いつもと違う
急にお腹が痛くなりトイレに行きたくなったので近所の商業施設に入った。
一目散にトイレに着くと勢いよくドアを開けた。
僕は思った。
あれ?何かが違う?
そう、そこはいつもと何かが違った。
・・・・・!?
小便器がない。
その代わり大便器がやたら多い。
そう、女子トイレだった。
急いでいて全く気が付かなかったが、男子便所と女子便所を間違えてしまったようだ。
やってしまった!
僕はその事実に気がつくとすぐに我に返り、瞬時に脳みそをフル回転させて考えた。
“ここは慌てて出て行ったりコソコソしていたら怪しまれるぞ。逆に間違えた素振りをせずに堂々と出た方が良いぞ。よし、堂々と出よう。”
そうと決まると躊躇している時間はない。
万が一、僕の目の前でいくつかの閉ざされたドアの向こうから新しい何か・・・ではなくそこに入っていた女性がいたりしたらマズい。
本当にマズい。
すぐに出よう。
ドアノブに手をかけ、勢いよくドアを開けた。
堂々と、笑顔でも無表情でもない顔で外に出た。
何も問題はないはず。
そう念じていた。
ドアの向こうに若くて綺麗な女性がいた・・・・。
僕は、固まった。
若くて綺麗な女性も固まった。
そして、ビックリした顔から不思議な顔へと変わりトイレのマークと僕の顔を見合わせていた。
僕は、笑顔で軽く会釈してそのまま何事もなかったかのように立ち去った。
とてつもなく早歩きで。
その時の僕の後ろ姿は想像にお任せします。
かなり怪しかったんだろうな。
外に出て呼吸を整えて、また歩き始めた。
ちらちら後ろを気にしていたが、しばらくして誰も追ってきてないことが分かってホッとした。
ふ~、これからは間違えないように気を付けよう。
しかし、この後僕はとんでもないことに気が付くことになる。
あ、ウ○コし忘れた・・・。
この後、別の商業施設の男子トイレで次の扉をノックした。
いいことばかりじゃない。