よくある質問(14) | 函館の家庭教師・個人塾

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Question: よくある質問(12)で、お笑い芸人の大学受験の話がありましたが、先日その続きのニュースを見ました。『ロンブー田村淳、自信満々の日本史も“赤点”レベル!「青学」合格に黄信号!?』という記事でした。これを読んでお考えを聞かせてください。

 

Answer: 私もその記事を探して読んでみました。よくある質問(12)でもお話ししましたが、まず最初に大学受験の何を知って「100日で合格する」なんて言っているのかともう一度言わせてください。記事のタイトルの『「青学」合格に黄信号』というのはおかしいです。元々、「赤信号」ですからね。それから、中身について意見を言わせてください。

 

現状を把握するために、英語、現代文、日本史のセンター試験の過去問を解いたそうです。本人曰く、大の「戦国マニア」で日本史は自信があったそうですが、結果は24点(100点満点)だったそうです。2017年のセンター試験日本史Bで期待値を計算してみました。(例えば四択で配点が2点ならば四分の一の確率で2点がもらえるので、その一問で期待される得点は2に四分の一をかけて0.5点です。適当にマークしても皆等しく0.5点を期待できるという意味です。)その結果ぴったり24点でした。つまり理論上、適当にマークしても同じ得点なのです。「適当にマークする」ということは、幼稚園児がマークしても同じ得点は取れるということなので、実力はほとんどないと言っていいでしょう。「戦国マニア」ってだけで点が取れるほど甘くはないのです。なぜなら、戦国時代の問題なんてほとんど出ないのですから。

 

自信のある日本史でこの有り様ですから、他の教科は推して知るべしですが、一応紹介させてもらいます。現代文は23点(100点満点)。期待値は約21.7点なので、幼稚園児をわずかに上回りました。日本語を読める大人としては、「わずか」ではダメな気がします。

 

英語は、24点(200点満点)だったようです。期待値は44.65点です。ついに適当にマークする人を下回りました。運も味方してないのでしょうか。運も実力のうちです。全くわからなかったようなので、予想では「5点」としていました。実際には24点だったので、もしかしたら喜んでいるかもしれませんね。しかし、期待値は44.65点なので喜んではいけません。幼稚園児でも44点取れますから。

 

ここまでで十分だと思いますが、一番驚いたのは、彼には「東進ゼミナール」から『3人の精鋭スペシャル講師』ついているということです。『精鋭スペシャル講師』ならば、大学受験のプロでしょうから、以上の期待値の計算から現状がどういうレベルかはっきりと本人に伝えていくはずです。だから大丈夫です。この企画はもう終わりです。そして、受験生諸君に伝えます。今まで君たちがやってきたことは当然無駄ではない。そのやってきたことを土台にして、残りの時間を有意義に過ごして合格を勝ち取ってもらいたい。今まで何もしてこなかった人が100日で合格するなんてことはありえないのです。芸能人のお遊びに惑わされず、淡々とやるべきことをやってください。保護者の方も変な影響は受けずに、今まで通り勉強しやすい環境づくりをお願いいたします。