレスが、
 まだ、捉えられているんだが…
 
 フィアレス自体は、どうなったんだ?』
 
ユルガ
「それが…
 円盤の一部は、まだ健在です。
 
 破壊中に、異変を感じたので、
 我々も、脱出して。
 
 逃げて行くなら、これ以上追撃しなくても、
 もう、大丈夫でしょう。」
 
ミナミ
『わかった。
 そう言う事なら、今回は、
 そちらの判断を、尊重しよう。』
 
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その後、
フィアレスは、来た時と同じように、
ゆっくりフラフラと飛び、太陽系を去って行きました。
  

 
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【UST作戦室】
 
カジ
「ご苦労だったが、そうすると、
 宇宙人の目的は、わからず仕舞いか?」
 
ユルガ
「そうですね。
 
 月に降り立ち、現場の戦力を無力化し…
 
 そこまでは、間違いないですが、
 その後、何をしようとしていたのかは?」
 
ゴウリ
「どうせ、ろくな事じゃないに、決まってますよ!
 
 遊星内での、問答無用の攻撃を見たって、
 平和裏な目的の、はずは無いです。」
 
ナワテ
「ぼくも今回は、ゴウリ隊員に同感です。
 
 基地を無力化して、来たのですから、
 資源の強奪とか、侵略の橋頭堡作り辺りが、
 目的だったんじゃ、ないでしょうか?」
 
ドアが開き、入って来るシズカ班長。
 
シズカ
「後付ですが…
 こちらの見解も、同じです。
 
 平和・友好は、まず無いですね。
 
 同じく資源の奪取や、侵略の第一歩。
 そのための、相手の力量判断が、
 目的だったのでは、ないかと思います。
 
 その意味では、撃退で正解でしょう。
 とどめは刺さなくても、かなわないとわかれば、
 もう来ないと、思います。」
 
カジ
「うん。
 最初は、どうなる事かと思ったが、
 そう言う事なら、一安心だ。」
 
シズカ
「ただ…
 引き続き、分析中ですが、
 フィアレスが、本来は自然の遊星だったのか?
 あるいは一から、宇宙人が作った物なのか?
 これはまだ、結論が出ません。
 
 自然の、特異な遊星にしては、
 それにしても、特異過ぎます。
 
 一体どんな、生成過程を経て、
 あんな遊星に、なったのか、
 ちょっと、想像がつきません。
 
 と言って、
 宇宙人の技術と、考えると、
 規模と言い内容と言い、大げさ過ぎます。
 
 戦闘データーや、想像出来るメンタリティでも、
 あれだけの遊星を作れる、技術や力があるなら、
 本拠地のはずの、遊星内での武装や戦闘規模が、
 ちょっとお粗末に、感じるんですよ。」 
 
カジ
「ある部分の科学は、突出していても、
 意外に他の技術は、伴っていない場合はありうる。
 
 そう言う事なのかも、知れんが…。
 
 宇宙はまだまだ、わからんね。
 
 自然の星にしても、それを利用して、
 侵略や遠征を、行なう宇宙人にしても。」
 
【第046話・終わり】


 
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