この旅について話し続けるまえに、私の名前の由来について話したいと思います。
ミラン・クンデラの 「存在の耐えられない軽さ」、読まれましたか。
人生の「軽さ」「重さ」についての思想を描いた作品です。
人生において、全ての体験とそれらの重要視と責任感。
性格、行動、人間関係、それらは常に「軽さ」と「重さ」が伴っています。
つまりどれだけ「重いのか」、どれだけ「軽いのか」。
昔、私は自分の「重さ」がまったくいやになった時期がありました。
頑固で思い込みが激しく、何でもとことんとやらねば気がすまない。
責任感が強いと言うと聞こえがいいのですが、
自分に厳しいということは他人にとっても厳しくなり、
だんだんシニックになっていきました。
そして全ての体験がとてつもなく重く、悩みこんだり、くよくよする事がとても多かったのです。
特に大らかなラテン系の社会で生きていくので、なおさらコントラストがあったと思います。
もっと素直に受け入れる事ができるようになりたいと思いました。
周りの人たちも、体験も、感情も。
過去を背負わず、現在を素直に生きる、
水の流れに身を委ねるように。
私の実名には実に「土」に関する要素が多く、
私の性格の「重さ」もこの要素に似ているように思われて、
名前を変えてみようと決心しました。
私は学生時代にあるインドのある宗教に興味を覚え、
瞑想を学び、それから続けているのですが
その宗教のセンターに手紙を書き、新しい名前を頼みました。
「軽い」名前、水か空気のイメージを含む名前。
ムービメント、動き、舞、
小川、水のせせらぎ、雨、霧、
優しくて、穏やかな
そんな名前を待ちわびていました。
人生、軽く生きようと。
そして何ヶ月後に着いた手紙に書いてあった名前は
「NIRJARA」
「滝」という意味の名前でした。
水は水でも、穏やかさからほど遠いイメージ。
どうやら穏やかに生きていくとはまだ無理なのかと、苦笑いしたのを覚えています。
ちなみに「ニール」とはただのペンネームではなく、
NIRJARAを短くしたニックネームで、
ダンナさんからも、学生時代の友達からも、今でもこう呼ばれています。
今回の旅はこのことを意識してプランしたわけではありませんが
ある意味では、私にとって何か重要な要素があるような気がします。
自分の中の滝を見つけ出すため、一番遠い滝へ行ってきた。
そんな気がします。
さて、今回の滝を目指した旅。
前書きが長くなりましたが
の続きです。
初日の午後はカナイマ湖のいくつかの滝へのトレッキングでした。
上から滝を見下ろしてから下へ降り、滝くぐりです。
相当なボリュームの激流、正直言って怖い!!
写真、一様笑ってますが、顔が引き攣っています。
必死でカメラをビニールで包んで準備。
思わず息を呑む美しさです。
長女は「何のためカメラもってきたの」と
カメラを取り出し写真を取り捲りました。
びしょ濡れでジャングルをぬけて、カナイマ湖へ帰りました。
これで終わりだと思っていたら、なんと この滝をくぐることに。
こわがって行かなかった人も。
とどろきわたる水音、多大に落ちる水。
恐ろしいほど勢い自然のパワーです。
帰りは滝が夕日に輝いていました。
そして次の日はいよいよ待ちに待ったエンジェル・フォールです。
つづく




