秋の色彩 | サバンナとバレエと

サバンナとバレエと

ブラジルからの便り

今日フェイスブックで見かけた長女のポスト。




小さい頃から絵を描くのが好きだった。

母から譲り受けた日本の色鉛筆

三つのケースに分かれている

ビビッドな色と

秋の色と

ベビー服のような色。。。

私は秋の色が好きで大切に大切に使っていた。


今日

ヴァン・ゴッホの絵を見た。

幼いころから

大切に仕舞い続けた色彩で描かれた景色を。






サバンナとバレエと


Van Gogh 




「あの色鉛筆どうした?」

って訊いたら

「ママェ、まだもってるよ」

とのこと。。。


私はあの色鉛筆との出会いを覚えている。

まだ鮮明に。。。

もう30年近く前の話だ。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



日本で留学中

春の金沢。

ひとりぼっちの日曜日。。。

少しづつ暖かくなっていたけど

長年リオになじんだ私には

まだ柔らかすぎる光線。

肌寒い風が寂しさをわすれさせない。。。


本屋で美しい色鉛筆を見つけた

3冊入った箱入り本のよう、

3つの箱が一緒になっている。

3つの淡い色のケースには

敏感になっていた心に染み込むような

美しい色彩の鉛筆が並んでた。


3つのグラデーション

淡い春の色彩と

衝撃的な夏の色彩と

ノスタルジックな秋の色彩。。。


宝物を見つけた。

そう感じた。

貧しい学生の財布、叩いて買った。


寂しさで繊細になっていた心。

見るもの全てが感動ばかりだった日々。

感じる続けるものを描きたかった。



思えば今の長女ぐらい若かった私。



さみしいと

本を読んだ。


さみしいと

絵を描いた。



何年かたって

結婚し

子供が生まれ

もう寂しい思いをしなくなったとき

使い古した色鉛筆

幼かった長女に与えた。


遠い昔の短くなった数々の色鉛筆。。。

未だに大事に使われていることを今日、知った。