第077話 『スパーク 2-9-15』 (Bパート)
第077話 『スパーク 2-9-15』 (Bパート)☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・* この“作戦”は、一定の効果がありました。 ハンター射殺事件は、子供達も知ってはいます。USTと警察は、その犯人を捜している。 子供達は最初、おじさんが犯人と疑われていると思い、知らないを通していましたが、動物おじさんの存在を知っていると伝えた上で、そう言う人がいるのなら早くおじさんを保護して守り、犯人を捕まえないと、おじさんに危害が加えられるかも知れない。おじさんを犠牲者にしたくない。と、話したのです。これでおじさんを見た、知っていると言う事を話し出す子供が、ポツリポツリと現れました。 学校の前で子猫を助けてくれた事も、何人かが話しましたが、小屋の事はまだ話していませんでした。子供達の間でもUSTの言ってる事が本当なら、早く犯人を見つけてもらっておじさんを守ろう、疑いを晴らそうと言う意見と、本当はやはりまだ、おじさんを疑ってるのじゃないか?と言う意見が、どちらもあったのです。 しかしある子供が、「沢で…」と言いかけた事を地元警察に問い合わせ、この辺で潜伏出来そうな沢。と言う手がかりで、木春菊(もくし ゅんぎく)の沢を捜索。 問題の小屋を発見し、警察官2人とゴウリ、ナワテ、ユリコ、クロス、後からリオが飛び込みます。ナワテが探査機で電波反応をキャッチし、戸棚の隠戸から通信機のような物を発見します。 ナワテ「地球の技術じゃないですね。」 警察官A「そ、それじゃ、犯人は宇宙人!?」 クロス「まず確定でしょうね。 犯人と宇宙人は、イコールでしょう。 問題は、おじさんですが… 動物おじさんとやらがそれを知らずに、ここを使っていた。 これも可能性としては、まず無いです。」 ゴウリ「地球人と思わせるためにわざと猟銃を使い、子供達をたぶらかして潜伏していたのか? 何てタチの悪い、宇宙人なんだ!」 ユリコ「でも… わからないわ。 そこまでして、宇宙人の目的は何なの? 今のところハンター殺害以外は、特に実害もないし行動も起こして無いわ。」 リオ「動物好きな宇宙人が地球人の密猟者に怒り、報復の意味で殺害した… なーんて、 全然リアリティ、無いですよねえ?」 ナワテ「動機はちょっと、想像つかないですけど、 少なくとも、友好的な宇宙人とは思えません。」 ゴウリ「念のため付近一帯を捜索して、見つからないようならこの辺は封鎖しよう。 わかった以上、子供と接触させるのは危険だ。 村への通達は、お願いします。」 警察官A、B「それは、わかりました!」 ☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・* が、小屋の外には心配で見に来ていた、子供達が隠れていました。小屋を出て捜索を始めると、銃を抜いている物々しい様子に、驚いて出てきます。 岩田継 (いわたつぐ)「何してるんだよ、それ!? やっぱり、おじさんを疑ってたのか?」 橋子惣美(はしこふさみ)「みんなでおじさんを、撃ち殺す気なの? ひどい!」 リオ「ちがうんよ! これはね、万が一のためで。」 ゴウリ「君達、ここは危険なんだ! どうして、ここにいる?」 ナワテ「ゴウリ隊員の、言う通りだよ! 小屋の中には、宇宙人の道具があったんだ! ここは、宇宙人の拠点なんだよ。」 リオ「ちょ、ちょっと、ナワテ隊員!」 ナワテ「え? あ!?」 警察官B「と、とにかく君達は、帰りなさい!」 警察官A「ここは我々と、USTの人に任せて!」 岩田継 (いわたつぐ)「なんだよ、それ? おかしいよ?」 佐本吉次郎(さもときちじろう)「ここは、動物おじさんの小屋だよ! 宇宙人なんかじゃ、ないよ!」 金野保枝(こんのやすえ) 「ここが危ないのなら、動物おじさんだって危ないわ。」 川藤有 (かわふじゆう)「とにかく、わけを話して下さいよ。」 クロス「だめだ、これじゃ…。」 とっさの事だったので打ち合わせも出来ず、UST・警察の言う事がバラバラになり、子供達はすぐに、「どうも、様子がおかしい?」「とにかく、帰らせようとしている?」と言う、大人側の心境を察知して、食い下がります。 その時、クロスは木陰の奥で何者かの影が動き、こちらの様子を伺っている事に気がつきます。 クロス「ユリコ隊員、ちょっとここを頼む。」 ユリコ「え? あ、了解!?」 押し問答をする大人と子供の間から離れ、木陰でステルスのスイッチを入れると、1人抜け出して影を追います。 すぐに気がついたらしく、逃げ始める影。クロスはそのまま、ついて走ります。 ☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・* 【木春菊(もくしゅんぎく)の沢 上流】 問題の小屋から、しばらく行った所。沢の辺の少し開けた場所で、動物おじさんとクロスが正対しています。 クロス「お前の正体は、大体想像がついている。 だが、目的がわからない。」 動物おじさん「お察しの通り、俺はバイロウ星人だ。 目的は… まあ、教える義理は無いが。」 クロス「わからないな… なぜ子猫や犬、小鳥を守るような宇宙人が人間を手にかけるんだ? しかも地球人に、化けてまで。 本当に、動物達の復讐なのか?」 バイロウ星人「動物の復讐? 一体、何を勘違いしている? わからないのは、こちらだ。 なぜ地球人は同じ人間同士でフェアに戦わず、自分より弱い者、動物を手にかけるんだ?」 クロス「フェアな条件なら、人間を手にかけて良いのか? どう言う理屈なんだ?」 バイロウ星人「対等の武器を持ちフェアな条件なら、お互い承知で覚悟の上だ。 だが、反撃手段を持たない者への行いは、一方的な殺戮だろう?」 そう言われて、クロスがハッとします。 クロス「もしやお前が、猟銃を使ったのは… 地球人の仕業と、カモフラージュするためではなく…」 バイロウ星人「そうだ。 バイロウの法では現地民の武器を使い、同じ条件で狩りあうのが原則だ。」 クロス「それで子供達を騙して、手懐けていたのか? フェアじゃ、無いじゃないか? 子供達はお前の事を信じて、慕っていたんだぞ!?」 バイロウ星人 「誰も、騙してなどいない。 子供とはそもそも、一言もしゃべっていない。 子供が俺に対してどう思ったのかなど、俺の知った事ではない。」 クロス「それでお前は、一体地球をどうするつもりなんだ? バイロウの法から外れた地球人を、襲い続けるのか? ここは、地球なんだぞ!?」 バイロウ星人「この地球自体がバイロウの時間、2-9-15時に狩猟指定星域に突入する。 俺はその予備調査の派遣員として、地球に訪れていた。」 クロス「なんだって? それじゃ…」 バイロウ星人「そうだ。 俺が対象地域として適切との判断報告を母星に連絡すれば、ここは狩場として解禁される。 バイロウのハンター達が、地球に来るだろう。」 クロス「そんな勝手な、真似はさせない。」 バイロウ星人「勝手? 自分より弱い動物へは一方的にルールを押し付け、対等な立場の者とは戦えないと言うのか? 動物達がいつ、狩猟の解禁や了承をしたんだ? この区域この期間は狩猟して下さって結構ですと、お前達は動物に意思確認をしたのか?」 クロス「地球人にも、反省しなければならない所は、あるかも知れない。 だが、だからと言って地球を狩場にして良い、理屈にはならない。」 バイロウ星人「だから、地球の動物全ても、地球人に対して同じ言い分を持つはずじゃないのか? それなら、今戦って、俺を倒せ。 俺を倒せば、狩場適正の報告は送れない。」 クロス「出来れば… 戦いたくは無い…」 バイロウ星人「変な奴だな? それなら地球は、狩場になるだけだぞ? 戦え!」 ☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・* 人間体のまま両手からレイピアを伸ばして構え、相手をうながすバイロウ星人。クロスは躊躇しながらも携行武器である、仕込みのロッドを出し正面で構えます。 バイロウ星人「そうだ。 行くぞ!」 突っ込んでくる、バイロウ星人。レイピアの左右からの斬撃を、ほぼ同じ速さでロッドで弾き続けるクロス。 離れ際、口から熱弾の矢尻を発射すると、ロッドの左で弾き飛ばしたクロスはそのまま右に振り、仕込みの鎖を伸ばします。が、これはバイロウ星人も、レイピアで弾きます。 バイロウ星人「お前も、人間ではないな?」 もう一度、飛んで来た鎖を避けながら木の影に一度消えると、星人本体となって現れます。 続けざまに熱弾の矢尻を撃つと、クロスはジャンプして避け、ウルトラホープをフラッシュさせると、そのまま1回転してこちらもゾフィに変身します。 再び向き直り、両手のレイピアを伸ばすバイロウ星人。等身大のゾフィも左右の腕に、M87ダブルハンド・ビームナイフを作り、交差させて構えます。 どちらからとも無く飛び込むと、二刀流同士の打ち合いはほとんど互角で、バイロウ星人が切った…と思うと後ろの大木が倒れ、宙に飛んだゾフィは空から、スラッシュショットを放ちます。それもまた着弾の瞬間、バイロウ星人は両手のレイピアで、すべて打ち払います。 周囲に煙が起こる中、熱弾の矢尻が飛ぶと、ゾフィも身をかがめて避けます。 一呼吸遅れて飛び込んだバイロウ星人が、下から切り上げようとすると、カウンターのようにゾフィも突っ込み、両手のソードを交差させて受け止め、もう片手のレイピアが伸びてきた時には、剣を押し返しながらバックジャンプして避けていました。 再び間が開くと、巨大化するバイロウ星人。促すようにゾフィを見つめて待つと、ゾフィもまた巨大化します。 3度正対し、両手のレイピアを構えるバイロウ星人に対して、ゾフィもゆっくりと両手を交差させると力を込め、光を迸らせてM87ダブルハンド・ビームナイフを作り、同じように交差させて構えます。 静かに睨み合う、ゾフィとバイロウ星人。 バイロウ星人「良いのか? 私は同時に、三手まで出せる。 このまま突っ込めば、勝ち目は無いぞ?」 ゾフィ「そう思うのなら、やってみろ。」 バイロウ星人「………… …………」 構えたまま両者の動きが、しばらく止まります。 バイロウ星人「ハッタリ… ではない。 どうする気だ?」 やがて、同時にスタートする両者。両手の剣を構えたまま接近し、寸前で、熱弾の矢尻を放つバイロウ星人。 ゾフィは熱弾を構えたままのビームナイフで、バイロウ星人の左手に向かって撃ち返します。右手で切りかかりながら、左手のレイピアで跳ね返って来た熱弾を弾く、バイロウ星人。 バイロウ星人の右手のレイピアは、同じタイミングで伸びて来た、ゾフィの左手のビームナイフで受け止められます。 そして、一拍遅れた左手のレイピアがゾフィを狙った時には、ゾフィの右手のビームナイフが、バイロウ星人を貫いていました。仰向けに倒れると、再び等身大化するバイロウ星人。 ☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・* 倒れているバイロウ星人の傍ら、静かに佇んでいるクロス。 バイロウ星人「良くやったな。 これで地球は安全だ。 今はな。」 クロス「ぼくには、理解出来ない。 これで君は、満足なのか? 鳥や動物は守るのに、なぜ人間同士の方が出来ない? 話し合いで解決は、出来なかったのか?」 バイロウ星人「俺が調べた限りではそう言う奴は、地球人にもいるようだ。 知りたきゃ、聞いてみたらどうだ?」 手元の機器を操作すると、地中から円盤が浮上してきます。 バイロウ星人「さ、約束だ。 お前は、少し下がれ。 先に、逝ってるぞ。」 かすかに、笑ったように見えたバイロウ星人。 もう1度機器のスイッチを入れると、円盤は木っ端微塵に爆発し、一呼吸置いてバイロウ星人自身も自爆しました。 ☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・* 【翌日 軽淵村(かるふちむら)村道脇 ≪アーク・ウイング≫ コクピット 】 リオ「すんませんね、班長。 何だかこのためだけに、出張ってもらっちゃって。」 シズカ「そりゃ、かまわんよ。 こう言うのも、仕事だ。 むしろ一番、大事な事だよ。」 ユリコ「それで子供達には、何て言ったんですか?」 シズカ「まあ、半分は事実さ。 宇宙人が来てハンターを殺して、何か悪巧みをしていた。 おじさんは、ここの動物の事を調べに来ていたが、政府関連の秘密調査員だったので、警察の人達も身分は知らなかった。 宇宙人と円盤はゾフィに倒されたが、おじさんは争いになった時に、 動物をかばおうとして怪我をしてしまった。 そこで、政府関連の仲間が救助に来て、一緒に戻って行った。 事件が済んだので、もうおじさんは来ない。 だ。」 ゴウリ「するとおじさんは、最後までヒーローかぁ。 どう考えても、おじさんが宇宙人なんだが。」 シズカ「そうだろうとは思うが、終わってしまって確実な証拠は無い。 第一、そこまでしておじさんを犯人にしても、子供達にとっては良い事無いよ。」 ゴウリ「うーん、俺は綺麗事の嘘は、好きじゃないけど。」 ナワテ「ですからね、おじさんの正体も宇宙人の目的も、結局わからなったんだから、嘘だって断言も出来ないでしょ?」 ユリコ「生き物を大事にするのは大切だけど、それで人間を害して良いなんて、そんな考えの人間にはなって欲しく無い物ね。」 クロス「今、答えが出る問題じゃないかも知れません。 が、 子供達が大人になっても覚えていたら、きっとまたその時、考えてくれますよ!」 ゴウリ「いや… やっぱり俺は、納得行かん! 例え一時は辛くても、子供にこそ真実をちゃんと伝えてやるべき…」 リオ「あーもー、我々の仕事は終わったんですから! 余計なサービス残業とか、しなくて良いです!」 納得行かない顔のゴウリの背中を押しながら、UST4人とシズカ班長、リオは、≪アーク・ウイング≫と≪シンカー≫に分乗して、軽淵村を後にしました。 【第077話・終わり】 ☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・* にほんブログ村 特撮ランキング