2024年11月。
ついに迎えた、初めての胚移植。
採卵、顕微授精、ポリープ除去…さまざまな過程を経て、ようやくたどり着いたこの日。
「ここから、新しい命が宿るかもしれない」
そんな希望に胸をふくらませながら、病院へ向かいました。
でも、結果は陰性。
今回はその一部始終と、その後の心の変化について、書いてみたいと思います。
⭐️胚移植当日|お腹に入った“ダイヤモンド”のような命
移植の日は、朝から神経が張り詰めていました。
でもそんな気持ちを少しでも落ち着けたくて、子授け守りをお気に入りのハンカチにくるんで持参。バッグの中にあるそれを見るだけで、少し安心できました。
処置の前に受けたのが、子宮内膜スクラッチという先進医療。
これは、あえて子宮内膜を軽く傷つけることで、着床率を高める効果があるとされています。
処置の際、先生が「内膜、おもちみたいにふわふわしてて元気ですね」と言ってくださり、その言葉が嬉しくて、思わず笑ってしまいました。
そしていよいよ胚移植の瞬間。
画面に映る、小さな、小さな命のもと。
それがストローのような器具に吸い込まれ、お腹の中に戻されるその瞬間
ダイヤモンドが体の中に宿ったような神秘的な感覚で、涙がこぼれそうになりました。
⭐️️判定日までの1週間|不安とジンクスに包まれた日々
移植後の1週間は、期待と不安が入り混じった時間でした。
ネットで「着床に良い」とされている食べ物や飲み物アーモンドミルク、たんぽぽ茶、パイナップルジュース……とにかく気になるものは全部試して、家ではほとんど横になって安静第一。
少しでも「着床してくれますように」と願いながら過ごしていました。
でも…どうしても気になってしまう。
ついに我慢できず、何度もフライング検査をしてしまいました。
「もしかして…」「うっすらでも出てないかな?」と検査薬を食い入るように見つめて、そして真っ白な判定を見るたびに、落ち込んで、でも「まだ早いから」と自分に言い聞かせて…。
とにかく、時間が止まったような、落ち着かない1週間でした。
⭐️陰性という結果と、その受け止め方
そして、迎えた判定日。
結果は陰性。
その瞬間、言葉を失いました。
何も考えられなくて、ただ、胸の奥がズーンと重く沈んでいくような感覚。
帰り道も、家に帰ってからも、「何がいけなかったのか」ばかり考えてしまいました。
冷たい飲み物を飲んだせい?もっと寝ておくべきだった?
思い当たることすべてが、急に“原因”に思えてしまって、自分を責めました。
でも、少し時間が経って、ようやく冷静になってきた頃、こんなふうに思えるようになりました。
「あの胚は、ただ“今”じゃなかっただけなんだ」
誰のせいでもない。
その子が「今じゃない」と言って、静かに戻っていっただけ。
⭐️次に向けて、私が考えたこと
結果が出たからこそ、見えてくるものもありました。
今の体調は、本当にベストだったのか?
睡眠・食事・運動、もっとできることがあるのでは?
移植時のホルモン状態や着床の環境は整っていたのか?
「ダメだった」で終わらせるのではなく、「次にどうつなげるか」を考えることが大切なんだと、自分に言い聞かせています。
この経験を、悲しみだけで終わらせたくない。
だから私は、また次の一歩を踏み出す準備をしています。
⭐️最後に|それでも、希望は手放さない
初めての胚移植は、陰性という結果になってしまったけれど、
私はこの経験を通して、命が宿るということの尊さをあらためて感じました。
そして同時に、自分の心の弱さも、強さも、知ることができたように思います。
まだ、胚盤胞は残っています。
そして、まだ、希望も残っています。
次こそ、ダイヤモンドのような命を、しっかりと抱きしめられますように。
次回は「2回目の胚移植と判定」について綴ります。
