ブラインドネス(Blindness)を御覧になりましたか。
この作品には感動しました。
2008年の日本・ブラジル・カナダ合作の映画です。
ブラジルのフェルナンド・メイレレス監督 (Fernando Meirelles)の作品でノーベル文学賞受賞作家ジョゼ・サラマーゴの‘白の闇 を映画化した作品。
物語は架空の都市を舞台に、住民たちが突然視力を失う原因不明の伝染病に襲われるというミステリー。
盲目になった人々は闇の世界に入り込むのではなく、白い霧の中に囲まれます。まるでミルク瓶の中にいるように。
ジュリアン・ムーアとマーク・ラファロが主演。ガエル・ガルシア・ベルナル、日本からは伊勢谷友介と木村佳乃が出演。
うちの長女のが美術大学生で映画専攻なのは前には話しましたが、彼女はフェルナンド・メイレレス監督の大ファンです。
彼女の言葉を借りると、フェルナンド・メイレレスの作品は人間性を詩的に表現することをいつもメインとしているそうです。ドラマチックな作品のなかでも、そのような要素がいつも作品の中に散らばせてあるそうです。
それはフェルナンド・メイレレスの人柄から来るものであって、彼は映画界のなかでも慕われて尊敬されているそうです。
ブラインドネスのメーキング・オブでの映画の初公演のシーン、一緒に映画を見終わった監督とサラマーゴが二人涙ぐんでいるシーンが印象的でした。
架空の都市はモンテビデオとサンパウロですが観客が決してどこが分からないように看板など全て取り払って撮影されてます。
下の画像はエスタード新聞にでたセットの写真ですが下のブリューゲルの作品を再現しているそうです。
その他にヒエロニムス・ボス、レンブラント、日本画などの再現もあるそうです。
音楽は uakti
、いろいろな楽器を作り出して演奏するブラジルのインスツルメンタル・グループです。
ブラインドネスは盲目を暗示させる手段としてガラスを透して撮影されたシーンが多いので、あえてガラスを使った楽器を作製したそうです。
残念ながらサラマーゴは今年6月に亡くなりましたね。88歳。
50すぎてから小説を書き始め、76歳でノーベル賞を受賞しました。
こんな人生もあるんですね。