土鍋 | サバンナとバレエと

サバンナとバレエと

ブラジルからの便り

ある日普段お世話になっている方達をよんで日本食のデェイナーでも、と思った。



まだ食器などあまり持っていなかったのでインデェオ民族品の土鍋を使おうと思った。


日本食とインデェオ民族品の組み合わせはちょっとユニークだと、我ながらいいアイデアだと思い捜しに出掛けた。









ギアナ付近の部落で作られる土鍋はむかしからの伝統的なプロセスで今でも作られていると聞いていた。郊外でその鍋を作っている人がいると聞いてさっそく行ってみた。





Lさんはカソリック系の名前をもっているが正真正銘のマクシ族のインデェオで土器の技巧法をおばあさんから教わったそうだ。窯は使わず焚き火で焼く素朴な物だ。






Lさんは気さくに歓迎してくれた。彼女の家は私がインデェオの生活を初めて身近に見る機会になったが、非常に興味深いインパクトをうけた。






Lさんの家は何もない。 果たして人が生活してるのかどうか疑問を感じるほど。


家具はまったくなく、ほんの少しの食器と鍋が食堂の隅に置かれていた。二三枚の服が釘に掛けてあり、天井からハンモックが吊ってあった。ただひとつの椅子さえもなかった。


そのあとあれは典型的なインデェオの生活スタイルだと知った。





まったく必要なものしか持たない生活。 欲のない生き方。その後随分考えさせられた。






サバンナとバレエと

Lさんから聞いた話。昔カヌーを手に入れるためおばあさんは鍋二百個と取り替えたそうだ。
まだ金銭より物々交換が使われていた頃の話。