海放浪2の続きです。(リンクはこちら)
大学入試後サンパウロ州の海岸を放浪していた後
大学入試手続きのためにリオへ向かった。
正直言って私の大学がいったい何処かも知らなかった。
リオって海岸沿いと想像していたが
マウア港からバスに乗り
海から離れ郊外へ走り続けるバスに当惑し続けた。
およそ2時間走り続けたと思う。
すっかり疲れた私は眠りこみ喉が乾いて水を飲む夢を見続けた。
やっと大学のキャンバスに着いてバスは同じ様に走り続けた。
てっきりキャンバスに入ると思っていた私は運転手に近づいて訊ねた。
国立農業大学のキャンバスは何処ですか?
運転手は
「もう過ぎたよ』と
じゃ、バスを止めて下さい
と頼むと
「ちょっと待って』
ブザーを鳴らして反対側と通っていたバスを止めて
「この子をキャンバスまでつれっていって』と。。。
リオッ子(カリオッカ)はとても優しい。
あれは初めてカリオッカの優しさにふれた出来事だった。
私はキャンバスは新しい入学生で一杯だと思っていた。
意外なことに’キャンバスは殆ど無人。。。
後で知ったことだがあのキャンバスの90パーセントはリオの学生たちで
休み、あるいは週末、皆リオへ帰っていた。
手続きを終えてさあどうしようと思った。
リオ市内まで行ってもホテルを払うほどの金額も無い。
キャンバスの中でどうにかなるだろうと考えていたけれど。。。
寮管理部に行って訊ねたけれど
寮室の権利は入試試験の合格順番だと。。。
では私は何番でした?と訊ねると
リスクを見せて2位だった。
へーえっ、2位。。
ろくすっぽポル語も理解できずがむしゃら記憶したんだよ。
2位は思いがけない結果だった。
でも寮の配置は新学期が始まってからだと。。。
へーっと嬉しかったけれど
とりあえずあの夜はどうしよう。。。
とてつもなく勇敢だった私が突然臆病になった。
巨大なサバンナの中のキャンバスは
まるで宇宙の中に独ぼっちのような気持ちになった。
ひとっこひとりいない。。。
とぼとぼと歩いていると
後ろからオーイと声を聞いた。
おばさんが手招いている。
どうやら寮管理部の会話を聞いていた
掃除おばさん。
夏休みでも残った生徒がいるから紹介してあげると。。。
紹介されたリオッ子はとても優しく彼女の部屋に泊まることを了解してくれたけれど
あの夜、
デートがあるということで
私はひとりぼっちで夜を過ごした。
巨大な寮
独ぼっち
恐怖で一晩まんじりも出来なかった。
次の日、
とにかくあのキャンバスから逃れたかった。
リオ市へ向かうバスを待つ停留所。
一見にして学生だと分かる男の子がいた。
「学生?」
「うん、農業科、君は?」
「入学生、獣医科。。。ねえ、いつもこのキャンバスこんなに静かななの?」
「夏休みだからね。普段はもっと活気づいているよ』
私はけっして記憶よい人間だと思わない
たとえば
同級生の顔、名前、殆ど思いだすことは出来ない。。。
でも
時々、ある瞬間を手にとるように思い出す。。。
あの停留場の男の子
少し濁った緑色の瞳だった。
朝日が差す停留所。
朝日に照らされた瞳は未だにはっきり思い浮かべることができる。。。
あの後、
リオ市に帰ってもなにも出来なかった。
リオの海岸を巡る予定だったけれど
あの度胸はすっかり消えていて
あまりにも臆病になっていた。
そして
頭に浮かんだ解決法は
またLさんの別荘へ行く。
今から考えると
なんて面の皮が厚い行動だったと思う。。。
でも
再び訪れた時
皆とても歓迎してくれた。
まったく自信をなくした私を受け入れてくれた。。。
なんて愛情深い人たちだったと思う。
無愛想だった私をただの愛情で囲ってくれた人たち。。
私は現在あの愛情を見習おうと思っている。。。
そして
海岸に飽きて
あのサンパウロ州の田舎町に帰ろうと。。。
あの町には沢山の友達がいて
面白しろ可笑しく過ごすことが出来るはずだった。
でもバスターミナルに着いたとき
ほんの3分で乗り遅れました。
一体どうしようかと迷っているうちに
目の前に着たバスは
サンパウロ市往き。
久しぶりに実家に帰ろうかと。。。
続きます。