あるロックシンガーの死 | サバンナとバレエと

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ブラジルからの便り

ブラジルのロックシンガー、Chorão が突然亡くなった。
次女のアイドル、去年はわざわざマナウスまでライブを観にいったほど。
(その記事はこちら

死因はまだ判明されてないが

何日間か一人っきりでアパートに閉じこもっていたこと、
知人からの連絡を絶っていたこと、
アパートは暴れまくったらしく随分荒れていて
壁にも殴ったような血紺が沢山残っていたらしい。
大量の酒とコカインらしい物質がみつかったこと
そして
この数ヶ月間、離婚後、随分悩み欝になっていたことなどで

多分コカインのオーバードース(自殺?)ではないかと報道されている。
ひとりっきり、どれだけ悩み苦しんで死んでいったのかと思うと
胸が締め付けられるように感じる。

若者たちに励ましのメッセージを歌い続けたシンガーだから
よけいに胸がいたむ。

次女は思い出すたびに涙ぐんでいる。
「どうして?あんなに前向きの力強いメッセージを歌い続けていたのに。」
と言うから
「苦しみを知っていたからだよ」って話した。

それからこの機会に言ってきかせた。
「欝はね、病気なんだ。ほかの病気のようにきちんと医者にかかって治さなければいけないんだよ。でも自分が病んだら、なかなか分からないんだ。回りの人も気を使って助けなければならないし、本人も一人で苦しみ続けないで治そうと認識しなければならないんだよ」と。。。

「でも去年ライブに行けてよかったね」と言ったら
うんうんと頷いてた。


。。。。。。。。。。

ダンナさんにも大分ショックだったらしい。
ぜんぜん年代が違うけれど大分好んで聴いていたから。



数年前、次女は学校での問題と反抗期が重なって
手に負えなくなって夫婦で大分悩んだことがあった。

ついに次女をセラピーに連れていくようになった。
そしてセラピストに
随分当たり前だと認識していたことを
改めて問いだされた
「親子での会話はありますか?」

ごく幼いころから沢山のコミュニケーションを大切に育ててきたはずだった。

「悪い友情関係で親からどんどん離れていって会話も減っています」と言うと

「その友達たちを家に招きなさい。いやな仲間だと思ってもどんどん受け入れて一緒になって、彼らが一体なにを好むのか、何を考えているのか知るように努力してください。心配しなくても大丈夫。悪い影響の人間は必ず離れていくから。」と言われた。

そして私たちは親子の間の本当の会話、自分の意見を押し付けるのではなく
相手を受け入れことができる真実のコミュニケーションを学んだ。

そしてあの頃、ダンナさんは根本的に変わった。
昔から愛情深い父親だったが
自分の意見を通し続ける頑固な部分があった。
それが
次女の仲間たちの中に溶け込み、
次女の好きな音楽を聴き
とりとめなく話す幼い思考を真剣に聞く父親になった。

おかげで
ふたたび穏やかな生活が戻っている。
そんな思い出の中で
Chorao の歌は特別な味がするのだろう。
わざわざCDを買って運転中繰り返しきいていた。
突然死のニュースを聞いて彼は少し涙ぐんでいた。

。。。。。。。。。。。。。。。。。

Chorao の言葉

‘人生は俺にけっしてあきらめないことを教えてくれた
勝つことでもなく負けることでもなく
成長し続けることを。。。‘


とても気になる。果たしてあきらめてしまったのか。
苦しみから立ち直る希望を失ってしまったのか。

いや
もしかしたら
どん底まで自分を追いこんで
戻ってくるつもりだったのかもしれない。


そんな感じがする。。。